Palantirが複数の国防企業と提携して開発した「TITAN」のプロモーションビデオには、最後に「To Defend the west」(西側を守るために)という宣言が表示されます。
これはPalantirの価値観が端的に示されています。つまり、Palantirは西洋的な民主主義を守るための組織であり、その目標に反する国家や組織とはビジネスをしないという事です。
2024年の年次報告書(FORM 10-K)のリスク要因セクションには以下のように記されています(原文は英語)。
我々は一般的に、欧米のリベラルな民主主義とその戦略的同盟国を支援するという使命と矛盾する立場や行動を持つ顧客や政府とはビジネスを行いません。
さらに、同社は中国共産党を名指しし、同党には協力しておらず、今後も協力しないと明記しています。
当社の経営陣は、中国共産党との協力は、Palantirの企業文化や使命に反すると信じています。
我々は知的財産権の保護、プライバシーと市民的自由の尊重・擁護、データセキュリティの促進を目的として、中国共産党との販売機会を一切検討せず、中国国内でのプラットフォーム運営を行わず、中国国内における当社プラットフォームへのアクセス制限を設けています。
この巨大な潜在市場を回避する当社の決定は、成長見通しを制限し、事業、経営成績、財務状態に悪影響を及ぼす可能性があり、中国での事業展開を選択する既存または潜在的な競合他社との競争で優位に立てない可能性があります。
Palantirは民主主義的な文化に従い、潜在的な顧客である中国共産党および中国と仕事をしない為、中国共産党と仕事を行う競合他社に後れを取る可能性がある事を「事業のリスク」としてあげているという事です。
確かに中国共産党の価値観や中国の体制は、西洋的民主主義を尊重するアレックス・カープ氏や独特なテクノリバタリアンであるピーター・ティール氏といったPalantirの創業メンバーと相容れるものではありません。
彼らにとって、Palantirはビジネスを行う企業である以上に、民主主義や個人の権利といった西洋文明を守るための重要な”国防組織”なのでしょう。
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