xAIがGrokのiPhoneアプリを米国でリリース

2025年2月6日追記:日本でもGrokのアプリの提供が開始されました。Android版も準備中です

(2025年1月10日)

イーロン・マスク氏が率いるxAIは、1月9日(現地時間)に同社のAIチャットボット「Grok」のiOSアプリを米国でリリースしました。これまで、GrokはSNSのX上でのみ利用可能でした。

米国だけでなく、オーストラリアやインドなど複数の国で提供を開始していますが、日本ではまだ提供されていません

xAIがベータ版と呼ぶこのチャットボットのスタンドアロンアプリは、リアルタイムの情報を処理し、質問に答え、画像を生成するなど、Xに組み込まれているものと同じ機能を実行することができます。

xAIは12月にいくつかの国でGrokのiOSアプリをテストしていました。Android版がいつリリースされるかについては何も発表されていません。

Grokは当初、XでX Premiumに加入しているユーザーのみが利用可能でしたが、先月から全てのユーザーがX上で利用できるようになりました。これにより、Grokは、OpenAIのChatGPT、AnthropicのClaude、GoogleのGemini、MicrosoftのCopilotなど、他の無料で使用できるチャットボットと同等になりました。

ウェブサイトも準備中

xAIはGrok専用のウェブサイト「Grok.com」も準備中です。

現在、アクセスすると「Coming Soon」のメッセージが表示されています。

参考:X launches Grok’s iPhone app in the US – The Verge

xAIがシリーズC資金調達ラウンドで60億ドルを調達

(2024年12月23日)

イーロン・マスク氏が率いるAI企業「xAI」は、12月23日にシリーズCラウンドで60億ドル(約9420億円)調達したと発表しました

この調達でxAIの評価額は400億ドル(約6兆2900億円)から500億ドル(約7兆8600億円)と見積もられています

今回のシリーズCラウンドには、Andreessen HorowitzやBlackRock、Sequoia Capital、Fidelity Management & Research Company、Kingdom Holdings、Lightspeed、MGX、Morgan Stanley、OIA、QIA、Sequoia Capital、Valor Equity Partners、Vy Capitalなどの資産運用会社に加え、戦略的投資家であるNVIDIAとAMDも参加しました。

xAIは今回の発表で、AIコンピューターColossusのサイズを2倍の20万個のNvidia Hopper GPUに拡大し、Grok、Aurora、その他の取り組みを強化するとも述べています。

参考:Series C funding round

xAIがもうすぐGrokの独自アプリを提供開始するという報道

(2024年11月28日)

イーロン・マスク氏が率いるxAIは、同社のチャットボット型AI「Grok」のアプリ版を12月中にリリースする予定であるとウォール・ストリート・ジャーナルが報じました

リリースされるアプリは、OpenAIのChatGPTに似たものになり、ユーザーはスマホ等からxAIのGrokにアクセスできるようになるとのことです。

現在、xAIのGrokは、X(Twitter)に搭載されており、同サービスのウェブサイトやアプリから利用する事ができます(ただし有料のX Premiumに課金しているユーザーのみです)。

xAIのライバルであるOpenAI(ChatGPT)やGoogle(Gemini)、Anthropic(Claude)は、すでにAIチャットボットのアプリ版を提供しており、xAIの動きはこれら企業に追従する動きです。

イーロン・マスク氏は、Xをあらゆる機能を備えた”なんでもアプリ”にする事を目標としており、GrokをX上で提供しているのも、”なんでもアプリ”のビジョンを追求しての事だと思いましたが、Xから独立したスタンドアロンアプリ(Grokの利用に特化したアプリ)を作るという事は、全ての機能を一つのアプリ(すなわちX)に収める計画ではないのかもしれません。

既にXより価値があるxAI

余談ですが、xAIの企業価値は既にX(元Twitter)の企業価値(約94億ドル)を圧倒的に上回っており、次の資金調達で500億ドル(約7兆5800億円)に達する可能性があるとのこと。

参考:xAI could soon have its own app – The Verge

イーロン・マスクがXのハンドルネーム「@America」を政治活動のためにユーザーから剥奪

イーロン・マスク氏は自身が立ち上げた政治行動委員会(PAC)である「America PAC」の公式アカウントとして利用するため、Xのハンドルネーム「@america」をユーザーから取得しました

このアカウントはマスク氏が10月5日のトランプ大統領の集会で演説したのと同じ日に開設されました

これまでハンドルネーム @America を所有していたユーザーには、代わりに @america123_12 が割り当てられています。

元の @America ユーザーは2020年以降、アカウントでポストをしておらず、数年にわたって非アクティブだったとみられています。

Xのポリシーでは、通常、著作権侵害やアカウントの非アクティブなどの問題が発生した場合に、同社がユーザー名を取得することが許可されています。

ちなみに、皮肉にも @America の元所有者は、イーロン・マスク氏とドナルド・トランプ氏に対して批判的なツイートをしており、2020年にはマスク氏を「反米的」と呼んでいます

なお、マスク氏がXのハンドルネームをはく奪するのは今回が初めてではなく、過去にも @X や @xAI などのハンドルネームを取得してきました

また、イーロン・マスク氏が買収する前のTwitter時代にも、 @CIA がTwitterの運営に取得されるといった事が起きています

しかし、今回の @america 取得は、これまでとは違う点があります。それは、マスク氏の政治活動の為に取得されたという事です。

マスク氏は2022年に「Twitterが国民の信頼を得るには、政治的に中立でなければならない」と述べていました

ですが、@america の取得はX社のビジネスや安全上の理由ではなく、自身の政治的な活動に利用するためであったことから、この行為には「マスク氏は個人的かつ党派的な政策を推進するためにXのリソースを利用している」といった不満の声があがっています

イーロン・マスクによるTwitterの買収とXへの改革

マスク氏によるTwitterの買収とXへの改革に関するニュースを時系列でまとめています。

2022年

4月にマスク氏はTwitterに対して普通株式1株につき54.2ドル(約7700円)での買収を提案、Twitter側が合意した事で、買収契約が締結される

7月に入り、マスク氏はTwitterのボットアカウントが同社の開示資料より多いとの疑惑を理由に、買収を取りやめることを発表

10月5日にマスク氏が「Twitterの買収でなんでもアプリ『X』の開発が加速する」とツイート。再び買収する方針を示す

2022年10月27日付で、起業家のイーロン・マスク氏によるTwitterの買収が完了。買収総額は440億ドル(当時のレートで約6兆4000億円)。

11月3日、自動車大手のフォルクスワーゲンがマスク氏によるTwitter買収を受け、Twitterへの広告出稿を一時停止しました。他、薬品大手のファイザーや米食品大手のゼネラル・ミルズ等も、同様の措置を取っています

11月4日、マスク氏がTwitterの従業員削減を開始。CEOであるパラグ・アグラワル氏など経営陣の3人を解雇し、同社の取締役会も解体。

11月5日、誰でも認証マーク(青いチェックマーク)が取得できる新しいTwitter BlueをiOS(iPhone)向けに提供開始。月額7.99ドルで、米国(アメリカ)、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国(イギリス)の5か国で展開しています

11月6日に、「Twitterは”明確な手続き”なしに凍結されたアカウントは解除しない」とイーロン・マスク氏がTwitterで述べました。凍結アカウント解除に関する明確なプロセス策定には少なくともあと数週間を要するとマスク氏は述べています

11月8日にTwitter Inc.が上場廃止

11月9日、イーロン・マスク氏は、政府機関や大手メディアのアカウントに「公式ラベル」を付ける仕組みの導入を撤回すると表明。マスク氏は撤回に関連して「今後数カ月にわたって多くのばかなことをやる。うまくいったものを残し、そうでないものは変えていく」と投稿した。

11月10日、サブスクリプションサービス「Twitter Blue」を一新し、認証バッジを取得できる新プランの提供を開始。日本は対象外。

11月12日、サブスク「Twitter Blue」の提供を一時停止しました。理由は加入者特典である認証バッジの悪用により、なりすましが急増したためです。

2022年11月19日にイーロン・マスク氏が自身のTwitterアカウント上で「トランプ前大統領を復活させる」というアンケートを実施。その結果、賛成が反対を僅かに上回ったため、マスク氏は凍結されていたドナルド・トランプ前大統領のTwitterアカウント(@realDonaldTrump)を11月20日頃に復活させた。

11月25日にマスク氏が「来週から恩赦を始めます」とツイートし、永久凍結アカウントの凍結解除を開始。11月29日時点で62,000のアカウントが復活

12月2日から新しい認証マークを導入するとイーロン・マスク氏がTwitterで明かす

色の違いはアカウント所有者の属性を表すとの事。

  • 金色:企業向け
  • 灰色:政府機関
  • 青色:個人向け(著名人か否かは問わない)

12月9日にマスク氏はTwitterの休眠アカウントを削除し、ユーザー名(@から始まる文字列)を解放する予定だと自身のTwitterアカウントで発表しましたマスク氏によれば、削除対象となるアカウントは何年もログインやポストが行われていないアカウントで、その数は15億との事です。

12月12日、提供を中止していたサブスク「Twitter Blue」の提供を再開

2023年

1月11日、Twitterのサブスクサービスである「Twitter Blue」が日本で提供開始料金は月額980円ウェブサイトから登録した場合)。

1月25日、案件ツイート等には「#ad」や「#sponsored」などの記載を義務付け

1月29日にポリシー違反によるアカウント凍結の基準を緩和。凍結解除の基準も併せて緩和しました

3月9日、マスク氏がネバダ州でX Corp.とその親会社で持株会社のX Holdings Corp.設立

3月15日、X Holdings IとX Holdings、Twitter Inc.とX Corp.が合併。4月4日時点で、Twitterの運営企業はX Corp.となっており、Twitterの運営会社であるTwitter Inc.は消滅しています

7月23日、Twitterを「X」にリブランディングするとイーロン・マスク氏がTwitterで発表。ドメインもいずれはTwitter.comからX.comに変わるとのこと。

7月24日、Twitterのロゴが「X」のロゴに変更される

7月26日、X公式アカウントのユーザー名が「@twitter」から「@X」に変更される

8月12日頃、XのiOSアプリにおいて、シェア用URLがtwitter.comではなくx.comに変更される。

8月16日頃、iOSアプリのバージョン10.2がリリース。アプリアイコンの背景が「傷がついたようなデザイン」に変更される

8月23日頃、メールアドレスのドメインがTwitter.comからX.comに変更される

8月24日、ドナルド・トランプ氏が凍結解除後初の投稿

8月25日、企業が求人情報を掲載できる新機能「X Hiring」が登場

8月30日、「X Premium(Twitter Blue)」の会員向けに「いいね」タブを非表示にできる機能を追加

9月13日頃、iOSアプリに続き、ブラウザ版においてもシェア用URLがtwitter.comではなくx.comに変更される。

9月22日、特定のユーザーに限定してツイートを公開する「サークル機能」が2023年10月31日に廃止することを発表

9月29日、プライバシーポリシーを更新し、Xが収集した情報や一般公開された情報を機械学習や人工知能モデルのトレーニングに使用することがあると明記。

10月5日、これまでXではリンク付き投稿をした場合、リンク先のメディア名や記事の見出しなどを自動表示していましたが、画像とドメイン名だけが表示される仕様に変更されるマスク氏曰く、見た目の美しさや、煽り立てるようなサムネイル画像や誇大なタイトルでクリックを招くような形式の投稿を減らすためとのこと。

11月17日、求人情報検索ツールである「X Job Search」を公開

2024年

2月27日、求人サービス「X Hiring」の求人件数が100万件を超えた発表

5月17日、URLがtwitter.comからx.comに変更される。

6月12日、今週中に「いいね」を非公開にすると、エンジニアリングチームの公式アカウントで発表した

6月13日、Xの「いいね」が非公開になる

6月22日、ライブストリーミング機能(配信)を有料サブスクリプションサービスであるXプレミアム限定の機能として提供する予定であると発表

7月9日、iOS(iPhone)とブラウザ版のブックマークに検索機能が搭載される

8月10日、ポストへのリプライ(返信)を並べ替え出来る機能が導入される

8月30日、ブラジル連邦最高裁のアレクサンドル・デ・モラエス判事は、Xがブラジルでの法定代理人を任命しなかった為、ブラジルでのXの運営の即時完全停止を命じたと発表した

11月11日、日本支社の社名を「Twitter Japan 株式会社」から「X Corp. Japan 株式会社」へ変更する

11月21日、iOSアプリに左右スワイプで「いいね」や「リポスト」できる機能を追加

2025年

2025年の主な改革、ニュースはこちら

イーロン・マスクによるTwitterの買収が完了

(2022年10月29日)

起業家のイーロン・マスク氏によるTwitterの買収が10月27日に完了しました

これにあわせマスク氏はTwitterで「the bird is freed(訳:その鳥は解放された)」とツイートし、プロフィールを「Cheif Twit(Twitterのトップ)」に変更しました

Twitterの買収総額は440億ドル(約6兆4000億円)ですが、多くのアナリストはこの価格について、ユーザー拡大に苦労するTwitterに対して過大だと評しています

もっとも、マスク氏もそれを自覚しており、あくまでマスク氏はTwitterに”とてつもない可能性”があると考えて買収したようです

当初マスク氏は「従業員の75%を解雇する」と宣言していましたが、買収に先立ちTwitter本社を訪問した際に「75%を解雇するつもりはない」と前言を撤回しています。

一方、上層部に関してはTwitterのスパムアカウント数について誤解を招く情報を提供したとして、直ちに解雇しました

同社の株式は、11月8日から上場廃止となります(追記:11月8日に予定通り上場廃止となりました)。

今後、マスク氏はTwitterをスーパーアプリ「X」に変える考えです。

xAIとは?Grokを開発するイーロン・マスクのAIスタートアップ

xAI(エックス・エーアイ)はイーロン・マスク氏が2023年3月9日に米国のネバダ州で設立したAIスタートアップ(新興企業)です。

同年7月12日に設立が正式発表されました

名前 xAI(エックス・エーアイ)
正式名称 X.AI Corp.
タイプ 非公開企業
公式サイト x.ai
公式X xAI(@xai)
設立日 2023年3月9日
創業者 イーロン・マスク
親会社 xAI Holdings

当初はマスク氏が他に運営するTeslaやX(Twitter)とは独立した会社でしたが、現在はSNS「X」を運営するX Corp.と共に持株会社xAI Holdingsの傘下となっており、xAIとXは密接に関係しています。

製品・サービス

xAIが開発・提供するサービスには以下のようなものがあります。

  • Grok
  • Grokipedia

xAIの歴史

2023年4月、ネバダ州で「X.AI Corp.」を設立したと報じられる

7月12日、イーロン・マスク氏は自身のXに「現実を理解するため、xAIの設立を発表します」と投稿し、xAIの設立を正式に発表しました。創業メンバーはマスク氏を含め12人で、Google DeepMind、OpenAI、Google Research、マイクロソフト・リサーチ、テスラ等での経歴を持つ人材が集まっている

また、マスク氏は2023年4月17日に公開されたFoxNewsのインタビューで、「TruthGPT」(トゥルースGPT)という「宇宙と自然を理解しようとするAI」を開発すると述べています

2023年11月4日に、独自の言語モデルである「Grok」を発表しました

2024年

2024年3月11日にGrokについて、マスク氏は「今週、オープンソース化します」と発言しました。その後、3月17日にGrokがオープンソース化されました。

2024年5月26日、シリーズB資金調達ラウンドで60億ドル(約9400億円)を調達したとブログで発表。主要投資家にValor Equity Partners、Vy Capital、Andreessen Horowitz、Sequoia Capital、Fidelity Management & Research Company、Prince Alwaleed Bin Talal、Kingdom Holdingなど。

6月5日、テネシー州メンフィスのGreater Memphis商工会議所が、xAIがメンフィスに“世界最大のスーパーコンピュータ”である「Gigafactory of Compute」を建設すると発表

9月2日、AI学習用のコンピュータークラスタ「Colossus」を稼働開始したとイーロン・マスク氏がXで発表

12月6日ごろからXの無料ユーザーにもGrokを提供開始

12月23日、xAIがシリーズC資金調達ラウンドで60億ドル(約9420億円)を調達しました。この資金調達ラウンドでは、通常の投資家以外にも、「戦略的投資家」であるNVIDIAとAMDが参加しています。

2025年

1月9日、米国など一部の国で、Grokのスタンドアローンアプリ提供開始

1月19日に、日本でもGrokの独立したアプリを公開

2月18日、「Grok 3」を発表

2月20日、「Grok 3」がXで利用できるようになったと発表

3月18日、テキストから動画を生成する高度な動画生成モデルを開発しているAIスタートアップ「Hotshot」を買収。この買収に関して、マスク氏は「クールなビデオAIが間もなく登場する!」とXにポストしました

3月29日、新たにxAI Holdingsが設立され、SNS「X」を運営するX Corp.と共に同社の傘下になる事が発表された。

4月17日、Grokにメモリ機能が搭載され、おすすめやアドバイスを求めると、パーソナライズされた回答が得られるようになる。

5月19日、MicrosoftのAzure AI FoundryでGrok 3の一般利用が可能になった。同日に開催されたイベント「Microsoft Build」で発表された。この動きについては5月2日にThe Vergeが報じていた

5月23日、マスク氏が率いるDOGE(政府効率化省)のメンバーが、Grokを利用して政府が保有する機密データの分析を行っている事が報じられる

6月5日、米テネシー州メンフィスのGreater Memphis商工会議所は、xAIがメンフィスに“世界最大のスーパーコンピュータ”である「Gigafactory of Compute」を建設すると発表

6月30日、100億ドル(約1兆4300億円)を調達したと公表。半分は社債の発行や借り入れ、もう半分は株式発行によるもの。

7月4日のアップデートで、Grokが反ユダヤ的な主張を行ったり、「メカ・ヒトラー」を自称して話題になる

7月9日、Grok 4を公開

8月19日、AIチャットアプリ「Grok」をアップデートし、「コンパニオンモード」のキャラクターに新衣装を追加した

10月27日、Grokを活用した独自の百科事典サービス「Grokipedia」を公開

11月17日、Grok 4.1公開

11月20日に新しいAIモデル「Grok 4.1 Fast」と開発者がAIエージェントを構築するための「Agent Tools API」を発表

12月18日、科学的発見のためにAI活用を促進する米エネルギー省の「ジェネシス・ミッション」に参加する事が発表される。

12月22日、xAIの人工知能システム(Grokファミリーのモデルを搭載)を米戦争省のAIプラットフォーム「GenAI.mil」に組み込む契約を発表

2026年

1月6日、シリーズE資金調達ラウンドで200億ドル(約3兆1400億円)の資金を確保したと発表