ピーター・ティールの国籍は?アメリカとニュージーランドの市民権を保持

PayPalの創業で知られる伝説的な起業家・投資家のピーター・ティール氏は、アメリカ合衆国とニュージーランドの2つの国籍(市民権、パスポート)を持っています。

さらに、出身国であるドイツの国籍を持っている可能性もある他、2022年にはマルタ共和国の国籍を申請したことが判明しました。

アメリカ合衆国

ピーター・ティール氏は少年時代にアメリカ国籍を取得しました

ニュージーランド

ピーター・ティール氏は2011年3月にニュージーランドの国籍を取得しています

ニュージーランド国籍を取得するには、通常5年間はニュージーランドに滞在する必要があります。

しかし、ティール氏は米国で活動しており、ニュージーランドはわずか4回しか訪れていません。その上、国籍取得後もニュージーランドに住む意思はありませんでした。

ですが、「例外的な状況」であれば通常の要件を免除できるというルールに基づき、当時の政府は起業家としてのスキルと慈善活動が同国にとって有益であるとの理由でティール氏の申請を受理し国籍を与えました

ティール氏は自身の投資会社であるValar Venturesを通してニュージーランドの会計ソフトを手掛ける企業・Xeroへ投資を行っている他、同国の光ケーブルの開発に資金を提供したり、地震救済基金に寄付を行っており、そうした活動が評価されたという事です。

国籍の授与はサンタモニカにあるニュージーランド領事館で行われた非公開の式典で行われました

ティール氏は2015年にニュージーランドの登録会社「Second Star」を通じて、約193ヘクタールの農地を購入しました

その後、ベッドルーム10室を備えた複合施設の建設を予定していましたが、環境保護活動家からの苦情を受けて、地元自治体に計画を却下されました

ティール氏は「国際的なビジネスチャンス、旅行、個人的な哲学的コミットメントや慈善活動を追求する中で、ニュージーランド以上に私の将来像に合致する国は他にないと断言できます」と述べています

ドイツ

ピーター・ティール氏はドイツ出身です。

その為、ドイツ国籍を生まれた時(1967年)から保有しています。

しかし、ピーター・ティール氏がドイツ国籍を保有しているという公式の情報は無いため、現在はドイツ国籍を放棄している可能性もあります。

マルタ(申請中)

ティール氏が地中海の島国であるマルタ共和国の国籍を申請したと、ニューヨーク・タイムズが2022年10月15日に報じました

ニューヨーク・タイムズによれば、ティール氏は2021年初頭にマルタ共和国の国籍取得を模索し始め、2021年後半には手続きがかなり進んでいるとの事です。

しかし、マルタ共和国は特に税制上のメリットなどは無く、ティール氏がマルタ共和国の国籍を欲している理由は不明です。

続報は無いので、2025年現在、マルタ国籍をティール氏が得たのか否かは不明です。

逆張りの投資家ピーター・ティールとは?

ピーター・ティール氏(Peter Thiel)は、ドイツ系アメリカ人IT系起業家、投資家、慈善家です。

主な実績にPayPal、PalantirFounders Fundの起業、FacebookやDropboxへの投資があります。

また、近年は政治活動家としても活動しており、ドナルド・トランプ氏等に政治献金等の後援をしています

関連記事

ピーター・ティールのプロフィール

名前 ピーター・アンドレアス・ティール
(英:Peter Andreas Thiel)
誕生 1967年10月11日
ジェンダー 男性
性的指向 同性愛(ゲイ)
職業
  • 起業家
  • 経営者
  • 投資家(ベンチャーキャピタリスト)
  • 慈善家
  • 政治活動家

他複数

実績
  • PayPalの共同創業
  • Facebook初の外部投資
  • Palantirの共同創業

他複数

家族
  • 子供1人
学歴
  • 哲学学士(スタンフォード大学)
  • 法務博士(スタンフォード大学)
出身地 西ドイツ フランクフルト・アム・マイン
拠点、居住地 アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス(自宅兼オフィス)
推定資産 109億ドル(2024年10月28日現在)
政治思想 リバタリアン
信仰 クリスチャン(キリスト教)
国籍

スタートアップ創業者必読の書「Zero to One: Notes on Start Ups, or How to Build the Future(邦題:ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか)」の著者でもあります

ティール氏はシリコンバレーを「一党独裁国家」と呼んだ後、2018年初めにサンフランシスコからロサンゼルスに移住しました

同氏が創業したファウンダーズ・ファンドのサイトには以下の様なプロフィールが掲載されています。

起業家、投資家。PayPalを共同設立し、CEOとして同社を率い、株式公開を果たした。また、取締役を務めるFacebookに初めて外部投資を行い、会長を務めるPalantir Technologiesを共同設立した。LinkedIn、Yelp、そして数十の新興企業に初期の資金を提供し、その多くは「PayPalマフィア」と呼ばれる元同僚が経営している。また、シリコンバレーのベンチャーキャピタルFounders Fundのパートナーであり、SpaceXやAirbnbなどの企業に出資している。若手起業家に資金を提供するティール・フェローシップを立ち上げ、技術進歩と長期的思考の促進に取り組むティール財団を率いている。

出典:Peter Thiel – Founders Fund

プライベート

ピーター・ティール氏は、敬虔なクリスチャンの家庭で育ちました。しかし、ティール氏は、両親がキリスト教福音派や共和党員だったことを否定しています

自宅

無能より邪悪であれ」によると、ピーター・ティール氏は全世界に12個以上の家を持っているといいます。

ティール氏が家を所有している場所には、以下のような場所があります。

日本を始め、米国外にも家があります。

  • 日本
  • ブラジル
  • ニュージーランド(南島

同性愛者

ピーター・ティール氏はゲイであり、Matt Danzeisen氏と同性婚しています。

2007年12月には、米ゴシップ系メディア・Gawkerにアウティング(無断でゲイだと暴露)されました

Gawker側は「友人や同僚の多くは彼がゲイであることを知っていた」としており、あくまで暴露ではなく広く知られた事実を述べたに過ぎないというスタンスです。

交友関係

PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏は学生時代からの友人。LinkedInの創業者であるリード・ホフマン氏友人である

OpenAIの創業者であるサム・アルトマン氏やFacebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏はメンティーティール氏の助言を受けて育った弟子的存在)です。

人類学者のルネ・ジラール氏は友人にして恩師である

参考:ピーター・ティールの交友関係

語学

西ドイツ出身であり、ドイツ語が堪能

学生時代

学生時代のティール氏は、1980年代の典型的なオタク(成績優秀な学生、チェスプレーヤー、SFマニア、同級生からいじめられていた)であった。

1985年にスタンフォード大学に入学してからは、スピード・チェスに興じ、アイン・ランドに出会い、同校のルネ・ジラール教授の研究に傾倒しています

1987年には、スタンフォード大学の独立系学生新聞である「スタンフォード・レビュー(The Stanford Review)」を創刊しました。

関連記事:スタンフォード・レビューとは?ピーター・ティールが創刊した学生新聞

アンチエイジング

ピーター・ティール氏は超富裕層の御多分に漏れず、長生きを望んでいるとアトランティック紙は報じています。そのため、日々の生活においても健康のために大変な努力をしています。

具体的には、以下のアンチエイジングに取り組んでいます

hGHについて、ティール氏は「筋肉量を維持するのに役立つので、骨の損傷や関節炎になる可能性が大幅に減ります。」と述べています

DeepMindを創業したデミス・ハサビス氏は、かつてサンフランシスコにあるティール氏の邸宅を訪れたところ、ティール氏はちょうど日課の運動をしていた後だったと述べています

不老不死

ピーター・ティール氏はアンチエイジングだけでなく、昔から不老不死に興味を持っており、「イデオロギー的な声明として」、後世での蘇生を期待して死後に肉体を冷凍保存する計画に登録している事も知られています

関連記事:ピーター・ティールは不老不死の研究に資金提供している!

趣味嗜好

ニュージーランドが好きで、同国の事を「ユートピア」と呼んでおり、2011年3月にはニュージーランド国籍を取得した。1,000万ドルの土地をワナカ湖付近に購入している

また、リバタリアンとして「肩をすくめるアトラス」を支持しています

参考:PayPalマフィアのドン、ピーター・ティールがおすすめする16冊

好きな映画は「スター・ウォーズ」とのこと

ロード・オブ・ザ・リング

ティール氏はSFとファンタジーが大好きで、特にJ・R・R・トールキンによる長編小説「指輪物語」(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作)の大ファンです。

ティール氏はこの本を10代のころから読んでおり、

起業したMithril Capital、Valar Ventures、Palantir Technologiesの名前は、同作品に登場する架空のアイテム名から採られています

スノウ・クラッシュ

ピーター・ティール氏は、PayPal が設立される前に週末を費やしてリード・ホフマン氏とSF小説「スノウ・クラッシュ」について議論していたとのこと

起業家

ピーター・ティール氏は伝説的な投資家(ベンチャーキャピタリスト)として知られていますが、自ら起業した会社やプロジェクトも多々あります。

中でも著名な企業にPayPal、Palantir、Founders Fundがあります。

関連記事:ピーター・ティールが設立した組織や企業

終了したプロジェクト

ティール氏が創業・支援したプロジェクトには、他にも以下のようなものがあります(すべて現在は終了しています)。

  • サンフランシスコのラウンジ・レストラン「フリッソン」
  • NASCARレースファン向けの雑誌「American Thunder
  • レスラーのハルク・ホーガンによるGawker Mediaに対する訴訟への援助
  • シンギュラリティ・サミットの開催

シーステディング研究所

2008年、ティール氏はGoogleのコンピュータープログラマーであるパトリ・フリードマン氏(ミルトン・フリードマンの孫)と共に、NPO団体「The Seasteading Institute(シーステディング研究所)」を共同創設しました

シーステディング研究所は海上都市の研究を行い、海上に人工島のネットワークをつくり、技術的にも法的にも財政的にも完結した“海の上の独立国家建国”を目指しています

2009年にティール氏は海上都市について 「サイバー空間と宇宙空間の狭間に、海に定住するという可能性が広がっているのです」と述べています

ティール氏は設立の為に50万ドル、その後さらに125万ドルを研究所に助成しました

しかし、ティール氏は、2011年に同研究所の役員を辞職しました。その理由について、2017年に「技術的観点から見てあまり実現可能性があるとはいえない」とニューヨーク・タイムズに答えています

投資

ティール氏は投資家としてLinkedIn、Yelp、Airbnb、Lyft、SpaceXなど、数十社の新興企業に初期投資を行いました。

投資先の多くは「PayPalマフィア」と呼ばれるPayPal時代の同僚が経営するものを始め、ベンチャー企業からAppleやMicrosoftといった大手企業まで様々です。

関連記事:ピーター・ティールの代表的な投資先

慈善活動

ティール氏は、自身の財団であるティール財団(Thiel Foundation)を通して2011年から若手起業家に資金を提供する投資プログラム「Thiel Fellowship(ティール・フェローシップ)」を運営しています

Ethereum(イーサリアム)を開発したヴィタリック・ブテリン氏は、Thiel Fellowshipによって支援を受けた人物です

また、ティール財団では、ルネ・ジラール氏の研究成果を通して世界の変革を目指す「Imitatio」というプロジェクトに取り組んでいます。

関連記事:ピーター・ティールとルネ・ジラール

執筆活動

ピーター・ティール氏はエッセイ等を発表しています。

独立個人

1997年に出版されたリバタリアンの間でカルト的人気を誇る本「The Sovereign Individual(直訳で「独立個人」)」の序文を執筆した

エデン主義に反対

ティール氏は2015年にカトリックの雑誌「ファースト・シングス」に「Against Edenism(直訳で「エデン主義に反対」)」というエッセイを発表しました

このエッセイはヨハネの黙示録の一節で始まり、天然資源の枯渇を示唆し、テクノロジーの加速化の必要性を説く終末論的な議論で締めくくられています。

「科学とテクノロジーは、神が今日、この地球上に天国を建設するために私たちを通して働くという終末論的な枠組みにとって自然な同盟者であり、天国は将来の現実であると同時に、現在部分的に達成可能なものである」とティールは書いています。

シュトラウス的瞬間

ティール氏は2004年にThe Straussian Moment(直訳で「シュトラウス的瞬間」)と題するエッセイを発表しました。

このエッセイはオリジナルが入手困難となっており、もっぱらEvernoteにアップロードされたコピーのPDFが”オリジナルの代わり”として流通しています。

The Straussian Moment

ゼロ・トゥ・ワン

ティール氏はビジネス書「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」をブレイク・マスターズ氏と共著で出版しました。

関連記事:ピーター・ティールの本「Zero to One」とは?

関連リンク

参考