多くの新聞は、(日本の新聞と同様)白黒で印刷されています。
しかし、イギリスの経済紙である「Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)」は紙面がサーモンピンク(薄いピンク色)になっています。
なぜFinancial Times(以下「FT」)は紙面が白ではなくサーモンピンクなのか?その理由を解説します。
ピンク色で差別化されたFT
FTの紙面がピンク色なのは、他の新聞と区別が付くようにするためのブランディングです。
同紙の公式サイトに、そのものずばりのFAQが掲載されていました(現在は非公開。リンク先はアーカイブ)。
Q. フィナンシャル・タイムズはなぜピンクなのか?
A. 1893年以来、フィナンシャル・タイムズは、その特徴的なサーモンピンクの新聞用紙を、他の日刊紙と区別するためのトレードマークとして使ってきました。
また、同紙の広報も同様の回答をしています。
フィナンシャル・タイムズを他の雑誌と区別する外見上の特徴を持たせるために、新しい見出しと特徴的な機能を導入し、紙面を少し染めることにしました。
出典:Why is the Financial Times Pink?(原文は英語)
この変更が反映されたピンク色のFTは1893年1月2日に登場しました。
ちなみに、FTの創刊は1888年です。創刊当初はピンク色ではなかったんですね。
経費削減の効果も?
上記の通り、FTの紙面がピンク色なのは、ブランディングのためだと説明されますが、それだけではなく、経費削減の効果もあるとのことです。
なぜなら、ピンク色の色調を使うと、新聞紙の漂白を少なくすることができるため、より安価に紙を調達できるということです。
ウェブサイトもピンク色
FTは紙面だけでなく、ウェブサイト(FT.com)の背景色も同様の色(#FFF1E0)をしています。
スクリーンショット:Financial Times
FT以外にもピンクの新聞が?
他社の新聞と差別化を図るために紙面をピンク色にするのは、FTが初めてではありません。
FTが紙面をピンクにするより数年前、同じく英国の新聞である「Sporting Times」がライバルとの差別化を図るために紙面をピンク色に染めたこともありました。
この試みは大成功を収め、この新聞は「The Pink ‘Un」と呼ばれました。