Xがアカウントの所在地を表示開始

筆者の感想

プライバシーを軽視する酷いアップデートですね。
現状、精度が低く、また表示されるのも国名なので多くの人にとっては大事にならないでしょうが、反政府活動家やジャーナリストにとっては国名を表示するだけでも安心できない仕様でしょう。

日本のようになんでも発言できる国ばかりでは無いですからね…

また、所在地が短期間で変更されるようになった場合には、旅行や出張で海外に行くタイミングもバレてしまうので、プライバシーや防犯の面で懸念があります。日本人の居場所が海外になっていたら、家を留守にしているとバレるわけですからね。

個人的には、信頼性を上げたい人だけが表示できる機能にして、デフォルトではオフにしてほしいですね。

X/Twitterに関するニュース(2025年)

1月28日、新たな決済サービス「X Money」を開始すると同社のCEOであるリンダ・ヤッカリーノ氏がXで発表しました

3月28日、xAIがXを買収する

4月30日、X Premiumのユーザーに向けて4K動画の投稿を一部開放

6月1日までにXChatを提供開始

7月5日、Xがポストの翻訳機能をGoogle翻訳からGrokによる翻訳に移行開始。この時点で全ての英語ユーザーが利用可能

7月9日、リンダ・ヤッカリーノCEOが辞任を表明

7月16日、xAIのGrokに美少女キャラと会話できるコンパニオンモードが登場!

7月17日、Grokの翻訳機能をXの日本語ユーザーに向けて提供開始

8月13日、Grokによるポストの自動翻訳機能を米国の全ユーザーにリリース

10月20日、使われていないユーザー名を販売する「X Handle Marketplace」を開始

10月25日、Grokの新しいAIコンパニオン「Mika」が登場!ユーザーIDは「@M」です。

同日、旧ドメイン(Twitter.com)の完全廃止に伴い、セキュリティキーの再登録を行うようアナウンス

11月11日、個人アカウントが投稿した前月の人気ポストを公認し、そのアカウントに1カ月間、専用バッジを付ける「Certified Bangers」の試験運用を開始

11月14日、新たなメッセージ機能「Chat」の正式提供を開始

11月22日、ユーザーのプロフィールに位置情報やアカウントの作成年月などを表示する「このアカウントについて」機能のグローバル展開を開始

Xのポスト翻訳機能がGoogle翻訳からGrokに変更開始

(2025年7月5日)

これまでX(Twitter)の翻訳機能はGoogle翻訳が利用されていましたが、今後は自社開発のGrokになるんですね。
地味にすごい変化だと思う。

7月半ばごろから、日本語→英語にも対応した模様。

Xの翻訳機能、GoogleからGrokに切り替え 日本でも – ITmedia AI+

X/Twitter用語集

Grok

Xの姉妹企業であるxAIが開発している対話型生成AI。

ChatGPTのような対話型AIで、Xの投稿とインターネット全体のウェブページから世界中の出来事をリアルタイムで学習しているのが大きな特徴です。

Xに統合されている他、独自のウェブサイトおよびアプリも用意されています。

Grok Translate

Xに搭載されているポストの翻訳機能。

2025年7月5日ごろからGoogle翻訳に変わって実装された

Grokipedia

xAIが提供している辞書サイトです。

参考:GrokがファクトチェックしたWikipedia「Grokipedia」とは?

Xの各種サービスや用語

Certified Bangers

毎月人気ポストを5つ選び、Bangersの公式アカウントで紹介(公認)するXの公式企画

「Bangers」と呼ばれるこの機能は、Xに投稿されたポストの中から、人々を笑わせ、考えさせ、話題にさせるなど「プラットフォームを動かすポスト」をピックアップして紹介するというもの。

出典:X、人気投稿を称賛する機能をリリース。採用された人は認定バッジがもらえる【やじうまWatch】 – INTERNET Watch

ポストが選ばれると、プロフィールにその月の「Certified Banger」バッジが付与される

公式アカウント:Bangers(@Bangers) / X

Chat(チャット)

チャット」はエンドツーエンドで暗号化されたメッセージと音声通話およびビデオ通話が可能なメッセンジャーです。2025年6月2日に発表され、同年11月に正式リリースされました。

メッセージの自動消去機能やあらゆる種類のファイル共有機能、既読の取り消し機能なども備えています

Xのウェブサイトやアプリに統合されていますが、既存のDM機能とは別のサービスとしてリリースされましたが、最終的にはChatに統合される(置き換えられる)予定です

X Handle Marketplace

Xの使われていないユーザー名を販売する公式サービスです。2025年10月19日に発表されました

悪用やスパムを防ぐため、このサービスを利用できるのはXへの課金や審査など条件をクリアしたユーザーのみとなっています。

また、古いユーザー名から新しいユーザー名へのリダイレクトオプションも追加料金で提供する可能性があると告知されています

X Lite

Android向けに提供されているアプリ。

参考:XがAndroid向け新アプリ「X Lite」を公開 有料ユーザー向けにテスト公開 – ろぼいんブログ

X Money

XがVisaと提携し、2025年中に開始する予定の決済サービス。

法定通貨を扱い、開始当初は利用者間での送金サービスを提供するとのこと日本でも展開予定です。また、法定通貨だけでなく、仮想通貨にも対応するみられています

X Originals

Xで配信されているオリジナル番組。

X Portal

Xの検索タブ内に特設サイトを設ける機能。

これまでに2024年のパリ五輪や米国のNFL・NBA、グラミー賞といった世界的なイベントで活用されている。日本では「鬼滅の刃」が映画のプロモーションのため7月20日から8月3日までの間、活用している

X Premium

Xによる月額制のサブスクサービスです。

登録する事で、ポストの編集機能や高解像度の動画投稿、ブックマークのフォルダ分けなどが可能になります。

X Shop

2024年11月5日に登場したXの公式オンラインストア。Tシャツやキャップ(帽子)等を販売している。

公式サイト:Official X Shop

X TV App

Xは2024年4月23日に発表した、スマートテレビ向けの公式アプリ。

Google Play:X TV

X Corp.

Xを運営する企業に関する用語。

xAI

xAI(エックス・エーアイ)はイーロン・マスク氏がアメリカのネバダ州で設立した、AIスタートアップです。「宇宙の真の姿を理解すること」を目標にしています。

2023年11月4日、xAIは独自の言語モデルである「Grok」を発表しました

2025年3月28日にXを運営するX Corp.を買収しました

公式サイト:xAI

xAI Holdings

上記xAIとXを運営するX Corp.を傘下に収める持株会社。

X Payments

X Payments LLCは、Xに決済サービスを搭載させるために設立されたX Corp.の完全子会社です。

Xはアメリカの全州で送金業者の免許を取得し、2025年中に全米で決済サービス「X Money」を開始する予定です。なお、2024年11月時点で、免許を取得できているのは38州とのこと。

Twitter

Twitter時代の用語。

Odeo

同名のポッドキャストサービスを運営する企業。TwitterはOdeo内の1サービスとして開発されていた

Twitter

ツイッター。「鳥のさえずり」「童謡や興奮によるおののき」といった意味を持つ英単語。

SNS「X」の旧称。SNSとして扱われる事が多いが、「マイクロブログサービス」であった。

Twitter Blue

Twitter Blueは、Twitterがかつて提供していた月額制のサブスクサービスです。

登録する事で、ツイートの編集機能や高解像度の動画投稿、ブックマークのフォルダ分けなどが可能になります

日本では2023年1月11日に開始されました。料金は月額980円ですウェブサイトから登録した場合)。

現在はリニューアルされ、「X Premium」となっています。

人物

TwitterやXに関係する人物。

イーロン・マスク

Elon Musk

2022年にTwitterをポケットマネーで買収し、Xに作り替える。

エヴァン・ウィリアムズ

Evan Williams

Twitterの共同創業者。1999年にベンチャー企業のPyra Labsを設立し、ブログサービスの先駆けである「Blogger」を開発、2003年2月にGoogleに売却して富を得た人物。プラティッシャーの「Medium」を創業した事でも知られる。

ファーストネームはしばしば「Ev(イヴ)」と略される。

ジャック・ドーシー

Jack Dorsey

Twitterの共同創業者、初代CEO。Twitterのアイデアを考案した人物。Block(旧Square)の共同創業者。

ビズ・ストーン

Twitterの共同創業者で元CEO。

ディック・コストロ

Twitterの元COO(最高執行責任者)、元CEO

2004年にRSSフィード「FeedBurner」を立ち上げ、2007年に同社をGoogleに売却して同社入りした人物。

フローリアン・ウェッバー

Florian Webber

Twitterの開発者。ジャック・ドーシーとノア・グラスと共にTwitterを開発した

ノア・グラス

ドーシーと共にTwitterを考案した人物。「Twitter」の名付け親同社を追放され、創業物語でもまず語られる事のない人物。

ウィリアムズの出資を受けポッドキャストサービスのOdeoを創業した人物。Twitterの開発を行っていたOdeoのCEO

マーク・ザッカーバーグ

Facebookの共同創業者。

2008年11月に当時CEOであったドーシーにTwitterの買収を持ちかけていた。

ブレッド・テイラー

イーロン・マスク買収時のTwitterの会長。

Facebookの「いいね!」ボタンの開発者であり、現在はOpenAIの会長を務めている(参考)。

リンダ・ヤッカリーノ

Twitter/XのCEO(2023年5月~2025年7月9日)。

同社初の女性CEO。前職はNBCユニバーサルの広告およびパートナーシップ担当会長。XのCEOを辞任した後は米ヘルスケア企業のeMed Population HealthのCEOに就任(参考)。

イーロン・マスクのX Holdingsに出資している株主とは?

(2024年8月22日)

Twitter/Xを所有するイーロン・マスク氏のX Holdingsに出資しているの株主についてワシントン・ポストが報じています

公開された情報によれば、X Holdingsに出資しているのは、a16z8VC、Binance、アル=ワリード・ビン・タラール王子、ジャック・ドーシー氏、ラリー・エリソン氏などがいるとのこと。

参考:a16z, Jack Dorsey, Sean Combs, and Binance are among the investors in Elon Musk’s X.(The Verge)

X/Twitterの「使われていないユーザー名をオークション形式で販売する計画」が具体化し始めている

追記:2025年10月19日、Xは使われていないユーザー名を販売する公式サービス「X Handle Marketplace」を開始した発表しました

(2025年4月4日)

Xは認証済み組織(プレミアムサブスクリプションサービスに登録している企業や政府機関)に向けて、ユーザー名(@から始まる文字列)をオークション形式で販売する計画があると報じられています

アプリ研究者のNima Owji氏によれば、オークションの開始価格は1万ドル(約146万円)からで、50万ドル(約7300万円)を超えることもあるとのことです。また、複数購入の場合は割引もあるとのこと

Xのプレミアムプラス料金、世界で値上げ 日本では約30%

(2024年12月24日)

Xは12月21日に、X Premiumの最上位プラン「プレミアムプラス」を月額2,590円(年額27,300円)に値上げしました。

スマホのアプリから加入する場合は、手数料が加算されるため、月額3,900円(年額39,000円)となります。

他のプランの料金に変更はありません

ちなみに、値上げ前の価格は月額1960円(年額20,560円)でした。

参考:Xのプレミアムプラス料金、世界で値上げ 日本では約30%(ITmedia NEWS)

余談:X Premiumは2025年2月17日に月額6,080円に値上げされました

Xの評価額が440億ドルに回復

(2025年3月19日)

投資家らは、ソーシャルメディア「X」を運営するX社の評価額を440億ドルと評価しています。

これは、2022年にイーロン・マスク氏が同社(当時はTwitter Inc.)を買収した際と同額です。

2024年9月には、同社の価値が100億ドル未満と判断されていましたが、急激な上昇となっています。

BloombergはXがマスク氏の参加を得て「ほぼ10億ドルの新たな株式資金」を調達したと報道しています。

参考:X bounces back to $44 billion.(The Verge)

イーロン・マスクのxAIがイーロン・マスクのXを約5兆円で買収

(2025年3月28日)

イーロン・マスク氏が率いるAIスタートアップのxAIが、同じくマスク氏が所有するSNSのX(旧Twitter)を330億ドル(約4兆9500億円)で株式交換を通じて買収しました。

マスク氏は、今回の買収について、「xAIの高度なAI機能と専門知識をXの巨大な影響力と融合させる」ものだとXで述べています。

元々、xAIが開発したAIチャットボットである「Grok」がSNSの「X」に搭載されたり、XのデータをGrokの学習ソースとりて利用したりなど、xAIとXは密接に関わってきましたが、今回の買収により両社の連携は一段と強化される事になるでしょう。

なお、この買収により、xAIの価値は800億ドル(約12兆円)、Xの価値は負債120億ドルを含め450億ドル(約6兆7500億円)になるとマスク氏はXで明かしています。

今後、XとxAIのすべての株式は、新会社「xAI Holdings Corp.」の株式と交換される予定です

この新会社は2025年3月27日にネバダ州で登記されており、マスク氏が社長を務めています。

xAI Holdings Corp.の企業価値は負債を除き1000億ドル(約15兆円)を超える規模となる見通しであるとBloombergは報じています

マスク氏は2022年に440億ドル(約6兆6000億円)でX(当時の名称はTwitter)を買収していました。

筆者の感想

以前からxAIの評価額より、Xの評価額の方が圧倒的に低かったので、私は冗談で「XってAI(Grok)が搭載されているSNSと言うより、SNSがおまけで付いてるAI(Grok)って感じだよね」「XよりもX上の一機能(Grok)の方が価値が上だ…」と思っていましたが、今回の買収はまさにそんな状況を示すものですね。

しかし、Xのスーパーアプリ化と経営が上手くいかない中で、XをGrokの学習ソース&普及のインフラとして活用し、xAIを育てて、最終的にxAIでXを買収するというのは本当にすごいですね。

転んでもただでは起きない根性と経営センスは、さすがイーロン・マスクって感じです。

今回の統合により、社内のリソースが統合・洗練され、xAIはますます飛躍していきそうですね。

イーロン・マスク氏としても、これまでは会社をまたいで指示しなければならなかった事が、これからは隣の部署に指示するだけで済むわけですから、大きな無駄の削減でしょう。

Twitterの名前が「X」になった。一番の改悪だ。

イーロン・マスク氏はTwitterを買収し、スーパーアプリ「X」に変更しようと改革を進めています。

その過程では、良い事もありましたが、一方で改悪も多くありました。

マスク氏による改悪の中でも最悪なのは、やはり「Twitter」という名前を「X」に変更したことだと思います。

長年親しまれ、認知されてきた名前を変更するのは大変なことです。

特に、「X」はアダルト(性的)なものを示す、スマホやパソコンなどにおいて「閉じる」「消す」を表す「×(バツ印)」と区別が付きづらい、検索する際に他の分野の「X」が引っかかるなど、ブランドとして確立させるには困難な要素を多く含んでいます。

Xはリブランディングの翌月に、広告代理店に新しいブランドガイドラインを送り、Xのロゴをどのように使うべきか、「ツイート」や「リツイート」の代わりにどのような用語を使うべきか(現在は「ポスト」や「リポスト」)などを説明しているようです。

しかし、ユーザーの言動をみるに、そうした努力は上手くいっていないのかもしれません。

変更直後はもちろんの事、変更から1年経っても、ユーザーはXのことをTwitterと呼んでいます

もちろん、ビジネス的にも確立させたブランドを捨て去ることは大きなデメリットがあります。

Bloombergは、この変更により最大で2兆8,000億円ものブランド価値が損なわれたと報じています。また、Twitter自身も、かつて青い鳥のロゴを「最も認知度の高い資産」と述べていました

短縮URLサービスを提供する「Rebrandly」のCEOである、カーラ・ブルク氏は「1つ確かなことは、人々はTwitterの鳥という友好的でオープンで共有されたコミュニケーションのシンボルが大好きだったということです。”X”ではそうした特徴が伝わるか分かりません。」と述べています

この記事を書いているちょうど前日(2025年3月10日)に、Xで障害が発生しましたが、その際も「Twitterに接続できない」などの声が多く上がっていました

まだまだ「X」のことを「Twitter」と呼ぶ方は多いようです。