英語では敬称が性別によって変わります。男性は「Mr」、女性は「Ms」「Miss(未婚女性)」「Mrs(既婚女性)」です。
ですが、実は相手が男性・女性に当てはまらない際に使える敬称「Mx」も存在します。
Mxはミックス(mix)またはムックス(mux)のように発音します。
Mxとは?
Mxはジェンダーニュートラル(性別に囚われない)敬称です。
MrやMsと同様、相手の姓や名の前に付けて使用します。
例:Mx Yamada
Mxは相手の性別を特定せずに使える敬称で、主にセクシャルマイノリティなど性別を特定できない方や性別を明らかにしない(したくない)人に対して使用されます。
イギリスでは公的書類にも登場するMx
セクシャルマイノリティへの配慮と聞くと「最近作られたのかな?」と思う方もいるかもしれませんが、初出は1977年で、1985年から使用されるようになった敬称です。
Mxはまだあまり一般的ではありませんが、イギリスでは政府や企業も使用しており、運転免許証や銀行の書類など、様々な公的書類で使われることが多くなっています。近年は辞書にも掲載されています。
例えば、イギリスにある世界有数の名門大学・オックスフォード大学の出版社「Oxford University Press」がネット上で無料公開している辞書「Lexico.com」にも「Mx」の項目があります。
参考:MX | Meaning & Definition for UK English | Lexico.com
ピリオドは付けるべきか?
Mxは「Mr」や「Ms」と同様、アメリカ英語ではピリオドを付ける場合があります。
イギリス英語では付けません。
- アメリカ英語:Mx.
- イギリス英語:Mx
まとめ
筆者は以前、「アメリカのセクシャルマイノリティは性別を問わない日本の敬称『~さん』を羨ましがっている」と言う噂を聞いたことがあります。
確かに、既存の性別に当てはまらない(わかりにくい)セクシャルマイノリティの方からすれば、「~さん」は性別関係なく使えるので嬉しいですよね。
ちなみに、筆者はドラァグクイーン(女装パフォーマー)への敬称として「Mx」を使用しているメディアを見たことがあります。
個人的には、セクシャルマイノリティに限らず使用されるようになったら、手紙やメールでも相手の性別について気にする必要が無くなるので便利で良いなと思っています。