Palantir(パランティア)の顧客は膨大なデータを持つ政府や大企業です。
TechCrunchによると、CIA、DHS、FBI、NSA、海兵隊、米陸軍、米空軍などと取引があるといいます。
また、ニューヨーク市警、バンク・オブ・アメリカ、IBM、ロッキード・マーティン、ブーズ・アレン・ハミルトンなども顧客として知られています。
同社の人工知能ツールの顧客には、CBSブロードキャスティング、ゼネラル・ミルズ社、アラマーク・サービス社が含まれる。
著名な顧客
Palantirの著名な顧客には以下のような機関・企業があります。
CIA
2005年から2008年までの3年間はCIAが唯一の顧客でした。
CDC
CDC(米国の疾病予防管理センター)に向けて、新型コロナウイルスの感染拡大状況や、医療機関の対処状況の把握をするアプリの提供を行いました。
Palantirは、医療機関から受け取るデータを匿名化した上で、Palantir Foundryと呼ばれるプラットフォームで分析し、使用可能な病床数や人工呼吸器の数の把握に利用されています。
なお、データはAmazon.comのクラウドであるAWSに貯蔵されているといいます。
また、感染拡大の予測モデルの提供など、コロナウィルスのパンデミックに対して、Palantirはビッグデータの活用で対抗しています。
ちなみに、Palantirは詳細不明のハードウェア及びソフトウェアの更新費用として、67万5000ドルをCDCから受け取っています。
NHS
英国のNHS(国民保健サービス)においてもPalantirのソフトウェアが利用されており、病院のキャパシティや人工呼吸器の利用状況の把握などに役立てられています。
J.P. Morgan
2010年に契約した民間初の顧客です。
Palantirのソフトウェアを使い、サイバー犯罪や住宅ローンなどの問題を通じて、数億ドルを節約することに成功しました。
クレディスイス
クレディ・スイスでは、Palantirのソフトウェアを同社が持つ40億人の加入者の取引記録や従業員情報データの統合分析し、取引の検知などに使用しています。
マネーロンダリングの検知だけをとっても、従来と比較してコストが20分の1に削減できたうえで、検知率が2倍となっており、事業コストも大幅に下がったことで利益に貢献しており、世界の金融機関で導入が進んでいるといいます。
エアバス
欧州の大手航空機メーカーであるエアバスでは、同社が持つ大量の製造プロセスデータ、納入先の航空会社が持つ運行データを統合する管理プラットフォームを構築しました。
現在では、世界90社の航空会社が保有する6000機の機体がプラットフォームに登録されており、航空機の遅延が1割減少したほか、燃費を約1300万ドル(約14億円)削減することができました。
SOMPOホールディングス
SOMPOは2019年からPalantirの顧客となっており、保険・ヘルスケア業務でPalanitrのデータ管理・インテリジェンスソフトを利用しています。
2023年2月1日には、SOMPOとその関連会社にデータソフトウエアを提供する5000万ドル相当の5年契約を結んだとPalanitrが発表しています。
なお、SOMPOホールディングスは2019年にPalantirと共同でジョイントベンチャー「Palantir Technologies Japan」を設立しています。
富士通
富士通は2020年6月に、PalantirおよびPalantir Japan株式会社とパートナーシップ契約を締結し、日本市場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)分野の強化に向けて戦略的協業を行うことを発表しました。
富士通はPalantirのソフトウェアを活用し、社内のDXプロジェクトにおいて数億円規模の大きな効果を上げています。
2023年12月5日には、社会課題の解決とビジネス変革の加速に向け、PalantirおよびPalantir Hapanと戦略的なグローバルパートナーシップの発展に向けた契約を締結しました。