油性ペンの汚れが衣服についてしまった場合に、キレイに汚れを落とすための手順と素材別のポイントを紹介します。
また、マーカー(いわゆるマジック)だけでなく、ボールペンなど油性のインクを使用しているものであれば同様の方法が使える可能性があります。
衣服から油性ペンの汚れを落とすために使うもの
衣服についてしまった油性ペンの汚れを落とすためには何を使えばよいのでしょうか?
油性ペンは文字通り油性のインクを使用しているため、水で汚れを落とそうとしても、油が水をはじいてしまい上手くいきません。
油性ペンの汚れを落とすには、水ではなく以下のようなアイテムを使いましょう。
1.消毒用アルコール
油性ペンの汚れを落とすとなれば、消毒用アルコールが第一候補になります。
アルコールは油性ペンの油分を分解する効果があるため、衣服から油性ペンの汚れを取り除くのに最適です。
2.除光液
ネイル(マニキュア)を落とす除光液も油性ペンの汚れを落とすのに向いています。
ただし、除光液は強力なので、布地の風合い(手触りや肌触り、着心地など)を変えてしまう可能性があることに注意しましょう。
また、シルクやウールのような天然繊維に使用すると、衣服を溶かしてしまう可能性もあります。
万が一に備え、除光液を衣服につける際は、事前に除光液を使っても大丈夫な素材か確認したり、服の隠れた部分や目立たない部分に除光液を少しだけ付けてテストするなど、慎重に行うようにしましょう。
衣服から油性ペンの汚れを消す方法
服に付いた油性ペンのインクを取る手順です。
1.シミを拭き取る
油性ペンの汚れがまだ乾いていない場合は、コットンや布を使って、出来る限りインクを吸い取りましょう。
この時、インクを逆に広げないように注意しましょう。
ペーパータオルの使用は、小さな紙片が衣服の生地に巻き込まれる可能性があるため、避けてください。
2.シミに消毒用アルコールをかける。
油性ペンの汚れに直接、消毒用アルコールを塗布します。
(ただし、服の素材によっては、消毒用アルコールではなく、別のアイテムを使用した方が良いでしょう。この記事の後半では、素材別のポイントを解説しているので、そちらをご覧ください。)
もし汚れが目立つ場所にある場合は、まず目立たないところに消毒用アルコールを付けて様子を見ましょう。
同じ種類の素材や生地でも、経年劣化や製造工程によって消毒用アルコールの反応が異なる場合があります。
問題がなければ次の手順に進みましょう。
*注意:消毒用アルコールを利用する際は、必ず風通しの良い部屋で利用しましょう。
3.油性ペンのインクを吸い取る
布やコットンなどに消毒用アルコールを含ませ、汚れをしみこませるように拭き取ります。
こすったり、拭いたりしないように注意してください。布やコットンは汚れを吸収したら処分してください。
もし、汚れ古い場合や大きい場合は、消毒用アルコールに服を10~15分ほど浸けておくと良いです。
また、アルコールで油分を取り除いた後、石鹸水で洗うのも効果的です。
4.服を洗濯する
服のタグに記載されている推奨事項に従って洗濯しましょう。
消毒用アルコール、ヘアスプレー、または手洗いがまだ湿っているうちに、衣類を洗濯機に入れてください。いつも使っている洗濯用洗剤を使って、通常の温度で洗ってください。
色移りを防ぐため、他の衣類とは別に洗うのがおすすめです。
5.自然乾燥させる
服を乾燥させる際は、シミが完全に落ちていることを確認してから干しましょう。
可能であれば、衣類を自然乾燥させることをお勧めします。
衣服から油性ペンの汚れを落とすポイント
油性ペンの汚れを落とすには、以下の点に注意しましょう。
素早く行動する
シミができたばかりの場合は、シミの周囲にワセリンを塗る事で、シミが他の部分に広がるのを防ぐことが出来ます。
最初にワセリンがインクを吸収し、他の部分に染み込むのを防いでくれるので、その間に他の掃除用具を揃えることができます。
インクの種類がわからないとき
汚れの原因となったインクが油性なのか水性なのか分からない場合は、水と消毒用アルコールの両方を試しましょう。どちらが効果的か、少量で分かります。
酢は使わない
掃除に酢を利用する人も、油性インクの汚れを落とす事にも有効かどうかは、科学的に確認されていません。
乾燥したインクは落とすのが難しい
インクは乾燥してしまうと落とすのが難しくなります。
一方、まだ乾いていない液体の状態であれば、布やコットン等でインクを吸収する事ができます。
ドライクリーニングのみの場合
洗濯表示でドライクリーニングのみを推奨している場合は、プロに任せるのが一番です。
なるべく早くクリーニングに出し、シミを指摘するようにしましょう。
シミが消えない場合の対処法
油性ペンのインクが衣服に付いて何日も経っている場合は、容易に汚れが落ちない可能性があります。
そのような場合は、衣服を消毒用アルコールに15分ほど浸してみるのがおすすめです。
この方法を何度か行えば、インクのシミが必ず取れるという訳ではありませんが、多少はシミを目立たなくさせることは出来る可能性があります。
素材別のポイント
ここからは、素材別に衣服に付いた油性ペンの汚れを落とす方法を解説します。
油性ペンに限った話では無いですが、服から汚れを取る作業は、必ず目立たない部分から少しづつ行いましょう。
服の素材によっては、慎重に対応しないと服がダメになってしまうためです。
レザー(革)についた油性ペンを落とすには?
アルコールとアセトンベースの製品はレザーにダメージを与えやすいので、ネイルの除光液、手の消毒液、消毒用アルコールなどは避けたほう無難です。
代りに以下のアイテムを使うといいでしょう。
ホワイトビネガー
布やコットンなどを使い、ホワイトビネガーをインクのシミに付け、少なくとも5分間は浸しておきます。
インクが落ちたら、定期的に布を取り替え、必要に応じて繰り返してください。
防さびスプレー
布またはペーパータオルに防さびスプレーを少量吹き付け、小さな円を描くようにしながら、強くしみこませるようにして汚れを落とします。
*注意:防さびスプレーはレザーに直接スプレーしないでください。
コットン(綿)から油性ペンの汚れを落とすには?
ほとんどの綿は、アルコールとアセトン製品を扱うことができます(もし服が古い場合や薄い面の場合は注意しましょう。必要に応じてアルコールを水で希釈してください)。
ウールから油性ペンを落とすには?
ウールはポリエステルなどの人工繊維よりも壊れやすいので、まずは目立たない部分でテストし、問題ない事を確認してから汚れを落とす事が重要です。
消毒用アルコールや除光液を使い、綿から油性ペンを取り除くのと同じ手順で行いましょう。
デニムから油性ペンを落とすには?
デニムは丈夫な素材なので、消毒用アルコールや除光液のような(刺激が強いが)最も効果的なアイテムを扱うことができます。
ポリエステルから油性ペンを落とすには?
ポリエステルは丈夫な人工繊維なので、デニムと同様、消毒用アルコールや除光液を利用して油性ペンの汚れやシミを落とす事ができます。
まとめ
水性ペンの汚れと違って、油性ペンの汚れを落とすには、少し工夫が必要です。
しかし、適切な方法を取る事で、油性ペンの汚れもしっかりと取れる可能性があります。
服が油性ペンで汚れてしまっても、諦めず落ち着いて対応しましょう。
参考