多言語サイトを作る際の7つのポイント

多言語サイト(複数の言語に対応したウェブサイト)を作りたい場合は、どうすれば良いのでしょうか?

多言語サイトは、ただ複数の言語で記事を書けばよいという単純なものではありません。様々な工夫や調整が必要です。

SEOやブランディング、そして何よりユーザーのために、多言語サイトを作る際に注意したい点を解説します。

1.言語をユーザーに選択させる

言語はユーザーが選択できるようにしましょう。

リダイレクトを設定し、ユーザーを強制的に特定の言語に飛ばすのは好ましくありません。

筆者はあるビジネスニュースサイトのアメリカ版を閲覧しようと〇〇〇.comにアクセスしたら、強制的に日本語版である〇〇〇.jpにリダイレクトされた事があります。

.jpを.comに変えてアクセスしてもまた日本版にリダイレクトされた時には本当にうんざりさせられました。

ユーザーが日本に住んでいるからと言って、必ずしも日本の(日本語の)ウェブサイトを読みたいと思っているとは限りません。

ユーザーの住んでいる国を勝手に判断してリダイレクトするのは止めましょう

利便性を追求するなら、強制リダイレクトの代わりに、日本語版(日本版)がある事を示すメッセージを表示しましょう。

例えば、AppleWordPressのウェブサイトは、英語版にアクセスした際、勝手にリダイレクトするのではなく、日本語版(日本版)がある事を示すメッセージが表示されます。

2.言語選択機能は分かりやすい場所に置く

言語を選択するためのボタンやリンクは分かりやすい場所に設置しましょう。

ナビゲーションメニューやサイドバーの一番上など、理想はファーストビュー(ウェブサイトを開いた際に、最初に表示される部分。スクロールせずに表示される範囲)に設置する事です。

言語選択機能はフッターに用意されている事が多いですが、一番下までサイトをスクロールするのは面倒なので、もしファーストビューに設置できるなら、ファーストビューに設置する事をおすすめします。

3.国旗アイコンを使用しない

多言語サイトを作る際、言語選択メニューに国旗のアイコンを使用するのは止めましょう。

多国籍サイトを作成する際に、各サイトが対象としている国を国旗のアイコンで示すのは構いません。

しかし、言語を表す際に国旗を使用するのは不適切です

ニュージーランドのように複数の言語が公用語となっている国や、英語のように複数の国家で使われている言語が存在する為です。

国旗と言語は対応しません言語選択のデザインに国旗を使うのは止めましょう

参考:多言語サイトの言語選択メニューに国旗アイコンの使用を避けるべき2つの理由

4.言語名は各言語の言葉で示す

リンク等で言語名を表示する際は、各言語の言葉で表示しましょう。

例えば、英語とスペイン語のリンクを表示する際は、それぞれ「English」と「Español」です。

日本語であれば、「Japanese」ではなく「日本語」です。

それぞれの言語で記した方が、その言語を利用する人にとって分かりやすく、ありがたいですよね。

言語名を表示する際は各言語の言葉で言語名を表示する方がより見つけやすくなります。例えば英語がメインのWebサイトにおいて、英語で「Japanese」と書かれるよりも、日本語で「日本語」と書かれたほうがわかりやすいですね。

出典:多言語Webサイトを制作する時に気をつけたいポイント

5.言語ごとに独立したURLを設定する

TwitterやInstagramは、1つのURLで複数の言語に対応しています(日本語でも英語でも同じURLで表示できる)。

しかし、SEOの面では、こうした1つのURLで複数の言語に対応するのはよくありません。

各言語のコンテンツには別々の URL を使用してください。つまり、多言語間で同一の URL を使って Cookie でコンテンツを切り替えるような構造は避け、それぞれの言語ごとに URL を設定しましょう。

出典:多言語ウェブサイトの作成について

1つの言語につき1つのURLを使用する事は、URLを直接書き換えるだけで言語が変更できるため、UI/UXの面でも好ましいです。

ユーザーによってはURLの言語部分を直接変更して言語選択しているユーザーも存在します。それができるためには分かりやすいURL設計をオススメします。

出典:多言語サイト構築時に知っておきたい【5つのポイント】

6.自動翻訳を利用しない

Google翻訳などの翻訳ツールを利用してコンテンツを訳すのはやめましょう。

ライターを補助するツールとしては使えるかもしれませんが、訳した内容をそのまま掲載できるレベルではありません。

時々、Google翻訳をサイトに搭載して多言語対応しているサイトを見かけますが、絶対に避けるべきです。

また、自動翻訳による誤った文章をサイトに載せていると、Googleにスパムサイトと見做され、検索で不利になる可能性もあります。

自動翻訳したページをインデックスの対象としないようにしてください。自動翻訳は意味が通じない場合があるため、スパムとみなされる可能性があります。また、自動翻訳されたコンテンツは、しばしばユーザーにとって理解できなかったり、不自然に感じることがあります。そのようなコンテンツを多言語のウェブサイトとして作成するのは、ユーザーにとって有益ではありません。

出典:多言語ウェブサイトの作成について  |  Google 検索セントラル ブログ

最近は「DeepL翻訳」という翻訳ツールが高性能で人気ですが、こちらもまだ完ぺきではありません。

翻訳は必ず言語の能力がある人が訳しましょう。もし自分で翻訳できないならプロの翻訳を利用しましょう。

7.本文だけでなく、全てのコンテンツを訳す

多言語サイトを作る際は、本文などメインコンテンツさえ訳せばよいというものではありません。

ナビゲーションや各種通知、SNSのシェアボタン、お問い合わせフォームの自動返信メールなど、メインコンテンツ以外も全て、ユーザーが選択した言語を表示・使用するようにしましょう。

参考