Palantirは民主主義に基づき、中国共産党とビジネスはしないと断言している

Palantirが複数の国防企業と提携して開発した「TITAN」のプロモーションビデオには、最後に「To Defend the west」(西側を守るために)という宣言が表示されます。

これはPalantirの価値観が端的に示されています。つまり、Palantirは西洋的な民主主義を守るための組織であり、その目標に反する国家や組織とはビジネスをしないという事です。

2024年の年次報告書(FORM 10-K)のリスク要因セクションには以下のように記されています(原文は英語)。

我々は一般的に、欧米のリベラルな民主主義とその戦略的同盟国を支援するという使命と矛盾する立場や行動を持つ顧客や政府とはビジネスを行いません。

さらに、同社は中国共産党を名指しし、同党には協力しておらず、今後も協力しないと明記しています

当社の経営陣は、中国共産党との協力は、Palantirの企業文化や使命に反すると信じています。

我々は知的財産権の保護、プライバシーと市民的自由の尊重・擁護、データセキュリティの促進を目的として、中国共産党との販売機会を一切検討せず、中国国内でのプラットフォーム運営を行わず、中国国内における当社プラットフォームへのアクセス制限を設けています。

この巨大な潜在市場を回避する当社の決定は、成長見通しを制限し、事業、経営成績、財務状態に悪影響を及ぼす可能性があり、中国での事業展開を選択する既存または潜在的な競合他社との競争で優位に立てない可能性があります。

Palantirは民主主義的な文化に従い、潜在的な顧客である中国共産党および中国と仕事をしない為、中国共産党と仕事を行う競合他社に後れを取る可能性がある事を「事業のリスク」としてあげているという事です。

確かに中国共産党の価値観や中国の体制は、西洋的民主主義を尊重するアレックス・カープ氏や独特なテクノリバタリアンであるピーター・ティール氏といったPalantirの創業メンバーと相容れるものではありません。

彼らにとって、Palantirはビジネスを行う企業である以上に、民主主義や個人の権利といった西洋文明を守るための重要な”国防組織”なのでしょう。

Palantirの歴史

2003年、ピーター・ティール氏らがPayPalでクレジットカード詐欺に対処した経験から生まれたアイデアを元に創業

2008年、Palantirが初めて顧客と契約を結ぶ。なお、初の契約者はCIA。

2009年10月14日、イギリスで「Palantir Technologies UK, Ltd」を設立

2009年、ロサンゼルス警察を始めとする、各地の警察と契約を結ぶ

2010年、J.P.Morganと契約を結ぶ。契約が結ばれた最初の商業顧客となる。

2015年、イスラエルの商都テルアビブに事務所を開設

2016年9月26日、米国労働省の連邦契約遵守プログラム室が、Palantirはアジア人求職者を採用プロセスにおいて差別したと訴訟を起こす。Palantirは、同社が積極的にアジア人を受け入れており、それは労働市場の平均を上回っているというデータなどを示して反論し、2017年4月に訴訟は和解された

2017年6月20日、パリ航空ショー(Salon du Bourget)の会場で、エアバスと共同で開発した航空データプラットフォーム「Skywise」を発表する

2018年11月14日に「OKWAVE」を運営する株式会社オウケイウェイヴと仮想通貨業界向けのセキュリティソリューションの提供に関する戦略的業務提携契約を締結する

2019年11月18日にSOMPOホールディングスと共同でジョイントベンチャー「Palantir Technologies Japan」を設立したと発表する

2019年12月13日、米国防総省が陸軍のデータベース統合に関する1億1081万ドルの1年契約をPalantirと結んだと発表。システムは2023年12月完成の予定。

2020年

6月、SOMPOホールディングスが5億ドル(約500億円)をPalantirに出資する

6月に富士通がPalantir TechnologiesおよびPalantir Japanとパートナーシップ契約を締結する

6月10日、富士通がPalantirに5000万米ドル(約53億円)を出資したと発表した

2020年7月6日、SEC(米国証券取引委員会)にIPO申請書類を秘密裏に提出したことを発表する

8月25日、ニューヨーク証券取引所へIPOのための目論見書を提出する

2020年9月30日にニューヨーク証券取引所(NYSE)に直接上場する。ティッカーシンボルは「PLTR」。パランティア株は10ドルの初値を付けた後、9.50ドルに値下がりして取引を終えた。ブルームバーグ集計のデータによると、初日の取引終了時の時価総額は約157億ドル(約1兆6600億円)。

共同創業者であるピーター・ティール氏とアレックス・カープ氏が、上場後に合計4145万株を4億ドル(約423億円)以上で売却した

時価総額は2020年12月14日時点で511億ドル(約5兆3000億円)に上っている

2021年

2021年7月20日、新興企業や中小企業向けのイニシアチブである「Foundry for Builders」の立ち上げを発表する

2021年7月、EVスタートアップのFaraday Future(ファラデー・フューチャー)に2500万ドルを投資する

11月12日、Palantir Japanが記者会見を開き、神奈川県が同社のデータ分析製品「Palantir Foundry」を採用したと発表

2022年

12月9日、来日し、岸田首相らと面会

12月21日、Palantirがイギリス国防省と3年間で7500万ポンド(当時のレートで約120億円)をかけてPalantirのシステムをイギリス軍に導入する契約を結んだと発表しました

2023年

1月17日、CEOのカープがパランティア財団の設立を発表

2023年2月1日、SOMPOホールディングスとその関連会社にデータソフトウエアを提供する5000万ドル相当の5年契約を結んだと発表する

4月26日、プライベートネットワーク上でLLMなどのAIを実行する為のソフトウェア プラットフォーム「Palantir AIP」を発表した

5月7日、8日、元Google CEOのエリック・シュミット氏が設立した技術経済シンクタンク「Special Competitive Studies Project」が主催したカンファレンス「国家競争力のためのAI博覧会」のメインスポンサーを務める

10月、イスラエルのイスラム組織ハマスに対する報復攻撃でイスラエル軍を支援する

10月11日、米陸軍から2026年まで最大2億5000万ドル規模の契約を獲得したと発表する

10月15日、イスラエル支持を表明する新聞広告をニューヨーク・タイムズに出した。

11月2日、CEOのカープ氏が2023年第三四半期の決算を報告する書簡で、イスラエル支持を表明する。

当社は、揺るぎないイスラエルへの支持を表明する世界でも数少ない企業のひとつです。

Palantirはイスラエルを支持します。

出典:Letter to Shareholders | Q3 2023

11月26日、ニューヨーク証券取引所からナスダックへ市場移管

2023年12月5日、社会課題の解決とビジネス変革の加速に向け、富士通と戦略的なグローバルパートナーシップの発展に向けた契約を締結

2024年

1月2日、イスラエルがハマスとの戦争を約3カ月間継続している状況を受け、同国への連帯を示すため、「我々はイスラエルと共にある」とXに投稿し、新年最初の取締役会をテルアビブで開催すると発表した

2024年1月、カープ氏やティール氏がイスラエルのヘルツォグ大統領や国防省幹部らと相次いで会談。イスラエル軍と「戦争を支援するための技術を提供する」ことで合意する

2024年1月18日、日本でデジタル大臣等を務める河野太郎氏を招き、AIとデジタル変革に関する対話を行う

2024年3月4日、ウクライナ経済省とパートナーシップ契約を締結し、デジタルに主導された地雷除去アプローチを展開するとIRで発表しました

2024年3月6日、米陸軍から1億7840万ドルの契約(TITAN)を獲得する米国防総省によると、「完成予定日は2026年2月28日」とのこと。

2024年3月12日、創業者の一人であるピーター・ティール氏が、Palantirの株を700万株以上(約1億7,500万ドル相当)を売却した

2024年4月4日、世界中の企業や政府に安全なクラウドおよび AI ソリューションを提供する為、Oracleと提携したことを発表

8月8日、PalantirとMicrosoftが、最も高度で安全なクラウド、AI、アナリティクス機能を米国の国防機関や情報機関に提供するという重要な進展を発表しました。このパートナーシップにより、パランティアは自社製品群(Foundry、Gotham、Apollo、AIP)をMicrosoft Azure Governmentおよび機密レベルの高いAzure Government Secret(国防総省のImpact Level 6)とTop Secret環境に展開します

9月6日、S&P500種株価指数の構成銘柄にPalantirが採用されるとS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが発表した

9月23日、S&P500種株価指数の構成銘柄としての取引が開始された

9月24日から26日にかけて、ピーター・ティール氏が約1600万株のパランティア株を売却し、約6億ドル(約853億円)を入手したことが米証券取引委員会(SEC)への提出書類で分かった

11月7日、AI開発企業のAnthropicと共にAWSとの提携を発表。この提携によって、米国の情報機関および防衛機関はAWS上のAIP内でClaudeを運用する事が可能になる

2025年

2月6日、AIPでGrokが利用可能になる。

3月7日、TITANの最初の2台を米陸軍に納入したと発表

3月25日、NCIAがPalantirが開発を担った軍事AIシステム「Maven Smart System NATO(MSS NATO)」の取得を最終決定する

4月11日、トップクラスの成績を収めた高卒限定のインターンシップ「メリトクラシー・フェローシップ」を展開すると発表しました

4月14日にNATO(北大西洋条約機構)がPalantirとの契約合意を発表

5月5日、第1四半期決算説明会を開催。CEOのカープ氏は「Palantirは絶好調である」と述べる

10月28日、NVIDIAとの協業し、分析機能、リファレンス ワークフロー、自動化機能、カスタマイズ可能な専門的な AI エージェントを含む、運用型 AI 向けの初の統合テクノロジ スタックを構築し、複雑な企業や政府システムの高速化と最適化を図ると発表しました

11月4日、ドバイの投資会社であるドバイ・ホールディングとUAE(アラブ首長国連邦)で合弁会社「Aither」を設立したと発表。調印式は10月31日にドバイで行われました。Aitherはドバイの公共部門と民間部門全体でAIを活用した変革を推進します。

12月18日、科学的発見のためにAI活用を促進する米エネルギー省の「ジェネシス・ミッション」に参加する事を表明

12月23日、AIによる企業変革を推進するグローバル主要パートナーにアクセンチュアを選定。先進的なAIとデータソリューションの提供体制を強化し、顧客企業の価値創出と成長を支援するため、アクセンチュアと共に「アクセンチュア パランティア ビジネスグループ」を設立

Palantirはどこの会社?日本法人もある?

Palantirはアメリカ合衆国のコロラド州デンバーに本社を置くデータ分析企業です。

日本を始め、世界中に子会社やオフィスを立ち上げています。

関連記事:Palantirには日本法人がある!

Palantirのオフィス

Palantirは世界中にオフィスを構えています。

公式サイトで確認できるのは以下のオフィスです。

アメリカ合衆国

  • カリフォルニア州パロアルト
  • コロラド州デンバー(本社)
  • ワシントンD.C.
  • ニューヨーク州ニューヨーク
  • ワシントン州シアトル

北米

  • カナダ オタワ

ヨーロッパ

  • デンマーク コペンハーゲン
  • フランス パリ
  • ドイツ ミュンヘン
  • イタリア ローマ
  • オランダ アムステルダム
  • ノルウェー オスロ
  • ポーランド ワルシャワ
  • スペイン マドリード
  • スウェーデン ストックホルム
  • スイス チューリッヒ
  • イギリス ロンドン

中東

  • アラブ首長国連邦 アブダビ
  • イスラエル テルアビブ
  • カタール ドーハ

太平洋地域

  • オーストラリア キャンベラ
  • オーストラリア シドニー
  • 日本 東京
  • 韓国 ソウル

Palantirの子会社

Palantirには世界中に支部となる子会社を設立しています。

米国証券取引委員会の資料によると、下記法人が存在します(2023年2月21日時点)。

国・地域 法人名
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir USG, Inc.
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir GSC Inc.
スイス Palantir Technologies Geneva Sarl
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir Technologies Holdings LLC
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir International Inc.
イタリア Palantir Italia S.R.L.
シンガポール Palantir Technologies Singapore Pte. Ltd.
ニュージーランド Palantir Technologies New Zealand Limited
オーストラリア Palantir Technologies Australia PTY Ltd.
ドイツ Palantir Technologies GmbH
カナダ Palantir Technologies Canada Inc.
日本 Palantir Technologies Japan, G.K.
イスラエル Palantir Engineering Israel Ltd.
スウェーデン PTS Sweden AB
メキシコ Palantir Technologies Mexico S. de R.L. de C.V.
ブラジル Palantir Tecnologia Do Brasil LTDA
スイス Palantir Technologies Switzerland GmbH
香港 Palantir Technologies Hong Kong Limited
スペイン Palantir Technologies Spain SL
フランス Palantir Technologies France SAS
ポーランド Palantir Technologies Poland Sp. z o.o.
デンマーク Palantir Technologies Denmark ApS
ノルウェー Palantir Technologies Norway AS
イギリス Palantir Technologies U.K., Ltd.
インド Palantir Shakti Technologies Private Limited
台湾 Palantir Technologies Taiwan Limited
カタール Palantir Technologies QFC LLC
イギリス Palantir Technologies UK EAGLE, LTD.
オーストリア Palantir Technologies Austria GmbH
韓国 Palantir Technologies Korea LLC
リトアニア Palantir Technologies Lithuania, UAB

Project Mavenとは?

Project Maven(プロジェクト・メイヴン)とは、2017年にアメリカ国防総省が立ち上げた軍用AIプロジェクトです。

このプロジェクトは機械学習で戦場データを分析して標的をロックオンしたり、戦術を提案したりする軍用AIの開発プロジェクトで、Palantirは主要なシステムの設計を担っています

また、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoftなどの10社も貢献しているそうです。

当初はGoogleが受注していたプロジェクトでしたが、AIの戦争利用について、社内から倫理的な問題があると批判され、2018年に契約を終了しました。

PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏は2025年の第1四半期決算説明会で「我々はMavenの急速な拡大と、アメリカ国内外での非常に大きな需要を目の当たりにしている」と述べています

なお、カープ氏によると、Palantirが開発している「TITAN」は、Project Mavenの延長上にあるとのこと。

Maven Smart System

Project Mavenで開発されたのが「Maven Smart System」というAIシステムです。

このAIシステムは、収集した画像や動画などの膨大なデータを分析し、作戦を提案します。

このシステムはNATOにも提供されています

パランティアの「スカイワイズ」とは?

Palantir(パランティア)の「Skywise(スカイワイズ)」は、ヨーロッパの航空宇宙企業であるエアバスと共に開発した航空データプラットフォームです。

2017年6月20日にローンチされました。

スカイワイズは、機体の運航記録や部品交換の履歴などの整備記録、パイロットからのリポート、技術文書などを活用し、運航の信頼性や経年機の運航効率を向上。航空会社が機材の運航や整備を行う際、部品交換などの判断を手助けする情報を提供する。

出典:エアバス、ビッグデータ活用「スカイワイズ」 ピーチなど導入

エアバスはSkywiseを導入する事で、機材の運用や整備を効率化し、航空機地上滞留(AOG)を大幅に削減しました

パランティアを導入する日本の企業と行政

ピーター・ティール氏らが創業した世界的データ分析企業のPalantir(パランティア)。その製品は日本の企業や行政も導入しています。

この記事では、Palantirのソフトウェアを導入している著名な日本の企業や行政を紹介します。

日本企業

SOMPOホールディングス

SOMPOは2019年からPalantirの顧客となっており、保険・ヘルスケア業務でPalanitrのデータ管理・インテリジェンスソフトを利用しています。

2023年2月1日には、SOMPOとその関連会社にデータソフトウエアを提供する5000万ドル相当の5年契約を結んだとPalanitrが発表しています

なお、SOMPOホールディングスは2019年にPalantirと共同でジョイントベンチャー「Palantir Technologies Japan」を設立しています

富士通

富士通は2020年6月に、PalantirおよびPalantir Japan株式会社とパートナーシップ契約を締結し、日本市場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)分野の強化に向けて戦略的協業を行うことを発表しました

富士通とのパートナーシップは、日本市場に対するコミットメントを示したものであり、公的医療の危機や国を守ることを含め、あらゆる民間企業や政府機関に対して必要なソフトウェアを確実に提供していくことを意味している

アレックス・カープ(Palantir CEO)

富士通はPalantirのソフトウェアを活用し、社内のDXプロジェクトにおいて数億円規模の大きな効果を上げています。

2023年12月5日には、社会課題の解決とビジネス変革の加速に向け、PalantirおよびPalantir Japanと戦略的なグローバルパートナーシップの発展に向けた契約を締結しました

さらに、2025年8月19日には生成AI(人工知能)基盤に関するライセンス契約を締結し、Palantir AIPを富士通が国内外の顧客に販売していくと発表しました

都道府県

Palantirのソフトウェアは各都道府県も導入しています。

神奈川県

神奈川県はPalantir Foundryを使い、新型コロナウイルス対策に必要な各種データの統合・分析環境を整備し、予測モデルの開発を進めました。

ちなみに、神奈川県は国内の自治体で最初のFoundryユーザーとのこと。

石川県

2024年1月の能登半島地震により、62,000人以上の避難者が複数の県に散らばりました。

パランティリアン(Palantirのエンジニア)たちは、120,000人の地域住民を表す15の断片的なデータソースを統合した「Victim 360(被災者360)」を構築し、避難者の発見と支援を可能にしました。

また、このシステムは再利用が可能であり、数か月後に同県で洪水が発生した際は、同じシステムをわずか24時間で再展開しました。

Palantirの創業者と関係者

創業者を始めとするPalantir(パランティア)の関係者を紹介します。

創業者

Palantirの創業者はピーター・ティール氏を始め複数名います。

ピーター・ティール

Palantirの共同創業者兼投資家。同社の会長を務める。

参考:逆張りの投資家ピーター・ティールとは?

アレックス・カープ

Palantirの共同創業者兼投資家。同社のCEOを務める。

参考:アレックス・カープとは?

ジョー・ロンズデール

Palantirの共同創業者。

PayPalの財務インターンとしてキャリアをスタートし、クラリウム・キャピタル、フォーメーション8、8VCといったベンチャーキャピタルで働いている

参考:ジョー・ロンズデールとは?

ネイサン・ゲッティングス

Palantirの共同創業者。PayPalでエンジニアを努めていた。

従業員

現在、Palantirで働いている人物。

アカシュ・ジェイン

Palantirの米国政府事業担当社長

エリザベス・ワッツ

Palantirの社員。

Palantirで働くのは、「国家安全保障に関心を持ち、白黒はっきりした解決策はないことを理解している人です」「西側諸国の民主主義を守りたいと願う人です」と述べている

シャム・サンカー

PalantirのCTO

ジェイコブ・ヘルバーグ

2023年8月にPalantirに入社し、アレックス・カープCEOの上級政策顧問を務めている

マイク・ギャラガー

Palantirの防衛部門責任者

リサ・ゴードン

Palantirの広報担当

元従業員

かつてPalantirで働いていた従業員です。

ジェイソン・ポートノイ

ジェイソン・ポートノイ氏はPayPalの34番目の従業員で、財務部門に勤務していた人物です。

PayPalを退職後は、クラリウム・キャピタルとパランティアに勤務しました。

現在はベンチャーキャピタル企業オークハウス・パートナーズのパートナーです。

ニック・ヌーン

Palantirの元幹部。同社に在籍中は中東で米軍とともに数年間働き、シリアでISISのメンバーを特定するための情報データセットを使用していた。

現在は犯罪捜査のための検索エンジンを開発するPeregrine Technologies(ペレグリン・テクノロジー)を創業し、経営している。

コリン・アンダーソン

Palantirの元CFO

デイン・スタッキー

Palantirの元セキュリティ責任者で、現在はOpenAIで「安全なAGI(汎用人工知能)の開発を支援する」ために勤務している

トレイ・スティーブンス

Palantirの元従業員。現在はAnduril Industriesの会長を務めています

リンダ・シア

2022年から2024年までPalantirのエンジニアだった人物。在籍当時はPalantir Foundryを使って民間企業と仕事をしていた。

2025年、他12名の元社員と共に「Palantirがトランプ政権と協力し続けることで独裁主義の共犯になる危険を犯している」との公開書簡を発表した

フアン・セバスチアン・ピント

Palantirでコンテンツ・ストラテジストとして働き、リンダ・シア氏らと共に公開書簡に署名をした人物

パランティア財団

Palantir Foundation(パランティア財団)は、学術的および技術的研究、新興技術のサポート、政策の策定を通じて国家安全保障の推進に取り組む超党派の組織です。

データ分析企業であるPalantirによって設立された財団です。

正式名称は「The Palantir Foundation for Defense Policy & International Affairs」で、日本語に訳すと「防衛政策と国際問題のためのパランティア財団」となります。

公式サイト:The Palantir Foundation for Defense Policy & International Affairs

Palanitrにはピーター・ティール氏が深く関わっているのに対し、Palantir財団は特にティール氏との直接的な関係はみられません。

メンバー

会長:アレクサンダー・C・カープ

取締役会:デビッド・A・グレイザー、ライアン・D・テイラー、ニコラス・W・ザミスカ

歴史

2023年1月、Palantirの公式サイトで財団の設立が発表

The Republic

The Republicは、パランティア財団が発行する雑誌で、テクノロジー、国家安全保障政策、国際情勢に関する論評やエッセイを掲載しています。

公式サイト:The Republic

PalantirのTITANとは?

PalantirのTITANは、米陸軍向けに開発された人工知能(AI)と機械学習(ML)を活用した次世代移動式地上局です。

TITANはTactical Intelligence Targeting Access Node(訳:戦術情報ターゲティングアクセスノード)の略です。

見た目は軍用トラックですが、内部には折り畳み式のデスク、複数のスクリーン、サーバーを備えた作業スペースが設置されています。

この地上局は、宇宙、空中、地上の各種センサーから得られたデータを迅速に処理し、攻撃目標の自動認識や正確な位置特定を行います。

TITANは最先端のテクノロジーで敵を出し抜き、打ち負かすように設計されています。

Palantir

このシステムは、複雑な戦場環境においてリアルタイムのデータ分析とターゲティングを可能にすることを目的としています。

陸軍のエド・バーカー准将はTITANについて「陸軍内の情報近代化の取り組みにおける基礎要素の1つ」と述べています

なお、PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏によると、TITANはPalantirが受注しているアメリカ国防総省の軍用AIプロジェクト「Project Maven」の延長上にあるとのこと。

目的と機能

TITANは、軍事作戦における情報収集、分析、意思決定を迅速化するために設計されています。

衛星やドローンなど複数の情報源からデータを統合し、AIを活用して高精度なターゲティングと戦術的意思決定を支援します。これにより、戦場での状況認識を向上させ、迅速な対応を可能にします。

TITANの目標は様々なリアルタイムの情報源から得たセンサーデータを統合することで、兵士が敵を識別し、照準を定め、射撃しやすくすることです。

陸軍のクリス・アンダーソン大佐は「TITANは、戦場全体で情報を収集、処理、そして配信する方法に画期的な技術をもたらし、マルチドメイン作戦を支援する上で決定的な優位性をもたらしてくれます。」と声明で述べました

開発

TITANの開発には、以下のような企業が参加しています

Palantirは自社を含むこれら企業のシステム、ソフトウェア、ハードウェアを統合し、TITANの開発を主導しています。

なお、TITANの開発には、これら以外にも提携している企業があると考えられています。

種類

TITANのプロトタイプには以下の2種類があります

  • Basic(基本型):JLTV(汎用車両)に搭載される。直接的なダウンリンク機能を備えていない。
  • Advanced(派生型):M1083のような軍用トラックに完全な機能を搭載したモデル。宇宙配備センサーからデータを受信できる

歴史

2021年1月:Palantirが米陸軍と共同でTITANのプロトタイプ設計とデモンストレーションを行う契約を獲得。

2022年6月:PalantirがAI/MLを活用したTITANの競争的プロトタイプ開発に選ばれる。

2024年3月6日:Palantirが米陸軍から2年間1億7840万ドルの契約を受注したと発表。TITANのプロトタイプを5つの先進型と5つの基本型の合計10台を開発・納入する。

2025年3月7日、TITANの最初の2台を米陸軍に納入したと発表した

2025年5月:PalantirがTITANのソフトウェアが予定通り予算内で提供され、戦闘力の向上に寄与していると報告。

動画

TITANを映画の予告風に紹介する公式プロモーション映像です。

Palantirは「In theaters now.」という言葉と共にこの動画をXやYouTubeにポストしています。

「In theaters now.」は「現在劇場公開中」という意味ですが、「theater」という単語には「戦域」という意味もあります。

AIの軍事利用に厳しい目線が向けられる中で、映画の予告編のように軍事への貢献をアピールできるのはすごいですね。

動画のラストに「To Defend the west」(西側を守るために)と記されており、その意思が端的に示されています。

参考

Palantirが高卒限定インターンシップを展開し高等教育に懸念を表明

ピーター・ティール氏が創業したデータ分析企業のPalantirが、トップクラスの成績を収めた高卒限定のインターンシップを展開すると発表しました

このインターンシップは「メリトクラシー・フェローシップ」と呼ばれています。メリトクラシーとは実力主義・能力主義といった意味です。

Palantirは米国の大学教育に対して否定的な立場を取っており、この取り組みは単なる採用活動ではなく、大学教育に対する強い批判の意が込められています。

同社は採用ページで以下のように述べています。

多くのアメリカの大学では、不透明な入学基準が実力主義と優秀さを覆しています。その結果、優秀な学生が主観的で浅薄な基準に基づいて教育を受ける機会を奪われています。実力主義が欠如した大学は、過激主義と混沌の温床となっています。

Palantirは、大学入学制度の欠陥に対応するため、メリトクラシー・フェローシップ制度を創設しました。実力と学業成績のみに基づいて選考され、面接に招待されます。選考された応募者にはPalantirでのインターンシップの機会が提供されます。

メリトクラシー・フェローシップを無事に修了すると、Palantir在籍中に優秀な成績を収めたフェローには、Palantirでのフルタイム雇用のための面接を受ける機会が与えられます。

借金は不要。教化も不要。Palantirの学位を取得しましょう。

出典:Palantir Technologies – Meritocracy Fellowship

Palantirが米国の大学、特に大学入試制度に否定的な姿勢を取っている事が分かりますね。

同社のCEOであるアレックス・カープ氏も、「学校や大学で世界の仕組みについて学んだことはすべて、知的に間違っている」と高等教育の価値について強い疑念を表明しています。

また、同社の会長であるピーター・ティール氏はかねてより大学不要論を主張し、22歳以下の才能ある若者に大学進学ではなく起業を推奨する「Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)」を展開しています。

同社の取り組みは、DEI施策(入学試験における黒人への加点や女子学生限定の支援など)による実力主義の欠如や不公平な環境を批判するトランプ政権の意向にも合致していますね。

参考:Palantir Launches Anti-College Internship for High School Grads(Business Insider)