ピーター・ティールの投資先

伝説的なテクノロジー起業家にして投資家であるピーター・ティール氏の投資先を紹介します。

なお、同氏の投資は個人または自身が率いる投資会社を通じて行われています。

同氏の投資会社には以下のようなものがあります。

  • Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)
  • Valar Ventures(ヴァラー・ベンチャーズ)
  • Mithril Capital(ミスリル・キャピタル)
  • Clarium Capital Management(クラリウム・キャピタル・マネジメント)
  • Thiel Capital(ティール・キャピタル)

著名な投資

ピーター・ティール氏の投資先には以下のようなものがあります

  • LinkedIn
  • Tesla
  • YouTube
  • Yelp
  • Yammer

Facebook

ティール氏が行った投資の中でも、特に成功したのが2004年に行ったFacebook(現Meta)への投資です。

ティール氏は、創業直後のFacebookに、同社初の社外投資家として50万ドルを信用貸しの形で融資し、後にこれを同社の株式10.2%に換えました。

ティール氏はFacebookが2012年5月にIPOを行った際に、保有する株式の一部を売却しましたが、その時だけでも6億4000万ドル相当のリターンを得ています

Stripe

Stripeは2010年にコリソン兄弟(兄:パトリック・コリソン、弟:ジョン・コリソン)が創業したオンライン決済サービスです。X(Twitter)の決済機能としても利用されていますね。

ピーター・ティール氏はシードラウンドでStripeに投資しました

また、シリーズCは自身が創業したFounders Fundが主導しました

Clearview AI

Clearview AIは2017年に創設された米国のテクノロジー企業です。評価額は2021年のピーク時に1億3000万ドル(約186億円)に達していました。

この企業は、ウェブサイトやソーシャルメディア、動画配信サイトなどから数十億単位の画像を「無断で」収集して開発した顔認識技術のサービスを提供しており、FBIを始めとする政府機関に広く利用されています

ピーター・ティール氏は同社の初期投資家です。

Glance

ティール氏はミスリル・キャピタルを通して、スマホのロック画面でニュースやゲームを楽しめるサービスを手掛けるインド発の企業・Glanceグランス)に4500万ドル(約48億円)を投資しました

なお、Glanceは日本でもSoftBankおよびY!mobileが提供する一部の端末で利用できます。

Mercor

Mercor(メルコア)は、2023年1月に創業したAIを活用して人材マッチングを支援する米国のスタートアップです。

ジョージタウン大学のブレンダン・フーディ氏とスリヤ・ミダ氏、ハーバード大学のアダーシュ・ヒレマス氏らが在学中に起業しました。

この3人は高校の同級生で、2024年3月にThiel Fellowshipに選出され、10万ドル(約1400万円)の資金を授与されました

同社には、大手VCのBenchmarkやTwitterの創業者であるジャック・ドーシー氏が投資を行っており、企業評価額は2025年2月時点で20億ドル(約3000億円)となっています。

ティール氏は、2023年にBenchmarkが主導したシリーズAラウンドに参加しました

公式サイト:Mercor

Rumble

政治的に保守派の人々に人気の動画プラットフォーム(動画サイト)であるRumble(ランブル)出資している

Shares

2022年春先に、Valarを通して、投資とSNSを融合させたアプリ「Shares(シェアーズ)」に投資しました

ブロックワン

ブロックチェーンプロトコルを開発しているブロックワン(Block.one)は、ティール氏から投資を受けたと2018年7月16日に発表しました

クオント

クオント(Qonto)は、簡潔な銀行口座と豊富な金融サポートサービスを提供するデジタルバンクです。

ピーター・ティール氏はValar Venturesを通して出資しています

アイエム

ベルリン発のスタートアップで、写真共有アプリ「EyeEm(アイエム)」を運営するEyeEm Mobile GmbHは、ピーター・ティール氏率いるValar Venturesから投資を受けています

クレッシェンド

ティール氏は、韓国のソウルに本社を置く、プライベート・エクイティ・ファンド「Crescendo Equity Partners(クレッシェンド・エクイティ・パートナーズ)」にスポンサーとして参画しています。

その為、クレッシェンドの投資は、間接的にティール氏の投資にもなります。

クレッシェンドはアジアの中堅テクノロジー・製造業への投資に特化したファンドで、日本ではLINEヤフーのグループ会社でNFTプラットフォームの企画・開発を行うLINE NEXTがこのファンドから投資を受けています

ブリッシュ・グローバル

ブロック・ワン(Block.One)が2021年に子会社としてブリッシュ・グローバル(Bullish Global)を設立した際、ピーター・ティール氏はThiel CapitalおよびFounders Fundを通して投資を行いました

プロノモス・キャピタル

プロノモス・キャピタルは世界中で6件のチャーターシティ・プロジェクトを立ち上げているベンチャーキャピタル企業です。

チャーターシティとは、「企業規制が最小限の自由至上主義の街」の事です。

チャーターシティは、人工知能ハブの建設や自律走行車の導入、宇宙船発射場、超小型原子炉、高速鉄道の拠点整備といった意欲的な取り組みを行う為に、広範な規制免除によってイノベーションを促進する為の街です。

ティール氏はa16zのマーク・アンドリーセン氏、テクノロジー投資家のシェルビン・ピシェバー氏と共に、ベンチャーキャピタル企業プロノモス・キャピタルに投資しています

このプロノモスの創業者は、著名な自由市場経済学者ミルトン・フリードマン氏の孫であるパトリ・フリードマン氏です。

ナリア・キャピタル

ナリア・キャピタルは、Mithril Capitalの元社長で米国の第50代副大統領であるJDヴァンス氏が設立した投資会社です。

ナリヤ・キャピタルはアーリーステージのベンチャーキャピタルで、テクノロジーとサイエンスを駆使してアメリカが直面する重大な問題に取り組むことに重点を置いている。ヘルスケア、農業、防衛、金融サービスなどの分野で大胆な一歩を踏み出す創業者や企業を支援している。

出典:Narya Capital | BLITZ Portal

ピーター・ティール氏は、同社のファンドに投資を行いました

Strive

Strive Asset Management LLC(ストライブ・アセット・マネジメント)は、米国オハイオ州を拠点とする資産運用会社です。

同社は実業家であるヴィヴェック・ラマスワミ氏と米国の大手ビール製造会社であるアンハイザー・ブッシュの流通・販売部門のトップを務めていたアンソン・フレリックス氏が2022年に立ち上げました。

この資産運用会社は、業界大手のブラックロック、バンガード、ステート・ストリートに対抗し、反EGSをテーマにしたETFを提供しているのが特徴です。

この点について、StriveはPRで以下の様に述べています。

ストライブのインデックス・ファンドは、他の大手資産運用会社が提供するものとほぼ同じである。違いは、ストライブが投資先企業に伝えるメッセージだ。他の大手資産運用会社がアメリカ企業に環境、社会、ガバナンス(ESG)の目標を追求するよう指示するのに対し、ストライブは企業に価値の最大化だけに集中するよう指示する。

出典:Strive Asset Management Exceeds Half a Billion in AUM, 3 Months After Launch | Business Wire

ブル-ムバ-グ インテリジェンスのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、ストライブをいわゆる反ウォーク・ファンドと同じ陣営に置いています

ピーター・ティール氏とパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの設立者兼CEOであるビル・アックマン氏は、この会社にシード資金を提供しました

公式サイト:Strive

Quantum Systems

Quantum Systems GmbH(カンタム・システムズ)は、ドイツのミュンヘンに拠点を置くスタートアップです。

2015年に設立されたこの企業は、ドローンの製造を行うベンチャー企業です。

ティール氏は、Quantum Systemsに複数回に渡って投資を行っています。

ピーター・ティール氏は2022年10月16日に、Project AやSanno Capitalと共に資金調達ラウンドに参加しました

当時、ティール氏は「UASの将来は、ソフトウェアやハードウェアだけにあるのではなく、両者のインテリジェントな統合にある。」「その理解により、Quantum Systemsは競合他社より一歩先を行くことになる」と述べています

さらに2023年には、ピーター・ティール氏のティール・ベンチャーズが参加したシリーズBラウンドが完了しました

公式サイト:Quantum Systems

ビットパンダ

オーストリアのデジタル投資プラットフォームであるビットパンダは、2020年にピーター・ティール氏が率いるベンチャーキャピタル企業Valar Venturesが主導する初の大規模な資金調達ラウンドで5200万ドル(約55億円)を集めました

さらに、ビットパンダは2021年8月17日にシリーズCとなる資金調達を完了したと発表しました。このラウンドもValar Venturesが主導したとのことです

Xero

Xero(ゼロ)はクラウド会計システム「Xero」を提供する企業です。

2010年10月21日に、ティール氏は自身の投資会社であるValar Venturesを通してXeroの米国市場進出を支援するため、400万ニュージーランドドルを投資することに合意したとXeroは発表しました

自身の会社

ピーター・ティール氏は起業家としても有名です。

自身が起業した会社には、投資家としても参画しています。

PayPal

PayPal(ペイパル)は1998年に創業した決済サービスです。

元々、ピーター・ティール氏らが創業したコンフィニティのサービスでしたが、イーロン・マスク氏が創業したX.comと合併し、eBayに15億ドルで買収されました。

ティール氏が保有する3.7%の株式は5500万ドルの価値があったといいます。

Palantir

パランティア(Palantir)は2003年に創業したデータ分析企業です。

同社が独自に開発したデータ分析ソフトウェアは世界中の政府や自治体、企業で利用されています。

ティール氏は、個人ではもちろん、自身が創業したClarium CapitalとFounders FundでもPalantirに投資しています

関連記事:パランティアの顧客は誰?日本企業も使ってる?

Founders Fund

ピーター・ティール氏はPayPal時代の同僚とベンチャーキャピタルであるFonders Fundを共同創業し、AirbnbやLyftなど多くのスタートアップに投資を行っています。

Founders Fundのポートフォリオはこちらから確認できます。

関連記事:Founders Fundとは?投資先はどこ?

未来への投資

ピーター・ティール氏は、未来を見据え、一風変わったプロジェクトにも投資をしています。

海上国家

海の上に都市を作ることを研究するNPO団体「シーステディング研究所(The Seasteading Institute)」に投資をしています

スマートガン

特定の認証された1人ないし複数の人だけが発砲できる「スマートガン」の技術に投資を進めています

エンハンスド・ゲームズ

ドーピング歓迎のオリンピック大会「エンハンスド・ゲームズEnhanced Games)」の創設に向けて投資するベンチャーキャピタリストの1人です。

ティール財団とは?

Thiel Foundation(ティール財団)は、ピーター・ティール氏による科学、技術、そして未来に関する長期的な思考を支援する財団です。

この財団は以下2つのプログラムを実施しています。

公式ウェブサイトにはチームとして以下の2名の名前が掲載されています。

  • ピーター・ティール – 創設者
  • クレア・オブライエン- 財団管理者

また、ブレイク・マスターズ氏は同財団のプレジデントとして2016年にドナルド・トランプ氏の選挙活動を支援していました

関連リンク

ピーター・ティール・ニュース

ピーター・ティール氏に関するニュースをまとめています。

2025年

2024年

2023年

2022年

2021年

2020年

2017年

2016年

2015年

2014年

2012年

英語のニュース

ピーター・ティールの経歴

伝説的なベンチャー投資家にして億万長者であるピーター・ティール氏の経歴を時系列でまとめています。


1967年10月11日、西ドイツのフランクフルト・アム・マイン生まれる

1968年、1歳のとき家族とともに、アメリカのクリーブランド移住

南アフリカ共和国のヨハネスブルグで1年間私立学校に通っていたが、南西アフリカ(現在のナミビア)のスワコプムントでは公立の小学校に通っていた

ベイエリアの中流階級が住むフォスター・シティに移住。アメリカではモンテッソーリ教育の学校に通っていた

1985年、スタンフォード大学に入学。

1987年、高校時代の友人であるノーマン・ブックと共に、保守派の月刊学生新聞「スタンフォード・レビューThe Stanford Review)」を創刊する

1989年、スタンフォード大学を卒業。哲学の学士号(B.A.)を得る。その後、スタンフォード大学の法科大学院に通う。

1992年にスタンフォード大学の法科大学院を卒業

その後、アトランタの保守派判事の書記官を務め、その後企業法務事務所で1年目のアソシエイトになった。7か月後に弁護士の仕事を辞め、デリバティブ取引のトレーダーとしてしばらく働きました。

1995年にはカリフォルニアの高等教育機関における多文化主義と「ポリティカル・コレクトネス」の影響に疑問を投げかけた「The Diversity Myth」をレビュー誌の友人であるデイビッド・サックスと共著で出版する

家族や友人から集めた資金でヘッジファンドのティール・キャピタルを設立する

1998年に若手の暗号学者マックス・レブチンと出会い、スタートアップ「コンフィニティ(後のPayPal)」を共同設立。同社への投資も行う。

1999年、コンフィニティのCEOに就任する

PayPalがイーロン・マスク氏のX.comと合併。専務(Executive Vice President)就任する

2002年10月までPayPalのCEOを務める。同年、PayPalを辞任する

2003年5月6日Palantir(パランティア)を共同創業。

2004年、Facebook(現Meta)に投資。

2005年、ベンチャーキャピタルの「Founders Fund」を創業

2007年、Fortuneに「The PayPal Mafia」と題された記事が掲載される。ペイパル・マフィアの有名な集合写真はこの時のものである。

ペイパル・マフィアの集合写真。中央左にピーター・ティール氏が写っている。

2007年12月、米ゴシップ系メディア・Gawkerにアウティング(無断でゲイだと暴露)される

2010年9月28日、サンフランシスコで開催されたカンファレンス「TechCrunch Disrupt」で行われたディスカッションにおいて、学校を中退する子供たちに最高10万ドルの助成金を提供する新しいイニシアチブ(現:Thiel Fellowship)を開始すると発表

10月1日にベンチャーキャピタルのValar Ventures創業する

2011年、起業を志す20歳未満の優秀な若者20人に、10万ドルずつを与えるプロジェクト「20 Under 20(現:Thiel Fellowship)」を開始。

2011年3月、ニュージーランドの国籍を取得する。

10月31日にベンチャーキャピタル兼ファミリーオフィスのThiel Capitalを創業する

2012年、同氏がゲイであると書いたメディアGawkerを提訴

2012年6月20日午前、ベンチャーキャピタル企業「ミスリル・キャピタル」を創業した発表

2014年に後世での蘇生を期待して死後に肉体を冷凍保存する計画(クライオニクス)を実施しているアルコーに登録する。これは「どちらかというとイデオロギー的な意思表示のようなもの」とのこと。

2015年、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムの選挙運動に5万6400ドルを寄付した

ティールはカトリックの雑誌「ファースト・シングス」に「エデン主義に反対」というエッセイを発表した

2015年8月、元ヒューレット・パッカードCEOのカーリー・フィオリーナ氏の政治活動特別委員会(スーパーPAC)に200万ドルを投じる

2015年12月11日、イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏らと共に、OpenAIを共同創業

2016年、カリフォルニア州の民主党議員ロー・カンナに2700ドルを寄付した

2016年の大統領選挙でトランプ陣営の最大の献金者の一人となり、スーパーPACと直接寄付で125万ドルを寄付した。

2016年7月21日、共和党大会に登壇しスピーチを行う。スピーチ内で自身がゲイであることを公式に認める

2016年11月11日、ドナルド・トランプ次期米大統領の政権移行チームに参加することが正式に発表された

2018年の初めに、保守的な意見に対する地域の不寛容さを理由に、シリコンバレー(サンフランシスコ)からロサンゼルスに移住。また、マイアミビーチに豪邸を購入した

2018年7月16日にブロックチェーンプロトコルを開発しているブロックワン(Block.one)は、ティール氏から投資を受けたと発表しました

2019年、J.D.ヴァンス氏らが2019年に創業したVC・ナリヤ・キャピタル出資した

2021年3月、同氏のベンチャーキャピタル企業で働いていたことがあり、後にオハイオ州の上院議員に立候補したJ・D・ヴァンスを支援する政治活動委員会(PAC)に1000万ドルを寄付した。また一か月後にはアリゾナ州の上院議員候補である共和党のブレイク・マスターズを支援する新しいPACに1000万ドルを寄付した。

2021年4月6日、リチャード・ニクソン財団によって開催された「保守的な現実主義と国家保障」に関するオンラインセミナーにゲストとして登場。セッションの中で「AppleとGoogleが中国と接近し過ぎている」と語る

2021年8月、サロナ・ビレッジ・ホールディングスを通し、秘密裏にワシントンD.C.のウッドランド・ノーマンストーン地区にある1万平方フィートの家を1300万ドルで購入した

2022年

2022年2月7日、Meta(旧Facebook)の取締役を退任すると発表。同年5月25日、正式に退任

2022年8月、ニュージーランドに巨大な屋敷を建てる計画が、地元当局によって却下される

2022年、マルタ共和国の国籍を申請する

2023年

11月中旬、ロサンゼルスのアート地区にある100年前の銀行を改装した前衛的な日本料理店「YESS」で、夫の誕生日パーティーを開いた

12月13日、ピーター・ティール氏がスポンサーとして支援を行っている韓国のプライベート・エクイティ・ファンド「Crescendo Equity Partners(クレッシェンド・エクイティ・パートナーズ)」が、LINE NEXTに出資

2024年

2024年1月31日、”ドーピング歓迎”のオリンピック大会「エンハンスド・ゲームズ(Enhanced Games)」の創設に向けて投資するベンチャーキャピタリストの1人である事が公表される

2024年2月26日に、自身が率いるFounders Fundが他社と共同でモジュラーブロックチェーンプロジェクト・アベイルのシード調達ラウンドを主導した

2024年3月12日、自身が創業したPalantirの株を700万株以上(約1億7,500万ドル相当)売却した。ティール氏は同社の株式の約7%を所有している。

2024年7月16日、自身の元部下で、政治献金も行ったJ・D・ヴァンス上院議員が、共和党の副大統領候補に選ばれる

2025年7月7日、ビジネスメディアのフォーブスが選ぶ「米国で最も裕福な移民ランキング」で七位に選ばれる。

参考

ピーター・ティールの名言

ピーター・ティール氏の名言を紹介します。

完全に打ちのめされるような失敗をしたとしても、それがどうしたと言いたい。もっとやりがいのある道はいつだって見つけられるんですから

悪い計画でも、全く計画が無いよりマシだ

出典:Zero to One

我々は空飛ぶ車を欲していたが、代わりに手に入れたのは140文字だ。

出典:Yale School of Management

2011年。140文字とはTwitter(現X)の事です。ティール氏は世の中の発展がインターネット偏重で、現実の世界が発展していない事を残念に思っています

賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?

出典:ほぼ日刊イトイ新聞

ピーター・ティール氏は採用面接で必ずこの質問をするそうです。

何よりの逆張りは大勢の意見に反対するのではなく、自分の頭で考えることだ

出典:Forbes

自身の信念を持つことが大切なんですね。

人生の大部分を左右する競争に巻き込まれる前に、掲げられている目標が本当に欲しいのかどうか自問しなさい

出典:Business Insider

ティール氏は競争を強く否定しています

トランプが何でもかんでも変えてしまうと皆騒ぎ立てているけれど、私にとってのリスクは、トランプがあまりに少しのことしか変えられないんじゃないかというものです

出典:Business Insider

ティール氏はトランプ就任後にニューヨーク・タイムズ紙のインタビューにこう語っています。

成功した起業家の多くは、軽度のアスペルガー症候群の特徴が見られる。つまり、模倣や社交の能力が欠如しているように見える

出典:Washington Post via Business Insider

この世の中では、天才よりも勇気のある人のほうが不足しているのです。

出典:BRIDGE

私は絶対にイーロン・マスクの反対には賭けない

マッキンゼーは完全な詐欺だ。すべてが偽物だ。

出典:OfficeChai

自由と民主主義はもはや両立すると思わない

出典:現代ビジネス

Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)

Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)とは、起業家のピーター・ティール氏が自身の財団を通して行っている、22歳以下の若者に起業支援として最高10万ドルを提供するプロジェクトです。

ティール氏は、米国の学費が高騰し、多くの子供たちが、偉大なことを成し遂げることだけに集中するのではなく、借金(奨学金)の心配をしながら卒業していく現状を、このプロジェクトを通して変えたいと考えています。

Thiel Fellowshipは、2010年9月28日に、サンフランシスコで開催されたカンファレンス「TechCrunch Disrupt」で行われたディスカッションにおいて、ティール氏が自ら発表しました

出身者

Thiel Fellowshipは、創設13年でこれまでに271人の対象者を輩出しており、奨学金を受け取った人のうち11人が、後にユニコーン企業となるスタートアップを起業しました(2024年時点)。

著名な出身者の例として、ソフトウェアデザインスタートアップの「Figma」を創業したディラン・フィールド氏や、分散型ブロックチェーンプラットフォームの「Ethereum」を発明したヴィタリック・ブテリン氏がいます。

Newsweek によると、2016年にThiel Fellowshipに寄せられた6,000件の申請のうち、4分の3は、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、イェール大学、スタンフォード大学など、一流校と呼ばれる学校からのものでした。

また、2024年にはAIを用いた人材マッチングサービス「Mercor(メルコア)」を2023年に創業したブレンダン・フーディ氏、スリヤ・ミダ氏、アダーシュ・ヒレマス氏の3人がThiel Fellowshipに選ばれました

ピーター・ティールの国籍は?アメリカとニュージーランドの市民権を保持

PayPalの創業で知られる伝説的な起業家・投資家のピーター・ティール氏は、アメリカ合衆国とニュージーランドの2つの国籍(市民権、パスポート)を持っています。

さらに、出身国であるドイツの国籍を持っている可能性もある他、2022年にはマルタ共和国の国籍を申請したことが判明しました。

アメリカ合衆国

ピーター・ティール氏は少年時代にアメリカ国籍を取得しました

ニュージーランド

ピーター・ティール氏は2011年3月にニュージーランドの国籍を取得しています

ニュージーランド国籍を取得するには、通常5年間はニュージーランドに滞在する必要があります。

しかし、ティール氏は米国で活動しており、ニュージーランドはわずか4回しか訪れていません。その上、国籍取得後もニュージーランドに住む意思はありませんでした。

ですが、「例外的な状況」であれば通常の要件を免除できるというルールに基づき、当時の政府は起業家としてのスキルと慈善活動が同国にとって有益であるとの理由でティール氏の申請を受理し国籍を与えました

ティール氏は自身の投資会社であるValar Venturesを通してニュージーランドの会計ソフトを手掛ける企業・Xeroへ投資を行っている他、同国の光ケーブルの開発に資金を提供したり、地震救済基金に寄付を行っており、そうした活動が評価されたという事です。

国籍の授与はサンタモニカにあるニュージーランド領事館で行われた非公開の式典で行われました

ティール氏は2015年にニュージーランドの登録会社「Second Star」を通じて、約193ヘクタールの農地を購入しました

ティール氏は「国際的なビジネスチャンス、旅行、個人的な哲学的コミットメントや慈善活動を追求する中で、ニュージーランド以上に私の将来像に合致する国は他にないと断言できます」と述べています

ドイツ

ピーター・ティール氏はドイツ出身です。

その為、ドイツ国籍を生まれた時(1967年)から保有しています。

しかし、ピーター・ティール氏がドイツ国籍を保有しているという公式の情報は無いため、現在はドイツ国籍を放棄している可能性もあります。

マルタ(申請中)

ティール氏が地中海の島国であるマルタ共和国の国籍を申請したと、ニューヨーク・タイムズが2022年10月15日に報じました

ニューヨーク・タイムズによれば、ティール氏は2021年初頭にマルタ共和国の国籍取得を模索し始め、2021年後半には手続きがかなり進んでいるとの事です。

しかし、マルタ共和国は特に税制上のメリットなどは無く、ティール氏がマルタ共和国の国籍を欲している理由は不明です。

続報は無いので、2025年現在、マルタ国籍をティール氏が得たのか否かは不明です。

逆張りの投資家ピーター・ティールとは?

ピーター・ティール氏(Peter Thiel)は、ドイツ系アメリカ人IT系起業家、投資家、慈善家です。

主な実績にPayPal、PalantirFounders Fundの起業、FacebookやDropboxへの投資があります。

また、近年は政治活動家としても活動しており、ドナルド・トランプ氏等に政治献金等の後援をしています

関連記事

ピーター・ティールのプロフィール

名前 ピーター・アンドレアス・ティール
(英:Peter Andreas Thiel)
誕生 1967年10月11日
ジェンダー 男性
性的指向 同性愛(ゲイ)
職業
  • 起業家
  • 経営者
  • 投資家(ベンチャーキャピタリスト)
  • 慈善家
  • 政治活動家

他複数

実績
  • PayPalの共同創業
  • Facebook初の外部投資
  • Palantirの共同創業

他複数

家族
  • 子供1人
学歴
  • 哲学学士(スタンフォード大学)
  • 法務博士(スタンフォード大学)
出身地 西ドイツ フランクフルト・アム・マイン
拠点、居住地 アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス(自宅兼オフィス)
推定資産 109億ドル(2024年10月28日現在)
政治思想 リバタリアン
国籍

スタートアップ創業者必読の書「Zero to One: Notes on Start Ups, or How to Build the Future(邦題:ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか)」の著者でもあります。

ティール氏はシリコンバレーを「一党独裁国家」と呼んだ後、2018年初めにサンフランシスコからロサンゼルスに移住しました

同氏が創業したファウンダーズ・ファンドのサイトには以下の様なプロフィールが掲載されています。

起業家、投資家。PayPalを共同設立し、CEOとして同社を率い、株式公開を果たした。また、取締役を務めるFacebookに初めて外部投資を行い、会長を務めるPalantir Technologiesを共同設立した。LinkedIn、Yelp、そして数十の新興企業に初期の資金を提供し、その多くは「PayPalマフィア」と呼ばれる元同僚が経営している。また、シリコンバレーのベンチャーキャピタルFounders Fundのパートナーであり、SpaceXやAirbnbなどの企業に出資している。若手起業家に資金を提供するティール・フェローシップを立ち上げ、技術進歩と長期的思考の促進に取り組むティール財団を率いている。

出典:Peter Thiel – Founders Fund

プライベート

ピーター・ティール氏は、敬虔なクリスチャンの家庭で育ちました。しかし、ティール氏は、両親がキリスト教福音派や共和党員だったことを否定しています

自宅

無能より邪悪であれ」によると、ピーター・ティール氏は全世界に12個以上の家を持っているといいます。

ティール氏が家を所有している場所には、以下のような場所があります。

日本を始め、米国外にも家があります。

  • 日本
  • ブラジル
  • ニュージーランド(南島

同性愛者

ピーター・ティール氏はゲイであり、Matt Danzeisen氏と同性婚しています。

2007年12月には、米ゴシップ系メディア・Gawkerにアウティング(無断でゲイだと暴露)されました

Gawker側は「友人や同僚の多くは彼がゲイであることを知っていた」としており、あくまで暴露ではなく広く知られた事実を述べたに過ぎないというスタンスです。

交友関係

PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏は学生時代からの友人。

OpenAIの創業者であるサム・アルトマン氏やLinkedInの創業者であるリード・ホフマン氏友人である

人類学者のルネ・ジラール氏は友人にして恩師である

参考:ピーター・ティールの交友関係

語学

西ドイツ出身であり、ドイツ語が堪能

学生時代

学生時代のティール氏は、1980年代の典型的なオタク(成績優秀な学生、チェスプレーヤー、SFマニア、同級生からいじめられていた)であった。

1985年にスタンフォード大学に入学してからは、スピード・チェスに興じ、アイン・ランドに出会い、同校のルネ・ジラール教授の研究に傾倒しています

1987年には、スタンフォード大学の独立系学生新聞である「スタンフォード・レビュー(The Stanford Review)」を創刊しました。

関連記事:スタンフォード・レビューとは?ピーター・ティールが創刊した学生新聞

アンチエイジング

ピーター・ティール氏は超富裕層の御多分に漏れず、長生きを望んでいるとアトランティック紙は報じています。そのため、日々の生活においても健康のために大変な努力をしています。

具体的には、以下のアンチエイジングに取り組んでいます

hGHについて、ティール氏は「筋肉量を維持するのに役立つので、骨の損傷や関節炎になる可能性が大幅に減ります。」と述べています

DeepMindを創業したデミス・ハサビス氏は、かつてサンフランシスコにあるティール氏の邸宅を訪れたところ、ティール氏はちょうど日課の運動をしていた後だったと述べています

不老不死

ピーター・ティール氏はアンチエイジングだけでなく、昔から不老不死に興味を持っており、「イデオロギー的な声明として」、後世での蘇生を期待して死後に肉体を冷凍保存する計画に登録している事も知られています

関連記事:ピーター・ティールは不老不死の研究に資金提供している!

趣味嗜好

ニュージーランドが好きで、同国の事を「ユートピア」と呼んでおり、2011年3月にはニュージーランド国籍を取得した。1,000万ドルの土地をワナカ湖付近に購入している

また、リバタリアンとして「肩をすくめるアトラス」を支持しています

参考:PayPalマフィアのドン、ピーター・ティールがおすすめする16冊

ロード・オブ・ザ・リング

ティール氏はSFとファンタジーが大好きで、特にJ・R・R・トールキンによる長編小説「指輪物語」(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作)の大ファンです。

ティール氏はこの本を10代のころから読んでおり、

起業したMithril Capital、Valar Ventures、Palantir Technologiesの名前は、同作品に登場する架空のアイテム名から採られています

スノウ・クラッシュ

ピーター・ティール氏は、PayPal が設立される前に週末を費やしてリード・ホフマン氏とSF小説「スノウ・クラッシュ」について議論していたとのこと

起業家

ピーター・ティール氏は伝説的な投資家(ベンチャーキャピタリスト)として知られていますが、自ら起業した会社やプロジェクトも多々あります。

中でも著名な企業にPayPal、Palantir、Founders Fundがあります。

Thiel Capital

Thiel Capital, LLC(ティール・キャピタル)は、ピーター・ティール氏が2011年10月31日に立ち上げたベンチャーキャピタルです。

関連記事:Thiel Capital(ティール・キャピタル)

PayPal

ピーター・ティール氏の人生を大きく変えたのが、決済サービス・PayPalの創業です。

90年代後半のある夏の夜、学生起業家のマックス・レフチンは、スタンフォード大学の講義にふらっと立ち寄った。講義のテーマは、「政府権力の集中が招く危険」。講師の名をピーター・ティールといった。

チェルノブイリ原発事故のなかで旧ソ連を脱出した過去を持ち、全体主義を憎むレフチンはティールに好感を覚えた。意気投合した二人は、すぐにビジネスについても話し合う仲に。ティールは、レフチンの「暗号化技術会社」案に興味を示し、起業を勧めた。そして、手元から20万ドル出資することを約束。自ら、CEOを務めることも提案した。-こうして生まれたのがフィールドリンク社、のちに、簡易決済サービス「ペイパル」となる会社だ。

出典:反逆の起業家、ピーター・ティールの投資哲学 | Forbes JAPAN

PayPalは2000年代初頭、オークションサイト「eBay」のユーザーが支払い手段として利用したことで急成長しました

ティール氏は2002年10月まで同社のCEOを務め、その年にeBayが同社を15億ドルで買収しました。SECの提出書類によると、ティール氏が保有する3.7%の株式は5,500万ドルの価値があったといいます。

Founders Fund

Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)は、2005年に設立されたベンチャーキャピタルです。

ティール氏は、創業の際に「世界を変える可能性を本当に秘めた、よりリスクが高く、より斬新な企業」を探すと発表しました

参考:Founders Fundとは?

Valar Ventures

ピーター・ティール氏が2010年に設立した投資会社。

参考:Valar Venturesとは?

OpenAI

イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏らと共に、OpenAIを共同創業

シーステディング研究所

2010年末に、ティール氏はコンピュータープログラマーで、ミルトン・フリードマン氏の孫であるパトリ・フリードマン氏と親しくなりました。

フリードマン氏は、国際水域に浮かぶ架空の自由主義ユートピアである、いわゆる海上居住コミュニティについて書いていた。ティールは、海上居住非営利団体を設立するために 50 万ドルをフリードマン氏に提供した。

“海の上の独立国家建国”を目論むシーステディング研究所(Seasteading Institute)を共同創設しました

この研究所では、技術的にも法的にも財政的にも完結した自治国家の樹立を目指しています。

その他

ティール氏が支援したプロジェクトには、以下のようなものがあります(すべて現在は終了しています)。

  • サンフランシスコのラウンジ・レストラン「フリッソン」
  • NASCARレースファン向けの雑誌「American Thunder
  • レスラーのハルク・ホーガンによるGawker Mediaに対する訴訟への援助
  • シンギュラリティ・サミットの開催

投資

ティール氏は投資家としてLinkedIn、Yelp、Airbnb、Lyft、SpaceXなど、数十社の新興企業に初期投資を行いました。

投資先の多くは「PayPalマフィア」と呼ばれるPayPal時代の同僚が経営するものです。

関連記事:ピーター・ティールの代表的な投資先

慈善活動

ティール氏は、自身の財団であるティール財団(Thiel Foundation)を通して2011年から若手起業家に資金を提供する投資プログラム「Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)」を運営しています

Ethereum(イーサリアム)を開発したヴィタリック・ブテリン氏は、Thiel Fellowshipによって支援を受けた人物です

また、ティール財団では、ルネ・ジラール氏の研究成果を通して世界の変革を目指す「Imitatio」というプロジェクトに取り組んでいます。

関連記事:ピーター・ティールとルネ・ジラール

執筆活動

ピーター・ティール氏はエッセイ等を発表しています。

独立個人

1997年に出版されたリバタリアンの間でカルト的人気を誇る本「The Sovereign Individual(直訳で「独立個人」)」の序文を執筆した

エデン主義に反対

ティール氏は2015年にカトリックの雑誌「ファースト・シングス」に「Against Edenism(直訳で「エデン主義に反対」)」というエッセイを発表しました

このエッセイはヨハネの黙示録の一節で始まり、天然資源の枯渇を示唆し、テクノロジーの加速化の必要性を説く終末論的な議論で締めくくられています。

「科学とテクノロジーは、神が今日、この地球上に天国を建設するために私たちを通して働くという終末論的な枠組みにとって自然な同盟者であり、天国は将来の現実であると同時に、現在部分的に達成可能なものである」とティールは書いています。

シュトラウス的瞬間

ティール氏は2004年にThe Straussian Moment(直訳で「シュトラウス的瞬間」)と題するエッセイを発表しました。

このエッセイはオリジナルが入手困難となっており、もっぱらEvernoteにアップロードされたコピーのPDFが”オリジナルの代わり”として流通しています。

The Straussian Moment

ゼロ・トゥ・ワン

ティール氏はビジネス書「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(原題:Zero to One: Notes on Startups, or How to Build the Future)」をブレイク・マスターズ氏と共著で出版しました。

この本はティール氏が母校のスタンフォード大学で行った「起業論」の講義(をマスターズ氏が聴講してまとめたノート)が元になっています

同書はニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー第1位を獲得するなど、高く評価されています。

関連リンク

参考