Xの評価額が440億ドルに回復

(2025年3月19日)

投資家らは、ソーシャルメディア「X」を運営するX社の評価額を440億ドルと評価しています。

これは、2022年にイーロン・マスク氏が同社(当時はTwitter Inc.)を買収した際と同額です。

2024年9月には、同社の価値が100億ドル未満と判断されていましたが、急激な上昇となっています。

BloombergはXがマスク氏の参加を得て「ほぼ10億ドルの新たな株式資金」を調達したと報道しています。

参考:X bounces back to $44 billion.(The Verge)

イーロン・マスクのxAIがイーロン・マスクのXを約5兆円で買収

(2025年3月28日)

イーロン・マスク氏が率いるAIスタートアップのxAIが、同じくマスク氏が所有するSNSのX(旧Twitter)を330億ドル(約4兆9500億円)で株式交換を通じて買収しました。

マスク氏は、今回の買収について、「xAIの高度なAI機能と専門知識をXの巨大な影響力と融合させる」ものだとXで述べています。

元々、xAIが開発したAIチャットボットである「Grok」がSNSの「X」に搭載されたり、XのデータをGrokの学習ソースとりて利用したりなど、xAIとXは密接に関わってきましたが、今回の買収により両社の連携は一段と強化される事になるでしょう。

なお、この買収により、xAIの価値は800億ドル(約12兆円)、Xの価値は負債120億ドルを含め450億ドル(約6兆7500億円)になるとマスク氏はXで明かしています。

今後、XとxAIのすべての株式は、新会社「xAIホールディングス社」の株式と交換される予定です

このxAIホールディングスの企業価値は負債を除き1000億ドル(約15兆円)を超える規模となる見通しであるとBloombergは報じています

マスク氏は2022年に440億ドル(約6兆6000億円)でX(当時の名称はTwitter)を買収していました。

参考:Elon Musk’s xAI buys X, the site formerly known as Twitter(The Verge)

筆者の感想

以前からxAIの評価額より、Xの評価額の方が圧倒的に低かったので、私は冗談で「XってAI(Grok)が搭載されているSNSと言うより、SNSがおまけで付いてるAI(Grok)って感じだよね」「XよりもX上の一機能(Grok)の方が価値が上だ…」と思っていましたが、今回の買収はまさにそんな状況を示すものですね。

しかし、Xのスーパーアプリ化と経営が上手くいかない中で、XをGrokの学習ソース&普及のインフラとして活用し、xAIを育てて、最終的にxAIでXを買収するというのは本当にすごいですね。

転んでもただでは起きない根性と経営センスは、さすがイーロン・マスクって感じです。

今回の統合により、社内のリソースが統合・洗練され、xAIはますます飛躍していきそうですね。

イーロン・マスク氏としても、これまでは会社をまたいで指示しなければならなかった事が、これからは隣の部署に指示するだけで済むわけですから、大きな無駄の削減でしょう。

Twitterの名前が「X」になった。一番の改悪だ。

イーロン・マスク氏はTwitterを買収し、スーパーアプリ「X」に変更しようと改革を進めています。

その過程では、良い事もありましたが、一方で改悪も多くありました。

マスク氏による改悪の中でも最悪なのは、やはり「Twitter」という名前を「X」に変更したことだと思います。

長年親しまれ、認知されてきた名前を変更するのは大変なことです。

特に、「X」はアダルト(性的)なものを示す、スマホやパソコンなどにおいて「閉じる」「消す」を表す「×(バツ印)」と区別が付きづらい、検索する際に他の分野の「X」が引っかかるなど、ブランドとして確立させるには困難な要素を多く含んでいます。

Xはリブランディングの翌月に、広告代理店に新しいブランドガイドラインを送り、Xのロゴをどのように使うべきか、「ツイート」や「リツイート」の代わりにどのような用語を使うべきか(現在は「ポスト」や「リポスト」)などを説明しているようです。

しかし、ユーザーの言動をみるに、そうした努力は上手くいっていないのかもしれません。

変更直後はもちろんの事、変更から1年経っても、ユーザーはXのことをTwitterと呼んでいます

もちろん、ビジネス的にも確立させたブランドを捨て去ることは大きなデメリットがあります。

Bloombergは、この変更により最大で2兆8,000億円ものブランド価値が損なわれたと報じています。また、Twitter自身も、かつて青い鳥のロゴを「最も認知度の高い資産」と述べていました

短縮URLサービスを提供する「Rebrandly」のCEOである、カーラ・ブルク氏は「1つ確かなことは、人々はTwitterの鳥という友好的でオープンで共有されたコミュニケーションのシンボルが大好きだったということです。”X”ではそうした特徴が伝わるか分かりません。」と述べています

この記事を書いているちょうど前日(2025年3月10日)に、Xで障害が発生しましたが、その際も「Twitterに接続できない」などの声が多く上がっていました

まだまだ「X」のことを「Twitter」と呼ぶ方は多いようです。

X/Twitterはサブ垢を作ると楽しくなる

Xは、目的ごとにアカウントを作り、それぞれで交流や推し活をすると使いやすいです。

アカウントのテーマを絞ると、「おすすめ」の精度も良くなるので、情報収集もはかどります。

ちなみに、Xでは基本的にアカウントを何個作ってもOKです。アプリやウェブサイトも複数アカウントの切り替えに対応しています。

YouTubeも同様ですブランドアカウントを作って、アカウントごとに好みのチャンネルを登録するとホーム画面のおすすめ精度が上がって快適になります

参考:Twitter、複垢にしたら楽しくなりました | ギズモード

ウェブ版のXで「?」を押すとショートカット一覧が表示される

ブラウザ版のX(旧Twitter)で「?」を押すとキーボードショートカットの一覧(チートシート)が表示されます。検索ボックスやポスト欄に「?」を入力してしまわないように注意してください。

なお、ショートカットキーは環境によってはうまく機能しません。

参考:X/Twitterで「?」を押すとショートカット一覧が表示される

XがGrokを全てのユーザーに無料で提供開始

(2024年12月6日)

Xは、AIチャットボット「Grok(グロック)」を全てのユーザーに提供開始しました。これまでは、X Premiumに加入しているユーザーしか利用できませんでした。

Xは現在、全てのユーザーに対して2時間ごとに10回の無料プロンプトを提供しています。画像生成は1日に3件までです。それ以上の利用にはサブスクリプションへの加入が必要です。

この変更は、アップデートに気づいたXユーザーの報告を引用する形でThe Vergeが報じました。TechCrunchによると、先月からXがニュージーランドなど一部の国でGrokの無料版の試験運用を開始していたとのことです。

この変更により、GrokはOpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeと同様のフリーミアムモデルとなりました。基本的な機能を無料で提供しつつ、より多くの使用量や高度な機能については有料サービスへの登録を促す仕組みです。

これによって、より多くのユーザーがGrokを体験できるようになりました。

参考:Grok is now free for all X users | TechCrunch

X/Twitterではポストにリンクを含めると潜在的なリーチが制限される

(2024年11月26日)

X/Twitterでは、ポストにリンクを含めると、潜在的なリーチが制限されるとのこと。

Y Combinatorの共同創設者でもあるポール・グレアム氏が「Twitterの最大の欠陥は、リンクが含まれるツイートの優先順位が下がってしまうことです。私がTwitterに魅力を感じるのは何が起こっているかを知れるためですが、リンクがなければ知ることはできません」と投稿したところ、マスク氏は「メインの投稿に説明を書き、返信としてリンクを投稿するだけでいいです。これで、冗長なリンクをなくすことができます」と返信しました。

出典:イーロン・マスクがXでリンクを含む投稿の優先度を下げていることを示唆 – GIGAZINE

1つのニュースをシェアするために、わざわざリプを活用して2つポストをするのは面倒ですね…

ニュース等を投稿する上で、出典を示すことは非常に重要だと思うのですが、これだと出典を示すためにリンクを貼るインセンティブが損なわれてしまいます。

ユーザーをXに留めたいのでしょうが、個人的には普通にリンクを貼りたいです(´・ω・`)

イーロン・マスクのTwitter買収に資金提供した銀行団の債権売却が大幅に進展

(2025年2月13日)

ウォール街の銀行は、イーロン・マスク氏のTwitter(現X)買収に関連する30億ドルの融資売却に、大きな進展を見せているとFinancial Timesが報じています

この動きは、モルガン・スタンレーを中心とする銀行団が、2022年の買収に関連する55億ドル相当の負債売却に成功してから、わずか1週間後に行われることになります。市場の急落により買い手が逃げ出していた状況から、大きな転換を迎えています。

今週に入り、売却の注文は50億ドルを超え、銀行側の自信も深まっています。当初予定していた債務の割引を取りやめることができる見通しとなり、モルガン・スタンレーは9.5%の固定金利を付けた有担保ローンについて、割引なしでの価格設定を目指しているとのことです。

この成功は、マスク氏の440億ドル規模の買収に約130億ドルを提供した7つの金融機関にとって、大きな勝利となります。参加した金融機関には、モルガン・スタンレーの他、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、みずほフィナンシャルグループ、MUFG、ソシエテ・ジェネラル、BNPパリバが含まれています。

2022年当時、ウォール街の金融機関は、Twitter(現X)の敵対的買収に参加しようと熾烈な競争を展開していました。しかし、FRBの積極的な利上げやマスク氏自身による買収撤回の動きなど、市場の混乱により、貸し手となる予定だった投資家たちは警戒的な姿勢を示すようになりました。

その結果、取引完了後、モルガン・スタンレーと他の6行は自己資本での対応を迫られ、他の融資業務にも影響が及び、評価損の計上による損失を被ることとなりました。

しかし、状況は好転します。昨年のトランプ前大統領の当選とマスク氏との関係強化が、投資家の関心を呼び戻すきっかけとなりました。さらに、マスク氏の人工知能スタートアップであるxAIへのXの出資が、投資家の期待を一層高めることとなりました。

今月の売却と、1月にダイアミター・キャピタル・パートナーズやダルサナ・キャピタル・パートナーズなどの資産運用会社へ売却された10億ドルの債券により、銀行団が提供した融資の大半が清算される見込みです。関係者によると、銀行団は約30億ドルのジュニア無担保ブリッジローンを保有することになるとのことです。

先に売却された65億ドルのタームローンは、取引開始以来大幅に価値が上昇しており、ウォール街のブローカーは1ドル99セントから100セントという高値で取引を提示しています。この好調な値付けが、今週の有担保ローン価格設定に向けた7社の貸し手グループの意欲を高めているようです。

なお、この件についてモルガン・スタンレーはコメントを控えており、X社からの回答は得られていないとFinancial Timesは伝えています

イーロン・マスクの裏垢(ゲーム垢)

イーロン・マスク氏は、@elonmusk以外にもXのアカウントを保有しています。

それがGamer(@cyb3rgam3r420)というアカウントです。

このアカウントはゲーム配信用のアカウントです。

マスク氏は時々、Xのストリーミング機能のテストを兼ねてゲーム実況配信をしています。

イーロン・マスクがXのハンドルネーム「@America」を政治活動のためにユーザーから剥奪

イーロン・マスク氏は自身が立ち上げた政治行動委員会(PAC)である「America PAC」の公式アカウントとして利用するため、Xのハンドルネーム「@america」をユーザーから取得しました

このアカウントはマスク氏が10月5日のトランプ大統領の集会で演説したのと同じ日に開設されました

これまでハンドルネーム @America を所有していたユーザーには、代わりに @america123_12 が割り当てられています。

元の @America ユーザーは2020年以降、アカウントでポストをしておらず、数年にわたって非アクティブだったとみられています。

Xのポリシーでは、通常、著作権侵害やアカウントの非アクティブなどの問題が発生した場合に、同社がユーザー名を取得することが許可されています。

ちなみに、皮肉にも @America の元所有者は、イーロン・マスク氏とドナルド・トランプ氏に対して批判的なツイートをしており、2020年にはマスク氏を「反米的」と呼んでいます

なお、マスク氏がXのハンドルネームをはく奪するのは今回が初めてではなく、過去にも @X や @xAI などのハンドルネームを取得してきました

また、イーロン・マスク氏が買収する前のTwitter時代にも、 @CIA がTwitterの運営に取得されるといった事が起きています

しかし、今回の @america 取得は、これまでとは違う点があります。それは、マスク氏の政治活動の為に取得されたという事です。

マスク氏は2022年に「Twitterが国民の信頼を得るには、政治的に中立でなければならない」と述べていました

ですが、@america の取得はX社のビジネスや安全上の理由ではなく、自身の政治的な活動に利用するためであったことから、この行為には「マスク氏は個人的かつ党派的な政策を推進するためにXのリソースを利用している」といった不満の声があがっています