ティール財団とは?

Thiel Foundation(ティール財団)は、ピーター・ティール氏による科学、技術、そして未来に関する長期的な思考を支援する財団です。

この財団は以下2つのプログラムを実施しています。

公式ウェブサイトにはチームとして以下の2名の名前が掲載されています。

  • ピーター・ティール – 創設者
  • クレア・オブライエン- 財団管理者

また、ブレイク・マスターズ氏は同財団のプレジデントとして2016年にドナルド・トランプ氏の選挙活動を支援していました

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ピーター・ティール・ニュース

ピーター・ティール氏に関するニュースをまとめています。

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2015年

ピーター・ティールの経歴

伝説的なベンチャー投資家にして億万長者であるピーター・ティール氏の経歴を時系列でまとめています。


1967年、西ドイツのフランクフルト・アム・マインで生まれる。

1968年、1歳のとき家族とともに、アメリカのクリーブランド移住

詳細不明:ベイエリアの中流階級が住むフォスター・シティに移住。アメリカではモンテッソーリ教育の学校に通っていた

南アフリカ共和国のヨハネスブルグで1年間私立学校に通っていたが、ナミビアのスワコプムントでは公立の小学校に通っていた

1985年、スタンフォード大学に入学。

1987年、高校時代の友人であるノーマン・ブックと共に、保守派の月刊学生新聞「スタンフォード・レビュー(The Stanford Review)」を創刊。

1989年、スタンフォード大学を卒業。哲学の学士号を得る。その後、スタンフォード大学の法科大学院に通う。

1992年にスタンフォード大学の法科大学院を卒業

1995年にはカリフォルニアの高等教育機関における多文化主義と「ポリティカル・コレクトネス」の影響に疑問を投げかけた「The Diversity Myth」を共著で出版する

1998年に若手の暗号学者マックス・レブチンと出会い、スタートアップ「コンフィニティ(後のPayPal)」を共同設立。同社への投資も行う。

1999年、コンフィニティのCEOに就任。

2002年、PayPalを辞任。

2003年5月6日Palantir(パランティア)を共同創業。

2004年、Facebook(現Meta)に投資。

2005年、ベンチャーキャピタルの「Founders Fund」を創業

2007年12月、米ゴシップ系メディア・Gawkerにアウティング(無断でゲイだと暴露)される

2010年9月28日、サンフランシスコで開催されたカンファレンス「TechCrunch Disrupt」で行われたディスカッションにおいて、学校を中退する子供たちに最高10万ドルの助成金を提供する新しいイニシアチブ(現:Thiel Fellowship)を開始すると発表

2011年、起業を志す20歳未満の優秀な若者20人に、10万ドルずつを与えるプロジェクト「20 Under 20(現:Thiel Fellowship)」を開始。

2011年3月、ニュージーランドの国籍を取得する。

2012年、同氏がゲイであると書いたメディアGawkerを提訴

2012年、ベンチャーキャピタルである「ミスリル・キャピタル」を創業する

2014年に後世での蘇生を期待して死後に肉体を冷凍保存する計画(クライオニクス)を実施しているアルコーに登録する。これは「どちらかというとイデオロギー的な意思表示のようなもの」とのこと。

2015年、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムの選挙運動に5万6400ドルを寄付した

2015年12月11日、イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏らと共に、OpenAIを共同創業

2016年、カリフォルニア州の民主党議員ロー・カンナに2700ドルを寄付した

2016年の大統領選挙でトランプ陣営の最大の献金者の一人となり、スーパーPACと直接寄付で125万ドルを寄付した。

2016年7月21日、共和党大会に登壇しスピーチを行う。スピーチ内で自身がゲイであることを公式に認める

2016年11月11日、ドナルド・トランプ次期米大統領の政権移行チームに参加することが正式に発表された

2018年の初めに、保守的な意見に対する地域の不寛容さを理由に、シリコンバレー(サンフランシスコ)からロサンゼルスに移住。また、マイアミビーチに豪邸を購入した

2021年3月、同氏のベンチャーキャピタル企業で働いていたことがあり、後にオハイオ州の上院議員に立候補したJ・D・ヴァンスを支援する政治活動委員会(PAC)に1000万ドルを寄付した。また一か月後にはアリゾナ州の上院議員候補である共和党のブレイク・マスターズを支援する新しいPACに1000万ドルを寄付した。

2022年2月7日、Meta(旧Facebook)の取締役を退任すると発表。同年5月25日、正式に退任

2022年、マルタ共和国の国籍を申請する

2024年1月31日、”ドーピング歓迎”のオリンピック大会「エンハンスド・ゲームズ(Enhanced Games)」の創設に向けて投資するベンチャーキャピタリストの1人である事が公表される

2024年2月26日に、自身が率いるFounders Fundが他社と共同でモジュラーブロックチェーンプロジェクト・アベイルのシード調達ラウンドを主導した

2024年3月12日、自身が創業したPalantirの株を700万株以上(約1億7,500万ドル相当)売却した。ティール氏は同社の株式の約7%を所有している。

ピーター・ティールの名言

ピーター・ティール氏の名言を紹介します。

我々は空飛ぶ車を欲していたが、代わりに手に入れたのは140文字だ。

(出典:Yale School of Management

2011年。140文字とはTwitter(現X)の事です。ティール氏は世の中の発展がインターネット偏重で、現実の世界が発展していない事を残念に思っています

賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?

出典:ほぼ日刊イトイ新聞

ピーター・ティール氏は採用面接で必ずこの質問をするそうです。

人生の大部分を左右する競争に巻き込まれる前に、掲げられている目標が本当に欲しいのかどうか自問しなさい

出典:Business Insider

ティール氏は競争を強く否定しています

トランプが何でもかんでも変えてしまうと皆騒ぎ立てているけれど、私にとってのリスクは、トランプがあまりに少しのことしか変えられないんじゃないかというものです

出典:Business Insider

ティール氏はトランプ就任後にニューヨーク・タイムズ紙のインタビューにこう語っています。

成功した起業家の多くは、軽度のアスペルガー症候群の特徴が見られる。つまり、模倣や社交の能力が欠如しているように見える

出典:Washington Post via Business Insider

この世の中では、天才よりも勇気のある人のほうが不足しているのです。

出典:BRIDGE

ピーター・ティールが1億7500万ドル相当のPalantir株を売却

(2024年3月16日)

ピーター・ティール氏が、2024年3月12日に700万株以上(約1億7,500万ドル相当)のPalantir Technologies Inc.の株式を売却したとBloombergが報じた

ティール氏がPalantirの株を売却するのは2021年以来である。

ティール氏はこれまで、34億ドル相当のPalantir株を保有していた。

Bloomberg Billionaires Indexによれば、ティール氏は現在もPalantirの株式を約7%所有しており、これはティール氏の105億ドルの資産の中で最大のものとなっている。

参考:Bloomberg

Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)

Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)とは、起業家のピーター・ティール氏が自身の財団を通して行っている、22歳以下の若者に起業支援として最高10万ドルを提供するプロジェクトです。

ティール氏は、米国の学費が高騰し、多くの子供たちが、偉大なことを成し遂げることだけに集中するのではなく、借金(奨学金)の心配をしながら卒業していく現状を、このプロジェクトを通して変えたいと考えています。

2010年9月28日に、サンフランシスコで開催されたカンファレンス「TechCrunch Disrupt」で行われたディスカッションにおいて、ティール氏が自ら発表しました

出身者

Thiel Fellowshipは、創設13年でこれまでに271人の対象者を輩出しており、奨学金を受け取った人のうち11人が、後にユニコーン企業となるスタートアップを起業しました

著名な出身者の例として、ソフトウェアデザインスタートアップ「Figma」を創業したディラン・フィールド氏や、分散型ブロックチェーンプラットフォーム「Ethereum」を発明したヴィタリック・ブテリン氏がいます。

Newsweek によると、2016年にThiel Fellowshipに寄せられた6,000件の申請のうち、4分の3は、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、イェール大学、スタンフォード大学など、一流校と呼ばれる学校からのものでした。

ピーター・ティール(Peter Thiel)

ピーター・ティール氏(Peter Thiel)は、ドイツ系アメリカ人IT系起業家、投資家、慈善家です。

主な実績にPayPal、Palantir、Founders Fundの起業、FacebookやDropboxへの投資があります。

また、近年は政治活動家としても活動しており、ドナルド・トランプ氏等に政治献金等の後援をしています

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ピーター・ティールのプロフィール

名前 ピーター・ティール
(英:Peter Thiel)
誕生 1967年10月11日
ジェンダー 男性
性的指向 同性愛(ゲイ)
職業
  • 起業家
  • 経営者
  • 投資家(ベンチャーキャピタリスト)
  • 慈善家
  • 政治活動家

他複数

実績
  • PayPalの共同創業
  • Facebook初の外部投資
  • Palantirの共同創業

他複数

家族
  • 子供1人
拠点、居住地 アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス(自宅兼オフィス)
推定資産 105億ドル
政治思想 リバタリアン
国籍

スタートアップ創業者必読の書「Zero to One: Notes on Start Ups, or How to Build the Future(邦題:ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか)」の著者でもあります。

超富裕層の御多分に漏れず、長生きを望んでいるとアトランティック紙は報じています

ティール氏はシリコンバレーを「一党独裁国家」と呼んだ後、2018年初めにサンフランシスコからロサンゼルスに移住しました

同氏が創業したファウンダーズ・ファンドのサイトには以下の様なプロフィールが掲載されています。

起業家、投資家。PayPalを共同設立し、CEOとして同社を率い、株式公開を果たした。また、取締役を務めるFacebookに初めて外部投資を行い、会長を務めるPalantir Technologiesを共同設立した。LinkedIn、Yelp、そして数十の新興企業に初期の資金を提供し、その多くは「PayPalマフィア」と呼ばれる元同僚が経営している。また、シリコンバレーのベンチャーキャピタルFounders Fundのパートナーであり、SpaceXやAirbnbなどの企業に出資している。若手起業家に資金を提供するティール・フェローシップを立ち上げ、技術進歩と長期的思考の促進に取り組むティール財団を率いている。

出典:Peter Thiel – Founders Fund

交友関係

PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏は学生時代からの友人。

OpenAIの創業者であるサム・アルトマン氏やLinkedInの創業者であるリード・ホフマン氏友人である

語学

西ドイツ出身であり、ドイツ語が堪能

趣味嗜好

ニュージーランドが好きで、同国の事を「ユートピア」と呼んでおり、2011年3月にはニュージーランド国籍を取得した。1,000万ドルの土地をワナカ湖付近に購入している

また、リバタリアンとして「肩をすくめるアトラス」を支持しています

ロード・オブ・ザ・リング

ティール氏はSFとファンタジーが大好きで、特にJ・R・R・トールキンによる長編小説「指輪物語」(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作)の大ファンです。

ティール氏はこの本を10代のころから読んでおり、

起業したMithril Capital、Valar Ventures、Palantir Technologiesの名前は、同作品に登場する架空のアイテム名から採られています

政治思想(イデオロギー)

政府の介入を嫌う右派リバタリアン(自由至上主義者)として有名です

ティール氏は10代の頃にレーガン政権の保守主義に感化されてリバタリアンになりました

2016年の大統領選ではドナルド・トランプ氏を支持し、トランプ氏の陣営に125万ドルを寄付すると述べました

しかし、2020年の大統領選ではトランプ氏への寄付は行っていません。ティール氏はトランプ氏の政策の一部を支持していたものの、その後の混乱には不快感を示していたといいます。

米ニューヨーク・タイムズ紙は2022年2月、ティール氏を「右派の新たなキングメーカー(実力者)」と呼びました

ティール氏は、共和党が中絶問題やトランスジェンダーのトイレ使用制限などの問題よりもイノベーションや中国との競争を懸念すべきだと考えています。

また、少し変わったところでは、”イデオロギー的な意思表示のようなもの”として後世での蘇生を期待して死後に肉体を冷凍保存する計画に登録している事が知られています

政治献金

ティール氏の政治献金(寄付)の大半は、共和党に向けてのものです。

2012年にはロン・ポール氏やテッド・クルーズ氏に多額の献金を行いました。また、元ヒューレット・パッカードCEOのカーリー・フィオリーナの政治活動特別委員会(スーパーPAC)にも200万ドルを投じました

2022年の中間選挙では、16人の共和党候補に献金しました。米調査団体オープン・シークレッツによると、ティール氏の昨年来の献金額は3千万ドル(約43億円)を超え、共和党の個人献金者では3位となっています。

なかでも、ティール氏が最も資金をつぎ込んだ1人がブレイク・マスターズ氏で、1千万ドル以上を提供しています

一方、ここ数年は民主党への寄付も確認されています。2015年にはカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏の選挙運動に5万6400ドル、2016年にはカリフォルニア州の民主党議員ロー・カンナ氏に2700ドルを寄付しました。

また、2022年末には2024年の大統領選ではどの候補者にも寄付をしないことを決めたとのこと

起業家

ピーター・ティール氏は伝説的な投資家(ベンチャーキャピタリスト)として知られていますが、自ら起業した会社やプロジェクトも多々あります。

中でも著名な企業にPayPal、Palantir、Founders Fundがあります。

OpenAI

イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏らと共に、OpenAIを共同創業

シーステディング研究所

“海の上の独立国家建国”を目論むシーステディング研究所(Seasteading Institute)を共同創設しました

この研究所では、技術的にも法的にも財政的にも完結した自治国家の樹立を目指しています。

投資

ティール氏は投資家としてLinkedIn、Yelp、Airbnb、Lyft、SpaceXなど、数十社の新興企業に初期投資を行いました。

その投資の中には、世界で最も価値のあるユニコーン企業の2つであるStripeとSpaceXが含まれています

投資先の多くは「PayPalマフィア」と呼ばれるPayPal時代の同僚が経営するものです。

同氏の投資は個人または自身の投資会社を通じて行われています。

同氏の投資会社にはFounders Fund、Valar Ventures、Mithril Capital、Clarium Capital、Thiel Capitalがあります。

Facebook

ティール氏が行った投資の中でも、特に成功したのが2004年に行ったFacebook(現Meta)への投資です。

ティール氏は、創業直後のFacebookに、同社初の社外投資家として50万ドルを信用貸しの形で融資し、後にこれを同社の株式10.2%に換えました。

ティール氏はFacebookが2012年5月にIPOを行った際に、保有する株式の一部を売却しましたが、その時だけでも6億4000万ドル相当のリターンを得ています

Stripe

ピーター・ティール氏はシードラウンドでStripeに投資しました

また、シリーズCは自身が創業したFounders Fundが主導しました

未来への投資

ティール氏はまだ著名でないもの、まだ成功していないものへの投資には以下の様なものがあります。

慈善活動

ティール氏は、自身の財団であるティール財団(Thiel Foundation)を通して2011年から若手起業家に資金を提供する投資プログラム「Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)」を運営しています

代表的なものに、Ethereum(イーサリアム)を開発したヴィタリック・ブテリン氏への支援があります

執筆活動

ティール氏はビジネス書「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(原題:Zero to One: Notes on Startups, or How to Build the Future)」をブレイク・マスターズ氏と共著で出版しました。

この本はティール氏が母校のスタンフォード大学で行った「起業論」の講義(をマスターズ氏が聴講してまとめたノート)が元になっています

同書はニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー第1位を獲得するなど、高く評価されています。

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参考