英語で相手の性別がわからないときの敬称は?

メールや手紙などを送るときなど、相手の性別がわからないとき、英語ではどのような敬称を使えばいいのか解説します。

英語で使える敬称の4つのパターン

英語では日本語の「~さん」に当たる敬称が「Mr.」「Ms.」と性別によって違うので、相手の性別がわからない場では困りますよね。また、セクシャルマイノリティやトランスジェンダーなど既存の性別に当てはまらない人(既存の性別での対応が難しい人)もおり、なお困ります。

そんな際は場面に合わせて以下の敬称(方法)を使いましょう。

1.フォーマルな場面

ビジネスなど硬い場面では「Mr./Ms.」を使います。

例えば、「Dear Mr./Ms. Yamada(相手の名前)」といった形です。

2.カジュアルな場面

カジュアルな場面では「Hi」を使います。

例えば、「Hi Yamada(相手の名前)」となります。

厳密には敬称ではなく、完全に呼び捨てなんですけどね(苦笑)

ただし、日本のマナーの感覚と、英語圏のマナーの感覚は違います。

実際は、日本では「硬い」と考えられるビジネスの場でも「Hi」を使うことが多々あります。

ちなみに、「Hi」よりも少しだけフォーマルな表現として「Hello」もあります。

3.セクシャルマイノリティが相手の場合

性別に中立な敬称として、実は「Mx」と言うものがあります。

「ミックス(ミクス)」と発音(読み)ます。

「Mr./Ms.」と同じように、「Mx Yamada」と表記します(イギリス英語では「Mr/Ms/Mx」の後ろにピリオドを打ちません)。

多くの場合、セクシャルマイノリティなど、性別を明らかにしない(したくない)人に使用されます。

ただし、「Mx」は「相手の性別がわからない時」と言うよりかは「セクシャルマイノリティに配慮した敬称」の向きがあり、また世間ではあまり一般的ではないので使用には注意しましょう。

逆に相手が、ジェンダークィア(既存の性別の枠組みにあてはまらない人)などを自認している場合は「Mx」を使ってみてもいいでしょう。

参考:性別に中立な英語の敬称「Mx」とは?

4.日本語の「さん」を使う

英語圏でも、日本の会社とやり取りする方など、日本文化に理解のある方は、日本人相手に日本語の敬称である「さん」を使って、「san」と表記する場合があります。

「Yamada-san」といった感じですね。

ただし、英語圏の人がみんな知っているわけではないので、相手が使ってこない限り、使わない方が良いでしょう。

まとめ:「Mr./Ms.」なら間違いない

英語の敬称について4つのパターンを紹介しましたが、この中で間違いがないのは「Mr./Ms.」と男女両方の敬称を併記する方法です。

「Hi(Hello)」では砕けすぎて、初めての相手には失礼に当たることもあります。「Mx」は性別がわからないと言うよりは、セクシャルマイノリティに対して使うものであり、またあまり一般的ではありません。

「san」も一般的とまでは言えません。

「Mr./Ms.」が一番手堅く、現実的な選択肢になります。

参考

性別に中立な英語の敬称「Mx」とは?

英語では敬称が性別によって変わります。男性は「Mr」、女性は「Ms」「Miss(未婚女性)」「Mrs(既婚女性)」です。

ですが、実は相手が男性・女性に当てはまらない際に使える敬称「Mx」も存在します。

Mxはミックス(mix)またはムックス(mux)のように発音します。

Mxとは?

Mxはジェンダーニュートラル(性別に囚われない)敬称です。

MrやMsと同様、相手の姓や名の前に付けて使用します。

例:Mx Yamada

Mxは相手の性別を特定せずに使える敬称で、主にセクシャルマイノリティなど性別を特定できない方や性別を明らかにしない(したくない)人に対して使用されます。

イギリスでは公的書類にも登場するMx

セクシャルマイノリティへの配慮と聞くと「最近作られたのかな?」と思う方もいるかもしれませんが、初出は1977年で、1985年から使用されるようになった敬称です。

Mxはまだあまり一般的ではありませんが、イギリスでは政府や企業も使用しており、運転免許証や銀行の書類など、様々な公的書類で使われることが多くなっています。近年は辞書にも掲載されています。

例えば、イギリスにある世界有数の名門大学・オックスフォード大学の出版社「Oxford University Press」がネット上で無料公開している辞書「Lexico.com」にも「Mx」の項目があります。

参考:MX | Meaning & Definition for UK English | Lexico.com

ピリオドは付けるべきか?

Mxは「Mr」や「Ms」と同様、アメリカ英語ではピリオドを付ける場合があります。

イギリス英語では付けません。

  • アメリカ英語:Mx.
  • イギリス英語:Mx

まとめ

筆者は以前、「アメリカのセクシャルマイノリティは性別を問わない日本の敬称『~さん』を羨ましがっている」と言う噂を聞いたことがあります。

確かに、既存の性別に当てはまらない(わかりにくい)セクシャルマイノリティの方からすれば、「~さん」は性別関係なく使えるので嬉しいですよね。

ちなみに、筆者はドラァグクイーン(女装パフォーマー)への敬称として「Mx」を使用しているメディアを見たことがあります。

個人的には、セクシャルマイノリティに限らず使用されるようになったら、手紙やメールでも相手の性別について気にする必要が無くなるので便利で良いなと思っています。

関連記事:英語で相手の性別がわからないときの敬称は?

参考

ビジネスの場で使用される英語「LOI」の意味とは?

ビジネスの場で使用される英語「LOI」とは何なのか?意味を解説します。

「LOI」とは?

「LOI(エル・オー・アイ)」とは「Letter of Intent(レター・オブ・インテント)」の略で、日本語で「基本合意書」という意味です。

場面によっては「仮契約書」「覚書」などと呼ぶこともあります。

見た目が一見分かりづらいですが、「lol」とは別物です(こちらは「エル・オー・エル」で、日本語の「(笑)」のような意味)。

LOIの意味

LOIは日本語訳からも分かる通り、契約をするにあたって、契約に関心があることを示し、本格的な条件交渉等に入ることを示すものです。

例えば企業間のM&Aでは、実際に企業を買収する前に、協議の途中で取り交わされることが多いです。

M&Aでは、取引の諸条件を確定させた最終契約の締結に先立ち、交渉段階において、秘密保持契約を結ぶだけでなく、いくつかの基本的な事項について合意書を締結することがあります。
これをLOI(Letter of Intent)、MOU(Memorandum of Understanding)、基本合意書、覚書などといい、その名称は案件ごとに異なります。

出典:LOI(MOU:基本合意書)とは | 契約締結の意味と法的効力 | 山田コンサルティンググループ

他にも、不動産の賃貸契約などでもLOIは活用されます。

参考