Palantir(パランティア)の製品や関与したプロジェクトを紹介します。
Palantirの製品
Palantirの製品であるソフトウェアプラットフォームを紹介します。
Palantir Gotham
Palantir Gotham(パランティア・ゴッサム)は諜報機関、法執行機関、国土安全保障の顧客など、公共セクター向けの製品(ソフトウェアプラットフォーム)です。
公共データを統合、管理、保護、分析します。
Gothamを使えば、大量の「構造化」データ(スプレッドシートなど)と「非構造化」データ(画像や動画など)を1つの集中データベースにインポートし、すべての情報を1つのワークスペースで視覚化して分析する事ができます。
この実現には「ダイナミック・オントロジー」と呼ばれる技術手法を用いています。
10年以上にわたり、Gothamは世界中の防衛機関、情報機関、災害救援組織などの複雑なデータから、数々のインサイト (知見、洞察) を引き出しています。Gothamは膨大な量のニアリアルタイム データを結合、リッチ化して1つの統合ビューで提供します。これによって、複数ユーザーが共により信頼できる意思決定をより迅速に行うことが可能になります。
価格は不明ですが、米国のFDA(食品医薬品局)に犯罪集団を検知するためにGothamを、わずか2万8000ドルで提供したことが判明しています。
旧名称はPalantir Goverment(パランティア・ガバメント)。
Ghothamの利用者
- ペンタゴン(米国防省)
- CIA
- FBI
- NSA(米国家安全保障局)
- DIA(米国防情報局)
- フランス国内治安総局
Palantir Foundry
Palantir Foundry(パランティア・ファウンドリー)は、リスク対策及び業務効率化を目指す民間企業向けのソフトウェアプラットフォームです。
社内外のデータを統合、分析、的確な経営判断と事業成功を導出します。
Foundryの利用者
富士通は同社の社会課題解決に向けたグローバルソリューションである「Fujitsu Uvance」にPalantir Foundryを後述するPalantir AIPと組み合わせて提供しています。
Foundryには他にも以下の様な顧客がいます。
- エアバス
- フィアット・クライスラー
- サノフィ
- クレディ・スイス銀行
- フェラーリのF1チーム
Palantir Apollo
Palantir Apollo(パランティア・アポロ)は、独自のソフトウェア製品のあらゆる環境での継続的な展開、構成管理及び中央ソフトウェア運用管理を可能にするソフトウェアです。
Apolloは、開発者、オペレーター、セキュリティ チームの三者が連携してアプリケーションのデプロイとロールバックをスピーディに実行しながら、製品の品質、可用性、セキュリティを確保することを可能にするSaaSソリューションです。
Palantir AIP
Palantir AIPは、「Artificial Intelligence Platform(人工知能プラットフォーム)」の略で、セキュリティを確保した顧客のプライベートネットワークで、ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)や他のAI(人工知能)を安全に実行できるソフトウェア製品です。
Palantir AIPによって、お客様はPalantirが提供している機械学習(ML)テクノロジーのパワーを、大規模言語モデル(LLM)とともに、既存のPalantirプラットフォーム上で直接活用することができます。
例えば、ChatGPTのようなAIチャットボットを使用して、軍のオペレーターがドローン偵察を指示したり、複数の攻撃計画を作成したり、部隊の編成を構築したりといった事が可能です。
ただし、「人工知能プラットフォーム」という名前の通り、あくまでこの製品はAIを安全な環境で実行するためのプラットフォームであり、Palantirが戦争用のAIを開発・販売している訳ではありません。PalantirがYouTubeに公開した動画では、オープンソースのLLMが活用されています。
Palantirは「我が社のプラットフォームは合法的かつ倫理的な方法でAIを軍部に統合します」と語っています。
公式サイト:AIP | Palantir
AIPの利用者
富士通は同社の社会課題解決に向けたグローバルソリューションである「Fujitsu Uvance」にPalantir AIPをPalantir Foundryと組み合わせて提供しています。
また、ウクライナの地雷除去にも活用されています。
Palantir Metropolis
Palantir Metropolis(パランティア・メトロポリス)は、ウォール街の銀行やヘッジファンド向けの定量分析に特化したソフトウェアです。
Palantir FedStart
Palantir FedStartは、連邦政府にソフトウェアを導入することを検討している適格企業やスタートアップ企業向けのSaaS サービスです。
競合製品を提供する企業に米防衛テックのSecond Front(セカンドフロント)などがあります。
公式サイト:Palantir FedStart
特殊事例
以下はPalantirが政府機関などに向けて特別に開発・協力した製品・プロジェクトです。
XKEYSCORE Helper
インターネット上のあらゆるデータを盗聴できるNSAのスパイツール「Xkeyscore(エックスキースコア)」で収集したデータを、Palantirのソフトウェアにカンタンに取り込めるように開発されたソフトウェアが「XKEYSCORE Helper」です。
XKEYSCORE Helperを利用すると、NSAがXkeyscoreで収集したデータを簡単にPalantirの製品にインポートし、調査できます。
Skywise
Palantirがエアバスと共同開発したオープンデータプラットフォームです。
航空機が収集した膨大なデータを、整理・分析する事で、トラブルを予防します。
エアバスはSkywiseを導入し、機材の運用や整備を効率化し、航空機地上滞留(AOG)を大幅に削減しました。
Project Maven
Project Maven(プロジェクト・メイヴン)は、アメリカ国防総省が進めている、機械学習で戦場データを分析して標的をロックオンしたり、戦術を提案したりする軍用AIプロジェクトで、Palantirは主要なシステムの設計を担っています。
TITAN
TITAN(タクティカル・インテリジェンス・ターゲッティング・アクセス・ノード)は、Palantirが米陸軍向けに開発する地上局のプロトタイプです。
この地上局は、人工知能と機械学習を使って、宇宙、空中、地上のセンサーから得られた標的情報を迅速に処理します。
TITANは、ノースロップ・グラマン、アンドゥリル・インダストリーズ、L3ハリス・テクノロジーズ、シエラネバダ、ストラテジック・テクノロジー、ワールド・ワイド・テクノロジーのシステムおよび技術、ソフトウェアを統合したものだといいます。