伝説的なテクノロジー起業家にして投資家であるピーター・ティール氏の投資先を紹介します。
なお、同氏の投資は個人または自身が率いる投資会社を通じて行われています。
同氏の投資会社には以下のようなものがあります。
- Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)
- Valar Ventures(ヴァラー・ベンチャーズ)
- Mithril Capital(ミスリル・キャピタル)
- Clarium Capital(クラリウム・キャピタル)
- Thiel Capital(ティール・キャピタル)
著名な投資
ピーター・ティール氏の投資先には以下のようなものがあります。
- Tesla
- SpaceX
- YouTube
- Yelp
- Yammer
ティール氏が行った投資の中でも、特に成功したのが2004年に行ったFacebook(現Meta)への投資です。
ティール氏は、創業直後のFacebookに、同社初の社外投資家として50万ドルを信用貸しの形で融資し、後にこれを同社の株式10.2%に換えました。
ティール氏はFacebookが2012年5月にIPOを行った際に、保有する株式の一部を売却しましたが、その時だけでも6億4000万ドル相当のリターンを得ています。
Stripe
Stripeは2010年にコリソン兄弟(兄:パトリック・コリソン、弟:ジョン・コリソン)が創業したオンライン決済サービスです。
X(Twitter)の決済機能としても利用されていますね。
ピーター・ティール氏はシードラウンドでStripeに投資しました。
また、シリーズCは自身が創業したFounders Fundが主導しました。
Glance
ティール氏はミスリル・キャピタルを通して、スマホのロック画面でニュースやゲームを楽しめるサービスを手掛けるインド発の企業・Glance(グランス)に4500万ドル(約48億円)を投資しました。
なお、Glanceは日本でもSoftBankおよびY!mobileが提供する一部の端末で利用できます。
Rumble
政治的に保守派の人々に人気の動画プラットフォーム(動画サイト)であるRumble(ランブル)に出資している。
Shares
2022年春先に、Valarを通して、投資とSNSを融合させたアプリ「Shares(シェアーズ)」に投資しました。
ブロックワン
ブロックチェーンプロトコルを開発しているブロックワン(Block.one)は、ティール氏から投資を受けたと2018年7月16日に発表しました。
クオント
クオント(Qonto)は、簡潔な銀行口座と豊富な金融サポートサービスを提供するデジタルバンクです。
ピーター・ティール氏はValar Venturesを通して出資しています。
アイエム
ベルリン発のスタートアップで、写真共有アプリ「EyeEm(アイエム)」を運営するEyeEm Mobile GmbHは、ピーター・ティール氏率いるValar Venturesから投資を受けています。
クレッシェンド
ティール氏は、韓国のソウルに本社を置く、プライベート・エクイティ・ファンド「Crescendo Equity Partners(クレッシェンド・エクイティ・パートナーズ)」にスポンサーとして参画しています。
その為、クレッシェンドの投資は、間接的にティール氏の投資にもなります。
クレッシェンドはアジアの中堅テクノロジー・製造業への投資に特化したファンドで、日本ではLINEヤフーのグループ会社でNFTプラットフォームの企画・開発を行うLINE NEXTがこのファンドから投資を受けています。
ブリッシュ・グローバル
ブロック・ワン(Block.One)が2021年に子会社としてブリッシュ・グローバル(Bullish Global)を設立した際、ピーター・ティール氏はThiel CapitalおよびFounders Fundを通して投資を行いました。
自身の会社
ピーター・ティール氏は起業家としても有名です。
自身が起業した会社には、投資家としても参画しています。
PayPal
PayPal(ペイパル)は1998年に創業した決済サービスです。
元々、ピーター・ティール氏らが創業したコンフィニティのサービスでしたが、イーロン・マスク氏が創業したX.comと合併し、世界的なサービスへと成長しました。
Palantir
パランティア(Palantir)は2003年に創業したデータ分析企業です。
同社が独自に開発したデータ分析ソフトウェアは世界中の政府や自治体、企業で利用されています。
ティール氏は、個人ではもちろん、自身が創業したClarium CapitalとFounders FundでもPalantirに投資しています。
Founders Fund
ピーター・ティール氏はPayPal時代の同僚とベンチャーキャピタルであるFonders Fundを共同創業し、多くのスタートアップに投資を行っています。
Founders Fundのポートフォリオはこちらから確認できます。
仮想通貨
ティール氏は、2023年後半にファウンダーズ・ファンドを通じてビットコインとイーサリアムに2億ドル(約300億円)の賭けをしたと報じられています。
2014年に同ファンドを通じてビットコインへの投資を開始したティール氏は、コロナ禍の強気相場がピークに達した2022年にそれらを現金化し、約20億ドルのリターンを得たとFinancial Timesは報じています。
DeepMind
AIスタートアップのDeepMind(現:Google DeepMind)は設立時にピーター・ティール氏が率いるファウンダーズ・ファンドから出資を受けました。
ハサビスが人間の脳をイメージした汎用人工知能(AGI)の開発を目指していると説明すると、ティールは「これは話が大きすぎるかもしれない」と驚いたが、ティールと彼のベンチャーキャピタル「ファウンダーズ・ファンド」のパートナーたちがディープマインドの創業資金200万ポンドのうち140万ポンドを出資することに決まった。その後、この投資にイーロン・マスクも加わった。
出典:莫大な富をもつとてつもなく賢い者「テクノ・リバタリアン」が、お互いに利用し合ったり、敵対したりしながら、人類の未来をつくっている | ダイヤモンド・オンライン
現況:Googleに買収される(2014年)
Polymarket
Polymarket(ポリマーケット)は、ブロックチェーン技術などを活用した分散型予測市場プラットフォームで、現実世界のさまざまなイベントの結果に対して賭けを行うことができます。有名なものでは、2024年アメリカ大統領選が賭けの対象になっていました。
賭博行為を行うプラットフォームである事から、アメリカでは規制の対象となっています。
2024年5月14日に公開されたコインデスクの記事によると、PolymarketのシリーズB資金調達ラウンドは、ピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンドが主導しました。
Zellerfeld
デザイナーが入稿したファイルをもとにスニーカーを3Dプリントして提供するZellerfeld(ゼラーフェルド)に、ピーター・ティール氏はFounders Fund(ファウンダーズ・ファンド)を通じて支援しています。
Anduril
Anduril Industries Inc.(アンドゥリル・インダストリーズ)は軍事機関や国境監視のための技術を開発する南カリフォルニアの新興企業です。
「オキュラス・リフト(Oculus Rift)」をフェイスブックに30億ドルで売却したパルマー・ラッキー氏がティール氏らと組んで創業した会社で、Founders Fundは同社を支援しています。
Palantirの元従業員であるトレイ・スティーブンス氏は、現在同社で会長を務めています。
Clearview AI
FacebookやGoogleから人々の顔データを吸い出し、警察のために巨大なデータベースを構築する顔認識テクノロジー企業「Clearview AI」に出資しています。
Boldend
2017年にサンディエゴで設立されたBoldend(ボールドエンド)は、サイバー戦争 任務を支援する自動化ツールを作成しています。
Founders Fundは事業のごく初期に1000万ドル以上を秘密裏に投資しました。
Halcyon
Boldendの完全子会社であり、ランサムウェア対策企業のHalcyonに出資しています。
Peregrine
Peregrine Technologies(ペレグリン・テクノロジー)は、Palantirの元幹部であるニック・ヌーン氏が創業した企業で、警官によるテクノロジーの濫用を抑制しつつ、米国の地方警察が監視データにアクセスする能力を拡大させることを目指し、データ解析ソリューションを開発しています。
Palantir時代の上司であるティール氏は、Founders Fundを通して同社に投資を行っています。
未来への投資
ティール氏はまだ著名でないもの、まだ成功していないものへの投資には以下の様なものがあります。
海上国家
海の上に都市を作ることを研究するNPO団体「シーステディング研究所(The Seasteading Institute)」に投資をしています。
スマートガン
特定の認証された1人ないし複数の人だけが発砲できる「スマートガン」の技術に投資を進めています。
エンハンスド・ゲームズ
ドーピング歓迎のオリンピック大会「エンハンスド・ゲームズ(Enhanced Games)」の創設に向けて投資するベンチャーキャピタリストの1人です。