PalantirのTITANとは?

PalantirのTITANは、米陸軍向けに開発された人工知能(AI)と機械学習(ML)を活用した次世代移動式地上局です。

TITANはTactical Intelligence Targeting Access Node(訳:戦術情報ターゲティングアクセスノード)の略です。

見た目は軍用トラックですが、内部には折り畳み式のデスク、複数のスクリーン、サーバーを備えた作業スペースが設置されています。

この地上局は、宇宙、空中、地上の各種センサーから得られたデータを迅速に処理し、攻撃目標の自動認識や正確な位置特定を行います。

TITANは最先端のテクノロジーで敵を出し抜き、打ち負かすように設計されています。

Palantir

このシステムは、複雑な戦場環境においてリアルタイムのデータ分析とターゲティングを可能にすることを目的としています。

陸軍のエド・バーカー准将はTITANについて「陸軍内の情報近代化の取り組みにおける基礎要素の1つ」と述べています

なお、PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏によると、TITANはPalantirが受注しているアメリカ国防総省の軍用AIプロジェクト「Project Maven」の延長上にあるとのこと。

目的と機能

TITANは、軍事作戦における情報収集、分析、意思決定を迅速化するために設計されています。

衛星やドローンなど複数の情報源からデータを統合し、AIを活用して高精度なターゲティングと戦術的意思決定を支援します。これにより、戦場での状況認識を向上させ、迅速な対応を可能にします。

TITANの目標は様々なリアルタイムの情報源から得たセンサーデータを統合することで、兵士が敵を識別し、照準を定め、射撃しやすくすることです。

陸軍のクリス・アンダーソン大佐は「TITANは、戦場全体で情報を収集、処理、そして配信する方法に画期的な技術をもたらし、マルチドメイン作戦を支援する上で決定的な優位性をもたらしてくれます。」と声明で述べました

開発

TITANの開発には、以下のような企業が参加しています

Palantirは自社を含むこれら企業のシステム、ソフトウェア、ハードウェアを統合し、TITANの開発を主導しています。

なお、TITANの開発には、これら以外にも提携している企業があると考えられています。

種類

TITANのプロトタイプには以下の2種類があります

  • Basic(基本型):JLTV(汎用車両)に搭載される。直接的なダウンリンク機能を備えていない。
  • Advanced(派生型):M1083のような軍用トラックに完全な機能を搭載したモデル。宇宙配備センサーからデータを受信できる

歴史

2021年1月:Palantirが米陸軍と共同でTITANのプロトタイプ設計とデモンストレーションを行う契約を獲得。

2022年6月:PalantirがAI/MLを活用したTITANの競争的プロトタイプ開発に選ばれる。

2024年3月6日:Palantirが米陸軍から2年間1億7840万ドルの契約を受注したと発表。TITANのプロトタイプを5つの先進型と5つの基本型の合計10台を開発・納入する。

2025年3月7日、TITANの最初の2台を米陸軍に納入したと発表した

2025年5月:PalantirがTITANのソフトウェアが予定通り予算内で提供され、戦闘力の向上に寄与していると報告。

動画

TITANを映画の予告風に紹介する公式プロモーション映像です。

Palantirは「In theaters now.」という言葉と共にこの動画をXやYouTubeにポストしています。

「In theaters now.」は「現在劇場公開中」という意味ですが、「theater」という単語には「戦域」という意味もあります。

AIの軍事利用に厳しい目線が向けられる中で、映画の予告編のように軍事への貢献をアピールできるのはすごいですね。

動画のラストに「To Defend the west」(西側を守るために)と記されており、その意思が端的に示されています。

参考

Palantirが展開する実力主義のインターンシップとは?

ピーター・ティール氏が創業したデータ分析企業のPalantir(パランティア)は、高校を卒業したばかりの18歳を対象に、インターンシップを展開しています

このインターンシップは「メリトクラシー・フェローシップ(Meritocracy Fellowship)」と呼ばれています。メリトクラシーとは実力主義・能力主義といった意味です。

メリトクラシー・フェローシップとは?

パランティアのメリトクラシー・フェローシップとは、2025年4月に発表されたプログラムです。

これは、高校を卒業したばかりの18歳のうち、大学に入学していない者を対象とした4カ月間の有給インターンシップです。

このプログラムの参加するにはアイビーリーグレベルのテストスコアが必要です。このプログラムには500人以上が応募しましたが、合格したのはわずか22人でした。

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、大学進学に魅力を感じなかったり、希望の学校に入学できなかったりした人たちが混在していた。インターンシップ中、生徒たちは米国の歴史と西部開拓について学び、パランティアのフルタイム従業員と共に技術的な問題の解決や製品の改善に取り組みました。

パランティアが大切にしていること

なぜパランティアはこのようなインターンシップを開始したのでしょうか?

その理由は、このプログラムの採用ページに記されています(現在は内容が若干異なります)。

多くのアメリカの大学では、不透明な入学基準が実力主義と優秀さを覆しています。その結果、優秀な学生が主観的で浅薄な基準に基づいて教育を受ける機会を奪われています。実力主義が欠如した大学は、過激主義と混沌の温床となっています。

Palantirは、大学入学制度の欠陥に対応するため、メリトクラシー・フェローシップ制度を創設しました。実力と学業成績のみに基づいて選考され、面接に招待されます。選考された応募者にはPalantirでのインターンシップの機会が提供されます。

メリトクラシー・フェローシップを無事に修了すると、Palantir在籍中に優秀な成績を収めたフェローには、Palantirでのフルタイム雇用のための面接を受ける機会が与えられます。

借金は不要。洗脳も不要。Palantirの学位を取得しましょう。

出典:Palantir Technologies – Meritocracy Fellowship

Palantirが米国の大学、特に大学入試制度に否定的な姿勢を取っている事が分かりますね。

同社の取り組みは、DEI施策(入学試験における黒人への加点や女子学生限定の支援など)による実力主義の欠如や不公平な環境を批判するトランプ政権の意向にも合致しています。

大学に否定的な創業者たち

パランティアの高等教育に対する強い軽蔑は、創業者の1人で現在はCEOを務めているアレックス・カープ氏の思想が反映されています。

カープ氏は2025年の初めに以下の様に述べています。

学校や大学で世界の仕組みについて学んだことはすべて、知的に間違っている

アレックス・カープ

また、同じくパランティアの創業者で、同社の会長であるピーター・ティール氏はかねてより大学不要論を主張し、2011年から22歳以下の才能ある若者に大学進学ではなく起業を推奨する「Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)」を展開しています。

Theil Fellowshipの出身者には、イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏やMetaが巨額投資をしているAI企業「Scale AI」を起業したルーシー・グオ氏がいます。

参考:Palantir Launches Anti-College Internship for High School Grads(Business Insider)

Palantirには日本法人がある!

ピーター・ティール氏らが起業したデータ分析企業「Palantir(パランティア)」には、日本支社の「Palantir Technologies Japan株式会社」が存在します。

Palantir Technologies Japan株式会社は、Palantir TechnologiesとSOMPOホールディングスが共同で設立しました

正式名称 Palantir Technologies Japan株式会社
フリガナ パランティアテクノロジーズジャパン
創業 2019年10月15日事業開始:同年12月1日)
所在地 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目12−18 ジ アイスバーグ 6階
法人番号 5010401148754
代表者 楢﨑浩一
公式サイト Palantir (パランティア)

Palantir Japanは日本の各産業や政府機関におけるデジタルトランスフォーメーションに貢献しています

著名な顧客にSOMPOホールディングスや富士通があります。

関連記事

Palantir Japanの歴史

2019年11月、SOMPOホールディングスと共同出資(ジョイントベンチャー)で、日本にPalantir Technologies Japan(本社:東京都中央区)を設立。資本金は1億ドルで、出資比率はSOMPOホールディングスが50%、Palantir Technologiesが50%である。

2020年

6月、SOMPOホールディングスが5億ドル(約500億円)をPalantirに出資する

6月に富士通がPalantir TechnologiesおよびPalantir Japanとパートナーシップ契約を締結する

6月10日、富士通がPalantirに5000万米ドル(約53億円)を出資したと発表した

2025年

8月5日、富士通がPalantir Japanと生成AI基盤に関するライセンス契約を締結した

オフィス「The Iceberg」

Palantir Japanが2021年11月9日から入居しているオフィスは、「The Iceberg」という非常に特徴的な建物です。

明治通りに面したファサード(前面の外観)は、クリスタルをイメージした青とメタリックの中間膜を用いた全面ガラス張りが特徴です。

設計を担当したCreative Designers Internationalのベンジャミン・ウォーナー代表は、「彫刻のようにつくり上げたクリスタルな建築を目指した」と語っています

WeWorkのレンタルオフィス

同ビルは2018年8月1日より、全階がWeWorkのレンタルオフィス「WeWork アイスバーグ」となっています。

1階と2階は共有スペースで、3階から7階はプライベートオフィスです(Palantirは6階に入居)。

ちなみに、7階にはBuzzFeed Japan株式会社、4階にはShopify Japan株式会社が入居しており、本社として登記しています。

1階のカフェ「forucafe」はWeWorkの会員でない人も利用する事が可能です。WeWorkの利用者であれば、ドリンクはすべて50%割引で購入することが出来ます

AI特需でパランティアの株価が年初来332%上がる

(2024年12月20日)

ビッグデータ解析を手掛けるPalantir Technologies(パランティア・テクノロジーズ)は、データ分析AIアプリケーションの需要が追い風となり、株価が年初来で332%上がったとBloombergが報じました

AIサービスから大きな収益を上げることができたソフトウェア企業はほとんどないが、パランティア・テクノロジーズ社は傑出している。同社のデータ分析AI製品への需要が成長を活性化させ、売上高は前年の17%から2024年には26%拡大するペースにある。

株価は2024年に332%上昇し、時価総額を年初の370億ドルから1700億ドル近くに押し上げた。来週にはナスダック100の仲間入りをする。

ウォール街では今年の株価上昇を受け、この銘柄に慎重な見方もあるが、ウェドブッシュのアナリストは、AIによるさらなる成長への期待から、2025年はさらなる上昇をもたらすと予想している。

ブルームバーグがまとめたデータによると、予想利益に対する株価の倍率は150倍を超えており、パランティアはS&P500の中でベンタスに次いで2番目に割高な銘柄である。ブルームバーグが追跡しているアナリスト22人のうち、パランティアを「買い」と評価しているのは3人だけだ。

出典:What’s Next for Five of 2024’s Most Dramatic Tech Stock Stories

時価総額が約1700億ドル(約26兆7200億円)とはすごいですね。

筆者は以前、Palantirの株を持っていましたが、かなり早い段階で利確してしまいました。めっちゃ悔しいです(´・ω・`)

とはいえ、Bloombergが報じているように、Palantirは明らかに割高なので、また株価が下がって購入できるチャンスがくると信じています。

パランティアの製品

Palantir(パランティア)の製品や関与したプロジェクトを紹介します。

Palantirの製品

Palantirの製品であるソフトウェアプラットフォームを紹介します。

4つの主力製品

Palantirは様々なソフトウェア製品を提供しています。中でも代表的なのは以下のソフトウェアプラットフォームです。

Foundry(ファウンドリー)

Palantir Foundryは、様々なシステムに分散したデータを統合し管理するプラットフォームです。

民間企業が保有するビッグデータの活用を支援するソフトウェアプラットフォーム。製造業、小売業、ヘルスケアなどの業界で使用されており、生産の最適化やサプライチェーンの管理など、様々なタスクを支援している。

出典:Forbes

Gotham(ゴッサム)

警察や政府機関の為のプラットフォーム

Apollo(アポロ)

FoundryとGothamに自動アップデートを送る

AIP

企業や公的機関が自らのガバナンスとセキュリティのもとで、LLMやAIエージェントを業務プロセスに安全に組み込み、運用するためのPalantirのプラットフォームです。役割に応じた権限管理や運用統制、ヒューマン・イン・ザ・ループ設計を備えており、Palantir Foundryと連携することで、組織内のデータ分析や業務自動化のためのAI活用を短期間で実現します。(損保ジャパン


上記4つのソフトウェアプラットフォームはPalantirの基本的な製品です。

詳細はこちら:Palantirの主力製品とは?4つのソフトウェアプラットフォームを紹介

Palantir Gotham Europa

Palantir Gothamには、「Palantir Gotham Europa(パランティア・ゴッサム・エウロパ)」という派生製品があります。

Gotham EuropaはサードパーティーのAI(人工知能)やML(機械学習)モデルを簡単に統合したり、ウェブブラウザから直接Gothamにアクセスして作業を行ったりと、従来のGothamにはなかった機能が搭載されています。

参考:Palantir Gothamとは?

Palantir Metropolis

Palantir Metropolis(パランティア・メトロポリス)は、ウォール街の銀行やヘッジファンド向けの定量分析に特化したソフトウェアです。

Palantir FedStart

Palantir FedStartは、連邦政府にソフトウェアを導入することを検討している適格企業やスタートアップ企業向けのSaaS サービスです。

競合製品を提供する企業に米防衛テックのSecond Front(セカンドフロント)などがあります。

公式サイト:Palantir FedStart

Gaia

Gaia(ガイア)は戦場における作戦行動を支援するインタラクティブマップです。

ガイアにより、ミッションパートナーは作戦の全段階に安全に統合されます。データ強化型マップビューは真の作戦情報統合を実現し、ミッション計画・実行・運用をほぼリアルタイムで支援します

出典:Palantir Powering Secure Collaboration | Capabilities

Gaiaを利用する事で、標的の位置を確認し、どの場所を攻撃するか選択するのに役立ちます。

特殊事例

以下はPalantirが政府機関などに向けて特別に開発・協力した製品・プロジェクトです。

ELITE

ELITE(エリート)は公的機関と民間企業の両方から得た様々なデータを集約・分析し、任意の人物がどこにいるのか捕捉するツールです。

ELITEはGoogleマップのような地図インターフェース上に対象者の密集度を表示する機能を備えており、特定の人物を選択すると、顔写真や外国人登録番号、生年月日、最新の住所などの詳細な個人資料を即座に提供するツールです。

出典:ICEが襲撃対象地域を探すために使っているPalantir製アプリ「ELITE」とは? – GIGAZINE

名前は「Enhanced Leads Identification & Targeting for Enforcement」の略です。

このツールはプライバシーに対する懸念から批判の声も出ています

従来は犯罪捜査支援ツールでしたが、第2次トランプ政権ではICE(移民・税関捜査局)に提供され、移民の大量強制送還を支援するツールとして活用されています。

ICEの他には、国土安全保障省などがこのサービスを利用しています

MetaConstellation

PalantirのMetaConstellationはAIを活用して数百のセンサー群から得られる情報を統合し、迅速な意思決定を支援するソリューションです。

アメリカ北方軍が実証実験を行ったほか、ウクライナでは実戦投入されています

MetaConstellation

XKEYSCORE Helper

インターネット上のあらゆるデータを盗聴できるNSAのスパイツール「Xkeyscore(エックスキースコア)」で収集したデータを、Palantirのソフトウェアにカンタンに取り込めるように開発されたソフトウェアが「XKEYSCORE Helper」です。

XKEYSCORE Helperを利用すると、NSAがXkeyscoreで収集したデータを簡単にPalantirの製品にインポートし、調査できます。

Skywise

Palantirがエアバスと共同開発したオープンデータプラットフォームです。

航空機が収集した膨大なデータを、整理・分析する事で、トラブルを予防します。

関連記事:パランティアの「スカイワイズ」とは?

Project Maven

Project Maven(プロジェクト・メイヴン)とは、2017年にアメリカ国防総省が立ち上げた軍用AIプロジェクトです。

Palantirが主要なシステムの設計を担っています。

参考:Project Mavenとは?

TITAN

PalantirのTITAN(戦術情報ターゲティングアクセスノード)は、米陸軍向けのAIと機械学習を活用した初の移動式地上局です。

衛星やドローンからのデータを人工知能と機械学習を使ってリアルタイムで分析し、戦場でのターゲティングや意思決定を迅速化します。

詳細:PalantirのTITANとは?

Victim 360 / 被災者360

Palantirが日本の石川県と共同で開発したプロダクトです。

日本では「被災者360」と呼ばれており、英名は「Victim 360」です。

2024年1月の能登半島地震により、62,000人以上の避難者が複数の県に散らばりました。Palantirのエンジニアたちは、120,000人の地域住民を表す15の断片的なデータソースを統合した「Victim 360」を構築し、避難者の発見と支援を可能にしました。数か月後に洪水が発生した際、同じシステムがわずか24時間で再展開されました。

出典:Palantir / X

パランティアの顧客は誰?日本企業も使ってる?

Palantir(パランティア)の顧客は膨大なデータを持つ政府や大企業です。

CIA、DHS、FBI、NSA、海兵隊、米陸軍、米空軍など米政府機関と取引があるとTechCrunchは報じています

また、ニューヨーク市警、バンク・オブ・アメリカ、IBM、ロッキード・マーティン、ブーズ・アレン・ハミルトンなども顧客として知られています

同社のソフトウェア プラットフォームを導入する顧客には、CBSブロードキャスティング、ゼネラル・ミルズ社、アラマーク・サービス社が含まれる

もちろん、日本にも導入している企業や行政があります。

関連記事:パランティアを導入する日本の企業と行政

著名な顧客

Palantirの著名な顧客には西側諸国の政府や軍、企業があります。

Palantirは西洋的価値観(民主主義、個人の権利)を守る為の組織であり、それ故に同社がビジネスを提供する相手は米国とその同盟国が中心となっています。

関連記事:Palantirは民主主義に基づき、中国共産党とビジネスはしないと断言している

CIA

2005年から2008年までの3年間はCIAが唯一の顧客でした

また、CIAが運営するベンチャーキャピタルIn-Q-Tel」は、Palantirに対して2度、計200万ドル(約3億円)の資金提供と技術協力を行いました

米軍

Palantirはアメリカ軍と積極的にビジネスをしています。

BloombergはPalantirのソフトウェアについて「米軍のあらゆる部門で使用されている。」と評しています

噂ではアメリカ同時多発テロ事件の首謀者であるビン・ラディンの暗殺にも貢献していると言われています

かつてアメリカがパキスタンでビン・ラディン容疑者を殺害した時にも、このパランティア社のシステムが使われたという。以前、カープ氏はパランティア社の存在について「私たちは世界の出来事において、公の場で言うことができないほど大きな重要な決定的な役割を果たしている」と述べている。

出典:「こっそり歴史を変えた」~ウクライナ善戦の裏でアメリカ民間企業“魔法の力”【報道1930】 | TBS NEWS DIG

CDC

CDC(米国の疾病予防管理センター)に向けて、新型コロナウイルスの感染拡大状況や、医療機関の対処状況の把握をするアプリの提供を行いました。

Palantirは、医療機関から受け取るデータを匿名化した上で、Palantir Foundryと呼ばれるプラットフォームで分析し、使用可能な病床数や人工呼吸器の数の把握に利用されています。

なお、データはAmazon.comのクラウドであるAWSに貯蔵されているといいます。

また、感染拡大の予測モデルの提供など、コロナウィルスのパンデミックに対して、Palantirはビッグデータの活用で対抗しています

ちなみに、Palantirは詳細不明のハードウェア及びソフトウェアの更新費用として、67万5000ドルをCDCから受け取っています

NHS

英国のNHS(国民保健サービス)においてもPalantirのソフトウェアが利用されており、病院のキャパシティや人工呼吸器の利用状況の把握などに役立てられています

イギリス国防省

2022年12月21日に、3年間で7500万ポンド(当時のレートで約120億円)かけてPalantirのシステムをイギリス軍に導入する契約を発表しました

イギリス司法省

Palantirは英司法省にに囚人の再犯リスクの予測に関する支援を提案していることが判明しています

ウクライナ軍

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、Palantirはウクライナの地雷除去や軍事に協力しています

PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏は「高度なアルゴリズム戦争システムの力は、通常兵器しか持たない敵に対して戦術核兵器を持つような戦力差に匹敵するほど、大きなものとなりました。一般人はこれを過小評価する傾向がありますが、私たちの敵は身に染みて知っていることでしょう」と話しています

イスラエル

Palantirはイスラエルに現地法人のPalantir Engineering Israel Ltd.を設立し、同国の都市であるテルアビブオフィスを構えており、モサド(イスラエル諜報特務庁)がPalantirの技術を用いていました。

2023年パレスチナ・イスラエル戦争

2023年10月7月にハマスによる攻撃が起きてからは、シンベト(イスラエル総保安庁)やイスラエル国防軍もPalantirの技術を使っています

2024年1月にはPalantirのCEOであるアレックス・カープ氏と会長のピーター・ティール氏がイスラエルの首脳陣と会談。イスラエル軍と「戦争を支援するための技術を提供する」ことで合意しました

さらに、イスラエルに連帯する意思を示すためにテルアビブで取締役会を開催したと報告しています

Palantirの技術は、2023年10月のイスラム組織ハマスへの報復攻撃、ヒズボラの戦闘員を狙ってポケベルやトランシーバーを同時爆発させたグリム・ビーパー作戦、レバノンでのヒズボラ指導者暗殺作戦、ガザでの軍事作戦などに利用されました

Palantirは「我々はイスラエルと共にある」とXに投稿し、同戦争において明確にイスラエルを支持すると表明しています

親イスラエルを支持する事について、CEOのアレックス・カープ氏は「とてもリスクが高かった。私たちは上場企業です。」と彼は言った。

Nato

PalantirはAIベースの軍事システム「Maven Smart System」をNATO加盟国に配置する契約をNATOと結んでいます

ロサンゼルス警察

ロサンゼルス警察は、2011年からOperation LASERと呼ばれるプログラムに取り組み、過去の犯罪を分析して犯罪の発生を予測する予測的取り締まりの展開を試みています

このプログラムには、Palantirのソフトウェアが活用されたとされています。

民間企業

Palantirは民間企業とも多く仕事をしています。

J.P. Morgan

2010年に契約した民間初の顧客です。

Palantirのソフトウェアを使い、サイバー犯罪や住宅ローンなどの問題を通じて、数億ドルを節約することに成功しました。

クレディスイス

クレディ・スイスでは、Palantirのソフトウェアを同社が持つ40億人の加入者の取引記録や従業員情報データの統合分析し、取引の検知などに使用しています

マネーロンダリングの検知だけをとっても、従来と比較してコストが20分の1に削減できたうえで、検知率が2倍となっており、事業コストも大幅に下がったことで利益に貢献しており、世界の金融機関で導入が進んでいるといいます。

エアバス

欧州の大手航空機メーカーであるエアバスでは、同社が持つ大量の製造プロセスデータ、納入先の航空会社が持つ運行データを統合する管理プラットフォーム「スカイワイズ(Skywise)」を構築しました。

現在では、世界90社の航空会社が保有する6000機の機体がプラットフォームに登録されており、航空機の遅延が1割減少したほか、燃費を約1300万ドル(約14億円)削減することができました。

パランティアがファラデー・フューチャーに2500万ドルを投資

(2021年8月27日)

2021年8月20日に提出された証券取引委員会(SEC)の文書によると、パランティア・テクノロジーズは、EVスタートアップのファラデー・フューチャーに2500万ドルを投資しました。

この投資は、ファラデー・フューチャーが上場する直前の7月に行われています。

また、ファラデー・フューチャーがパランティアのデータマイニング・ソフトウェアを使用する商業契約を締結したことも、パランティアが証券取引委員会に提出した書類から判明しました。

両社ともファラデー・フューチャーの支払額は明らかにしていませんが、パランティアの提出書類には契約が4年から6年続くと記されています。

参考:Palantir invested $25 million in Faraday Future(The Verge)

PalantirとOracleが提携し、クラウドおよびAIソリューションを顧客に提供

(2024年4月4日)

Palantir Technologiesは4月4日、世界中の政府や企業に安全なクラウドおよび人工知能(AI)ソリューションを提供するためにOracleと提携したことを発表した

この契約により、PalantirのFoundryワークロードがOracle Cloud Infrastructureに移行される

参考:Palantir

ピーター・ティールが1億7500万ドル相当のPalantir株を売却

(2024年3月16日)

ピーター・ティール氏が、2024年3月12日に700万株以上(約1億7,500万ドル相当)のPalantir Technologies Inc.の株式を売却したとBloombergが報じた

ティール氏がPalantirの株を売却するのは2021年以来である。

ティール氏はこれまで、34億ドル相当のPalantir株を保有していた。

Bloomberg Billionaires Indexによれば、ティール氏は現在もPalantirの株式を約7%所有しており、これはティール氏の105億ドルの資産の中で最大のものとなっている。

参考:Bloomberg

アレックス・カープ(Alex Karp)

PalantirのCEO、Palantir Foundationの会長。

ピーター・ティールのスタンダード大学時代のクラスメイト。カープ氏は「ピーターは親友です」と語っている

名前 アレックス・カープ(英:Alex Karp)
誕生 1967年10月2日
ジェンダー 男性
学歴
職業
  • 起業家
  • 哲学者
  • 投資家
実績
  • Palantirの創業
家族
  • ロバート・カープ(父)
  • リア・ジェインズ=カープ(母)
  • ベン・カープ(弟、本名はオリヴァー・ベンジャミン・カープ)
拠点、居住地 アメリカ合衆国ニューハンプシャー州ライマン
日課 気功と瞑想
政治思想 左派リベラル、社会主義者
ルーツ ユダヤ系(父)、アフリカ系(母)
使用言語
  • 英語
  • ドイツ語
  • フランス語

2016年の大統領選では、ヒラリークリントン氏を支持していたが、ティールと同様、トランプ当選の可能性も予期していた

本名はアレクサンダー・キャドモン・カープ(Alexander Caedmon Karp)であり、ミドルネームのイニシャルを加えた「アレクサンダー・C・カープ」と表記される機会も多い。

過去には自身のミドルネームを冠した資産管理会社の「キャドモン・グループ(The Caedmon Group LLC)」を起業した事もある。

人物

ニューハンプシャー州グラフトン郡のホワイトマウンテン近郊に住んでいるが、パロアルトにも自宅がある

ルービックキューブを3分以内に解けると言われている。趣味の1つは長距離射撃

Forbesによると、2025年12月13時点で約2兆5000億円の資産を持つ(世界で151番目の富豪)。

学歴

カープ氏はスタンフォード大学で法務博士号を取得しているほか、ドイツのフランクフルトにあるゲーテ大学で新古典派社会理論の博士号も取得している。

Palantirを共に創業したピーター・ティール氏は、スタンフォード大学法学部時代のクラスメイトである

ワークアウト

カープ氏は長年にわたり「ウェルネスマニア」と呼ばれており、様々な運動を行っている

1日5時間以上スキー(クロスカントリースキー)をすることで有名で、体脂肪率はオリンピックで28個のメダルを獲得したマイケル・フェルプスと同等である。

暖かい季節にはランニングを行う。

柔道、合気道、太極拳、水泳に取り組んでいた事もある。レジスタンスバンドトレーニングやストレッチも続けている。

政治思想

カープ氏はリベラル左派の人物で、自らを「筋金入りの進歩主義者」と表現しています

しかし、主流派とは完全に対立しており、PalantirのCEOとしてWoke思想や多文化主義を強く批判している他、第二次トランプ政権に対して好意的な見解を示しました。

友人のピーター・ティール氏が保守派でありながら親テック、リバタリアンでありながらキリスト教保守派であるのと同様、既存の分類に単純には当てはまらない複雑な政治思想をしていると言えるでしょう。

親イスラエル

カープは親イスラエルであり、2023年のパレスチナ・イスラエル戦争でも会社をあげて明確にイスラエルを全面的に支持しています

カープは2023年にPalantirの株主に宛てた四半期決算の書簡で以下のように記しています。

当社は、揺るぎないイスラエルへの支持を表明する世界でも数少ない企業のひとつです。
Palantirはイスラエルを支持します。

出典:Letter to Shareholders | Q3 2023

2025年4月にPalantirの技術がイスラエル軍によるパレスチナ人の殺害に寄与していると非難された際には、「ほとんどがテロリスト、それが事実」と批判を一蹴しました

カープは他社もPalantirに追随してイスラエル支援を行ってほしいと呼びかけています

彼が親イスラエルである理由は、彼がユダヤ系の人物であるというだけではありません。

カープ氏はイスラエルへの支援は西洋文明に対する自身の信念の一部に過ぎないと説明しています。

これは小さな問題ではありません。私の視点からすると、これはイスラエルだけの問題ではなく、『あなたは西洋を信じますか?西洋が優れた生き方を生み出したと信じますか?』という問題なのです。

出典:– Palantir Technologies CEO Alex Karp

経歴

1967年10月2日、ニューヨークで誕生。

1989年、ハバフォード大学を卒業。スタンフォード・ロースクールに進学

1992年、スタンフォード・ロースクールを卒業。

2002年、カープは「優」(magna cum laude) の成績でフランクフルト・ゲーテ大学より博士号を取得した。

同年、35歳の時に資産管理会社の「キャドモン・グループ(The Caedmon Group LLC)」を起業。

2023年9月13日、ワシントンで上院院内総務チャック・シューマーが主導した人工知能(AI)の優先課題とリスク、規制の在り方について議論するための非公開会合に出席

言葉

「学校や大学で世界の仕組みについて学んだことはすべて、知的に間違っている」(出典

著書

参考