Palantirの歴史

2003年、ピーター・ティール氏らがPayPalでクレジットカード詐欺に対処した経験から生まれたアイデアを元に創業

2008年、Palantirが初めて顧客と契約を結ぶ。なお、初の契約者はCIA。

2009年10月14日、イギリスで「Palantir Technologies UK, Ltd」を設立

2009年、ロサンゼルス警察を始めとする、各地の警察と契約を結ぶ

2010年、J.P.Morganと契約を結ぶ。契約が結ばれた最初の商業顧客となる。

2015年、イスラエルの商都テルアビブに事務所を開設

2016年9月26日、米国労働省の連邦契約遵守プログラム室が、Palantirはアジア人求職者を採用プロセスにおいて差別したと訴訟を起こす。Palantirは、同社が積極的にアジア人を受け入れており、それは労働市場の平均を上回っているというデータなどを示して反論し、2017年4月に訴訟は和解された

2017年6月20日、パリ航空ショー(Salon du Bourget)の会場で、エアバスと共同で開発した航空データプラットフォーム「Skywise」を発表する

2018年11月14日に「OKWAVE」を運営する株式会社オウケイウェイヴと仮想通貨業界向けのセキュリティソリューションの提供に関する戦略的業務提携契約を締結する

2019年11月18日にSOMPOホールディングスと共同でジョイントベンチャー「Palantir Technologies Japan」を設立したと発表する

2019年12月13日、米国防総省が陸軍のデータベース統合に関する1億1081万ドルの1年契約をPalantirと結んだと発表。システムは2023年12月完成の予定。

2020年

6月、SOMPOホールディングスが5億ドル(約500億円)をPalantirに出資する

6月に富士通がPalantir TechnologiesおよびPalantir Japanとパートナーシップ契約を締結する

6月10日、富士通がPalantirに5000万米ドル(約53億円)を出資したと発表した

2020年7月6日、SEC(米国証券取引委員会)にIPO申請書類を秘密裏に提出したことを発表する

8月25日、ニューヨーク証券取引所へIPOのための目論見書を提出する

2020年9月30日にニューヨーク証券取引所(NYSE)に直接上場する。ティッカーシンボルは「PLTR」。パランティア株は10ドルの初値を付けた後、9.50ドルに値下がりして取引を終えた。ブルームバーグ集計のデータによると、初日の取引終了時の時価総額は約157億ドル(約1兆6600億円)。

共同創業者であるピーター・ティール氏とアレックス・カープ氏が、上場後に合計4145万株を4億ドル(約423億円)以上で売却した

時価総額は2020年12月14日時点で511億ドル(約5兆3000億円)に上っている

2021年

2021年7月20日、新興企業や中小企業向けのイニシアチブである「Foundry for Builders」の立ち上げを発表する

2021年7月、EVスタートアップのFaraday Future(ファラデー・フューチャー)に2500万ドルを投資する

11月12日、Palantir Japanが記者会見を開き、神奈川県が同社のデータ分析製品「Palantir Foundry」を採用したと発表

2022年

12月9日、来日し、岸田首相らと面会

12月21日、Palantirがイギリス国防省と3年間で7500万ポンド(当時のレートで約120億円)をかけてPalantirのシステムをイギリス軍に導入する契約を結んだと発表しました

2023年

1月17日、CEOのカープがパランティア財団の設立を発表

2023年2月1日、SOMPOホールディングスとその関連会社にデータソフトウエアを提供する5000万ドル相当の5年契約を結んだと発表する

4月26日、プライベートネットワーク上でLLMなどのAIを実行する為のソフトウェア プラットフォーム「Palantir AIP」を発表した

5月7日、8日、元Google CEOのエリック・シュミット氏が設立した技術経済シンクタンク「Special Competitive Studies Project」が主催したカンファレンス「国家競争力のためのAI博覧会」のメインスポンサーを務める

10月、イスラエルのイスラム組織ハマスに対する報復攻撃でイスラエル軍を支援する

10月11日、米陸軍から2026年まで最大2億5000万ドル規模の契約を獲得したと発表する

10月15日、イスラエル支持を表明する新聞広告をニューヨーク・タイムズに出した。

11月2日、CEOのカープ氏が2023年第三四半期の決算を報告する書簡で、イスラエル支持を表明する。

当社は、揺るぎないイスラエルへの支持を表明する世界でも数少ない企業のひとつです。

Palantirはイスラエルを支持します。

出典:Letter to Shareholders | Q3 2023

11月26日、ニューヨーク証券取引所からナスダックへ市場移管

2023年12月5日、社会課題の解決とビジネス変革の加速に向け、富士通と戦略的なグローバルパートナーシップの発展に向けた契約を締結

2024年

1月2日、イスラエルがハマスとの戦争を約3カ月間継続している状況を受け、同国への連帯を示すため、「我々はイスラエルと共にある」とXに投稿し、新年最初の取締役会をテルアビブで開催すると発表した

2024年1月、カープ氏やティール氏がイスラエルのヘルツォグ大統領や国防省幹部らと相次いで会談。イスラエル軍と「戦争を支援するための技術を提供する」ことで合意する

2024年1月18日、日本でデジタル大臣等を務める河野太郎氏を招き、AIとデジタル変革に関する対話を行う

2024年3月4日、ウクライナ経済省とパートナーシップ契約を締結し、デジタルに主導された地雷除去アプローチを展開するとIRで発表しました

2024年3月6日、米陸軍から1億7840万ドルの契約(TITAN)を獲得する米国防総省によると、「完成予定日は2026年2月28日」とのこと。

2024年3月12日、創業者の一人であるピーター・ティール氏が、Palantirの株を700万株以上(約1億7,500万ドル相当)を売却した

2024年4月4日、世界中の企業や政府に安全なクラウドおよび AI ソリューションを提供する為、Oracleと提携したことを発表

9月6日、S&P500種株価指数の構成銘柄にPalantirが採用されるとS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが発表した

9月23日、S&P500種株価指数の構成銘柄としての取引が開始された

9月24日から26日にかけて、ピーター・ティール氏が約1600万株のパランティア株を売却し、約6億ドル(約853億円)を入手したことが米証券取引委員会(SEC)への提出書類で分かった

11月7日、AI開発企業のAnthropicと共にAWSとの提携を発表。この提携によって、米国の情報機関および防衛機関はAWS上のAIP内でClaudeを運用する事が可能になる

2025年

2月6日、AIPでGrokが利用可能になる。

3月7日、TITANの最初の2台を米陸軍に納入したと発表

3月25日、NCIAがPalantirが開発を担った軍事AIシステム「Maven Smart System NATO(MSS NATO)」の取得を最終決定する

4月11日、トップクラスの成績を収めた高卒限定のインターンシップ「メリトクラシー・フェローシップ」を展開すると発表しました

4月14日にNATO(北大西洋条約機構)がPalantirとの契約合意を発表

5月5日、第1四半期決算説明会を開催。CEOのカープ氏は「Palantirは絶好調である」と述べる

10月28日、NVIDIAとの協業し、分析機能、リファレンス ワークフロー、自動化機能、カスタマイズ可能な専門的な AI エージェントを含む、運用型 AI 向けの初の統合テクノロジ スタックを構築し、複雑な企業や政府システムの高速化と最適化を図ると発表しました

11月4日、ドバイの投資会社であるドバイ・ホールディングとUAE(アラブ首長国連邦)で合弁会社「Aither」を設立したと発表。調印式は10月31日にドバイで行われました。Aitherはドバイの公共部門と民間部門全体でAIを活用した変革を推進します。

Xがアカウントの所在地を表示開始

筆者の感想

プライバシーを軽視する酷いアップデートですね。
現状、精度が低く、また表示されるのも国名なので多くの人にとっては大事にならないでしょうが、反政府活動家やジャーナリストにとっては国名を表示するだけでも安心できない仕様でしょう。

日本のようになんでも発言できる国ばかりでは無いですからね…

また、所在地が短期間で変更されるようになった場合には、旅行や出張で海外に行くタイミングもバレてしまうので、プライバシーや防犯の面で懸念があります。日本人の居場所が海外になっていたら、家を留守にしているとバレるわけですからね。

個人的には、信頼性を上げたい人だけが表示できる機能にして、デフォルトではオフにしてほしいですね。

Palantirはどこの会社?日本法人もある?

Palantirはアメリカ合衆国のコロラド州デンバーに本社を置くデータ分析企業です。

日本を始め、世界中に子会社やオフィスを立ち上げています。

関連記事:Palantirには日本法人がある!

Palantirのオフィス

Palantirは世界中にオフィスを構えています。

公式サイトで確認できるのは以下のオフィスです。

アメリカ合衆国

  • カリフォルニア州パロアルト
  • コロラド州デンバー(本社)
  • ワシントンD.C.
  • ニューヨーク州ニューヨーク
  • ワシントン州シアトル

北米

  • カナダ オタワ

ヨーロッパ

  • デンマーク コペンハーゲン
  • フランス パリ
  • ドイツ ミュンヘン
  • イタリア ローマ
  • オランダ アムステルダム
  • ノルウェー オスロ
  • ポーランド ワルシャワ
  • スペイン マドリード
  • スウェーデン ストックホルム
  • スイス チューリッヒ
  • イギリス ロンドン

中東

  • アラブ首長国連邦 アブダビ
  • イスラエル テルアビブ
  • カタール ドーハ

太平洋地域

  • オーストラリア キャンベラ
  • オーストラリア シドニー
  • 日本 東京
  • 韓国 ソウル

Palantirの子会社

Palantirには世界中に支部となる子会社を設立しています。

米国証券取引委員会の資料によると、下記法人が存在します(2023年2月21日時点)。

国・地域 法人名
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir USG, Inc.
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir GSC Inc.
スイス Palantir Technologies Geneva Sarl
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir Technologies Holdings LLC
アメリカ合衆国デラウェア州 Palantir International Inc.
イタリア Palantir Italia S.R.L.
シンガポール Palantir Technologies Singapore Pte. Ltd.
ニュージーランド Palantir Technologies New Zealand Limited
オーストラリア Palantir Technologies Australia PTY Ltd.
ドイツ Palantir Technologies GmbH
カナダ Palantir Technologies Canada Inc.
日本 Palantir Technologies Japan, G.K.
イスラエル Palantir Engineering Israel Ltd.
スウェーデン PTS Sweden AB
メキシコ Palantir Technologies Mexico S. de R.L. de C.V.
ブラジル Palantir Tecnologia Do Brasil LTDA
スイス Palantir Technologies Switzerland GmbH
香港 Palantir Technologies Hong Kong Limited
スペイン Palantir Technologies Spain SL
フランス Palantir Technologies France SAS
ポーランド Palantir Technologies Poland Sp. z o.o.
デンマーク Palantir Technologies Denmark ApS
ノルウェー Palantir Technologies Norway AS
イギリス Palantir Technologies U.K., Ltd.
インド Palantir Shakti Technologies Private Limited
台湾 Palantir Technologies Taiwan Limited
カタール Palantir Technologies QFC LLC
イギリス Palantir Technologies UK EAGLE, LTD.
オーストリア Palantir Technologies Austria GmbH
韓国 Palantir Technologies Korea LLC
リトアニア Palantir Technologies Lithuania, UAB

Project Mavenとは?

Project Maven(プロジェクト・メイヴン)とは、2017年にアメリカ国防総省が立ち上げた軍用AIプロジェクトです。

このプロジェクトは機械学習で戦場データを分析して標的をロックオンしたり、戦術を提案したりする軍用AIの開発プロジェクトで、Palantirは主要なシステムの設計を担っています

また、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoftなどの10社も貢献しているそうです。

当初はGoogleが受注していたプロジェクトでしたが、AIの戦争利用について、社内から倫理的な問題があると批判され、2018年に契約を終了しました。

PalantirのCEOであるアレックス・カープ氏は2025年の第1四半期決算説明会で「我々はMavenの急速な拡大と、アメリカ国内外での非常に大きな需要を目の当たりにしている」と述べています

なお、カープ氏によると、Palantirが開発している「TITAN」は、Project Mavenの延長上にあるとのこと。

Maven Smart System

Project Mavenで開発されたのが「Maven Smart System」というAIシステムです。

このAIシステムは、収集した画像や動画などの膨大なデータを分析し、作戦を提案します。

このシステムはNATOにも提供されています

xAIのGrokに美少女キャラと会話できるコンパニオンモードが登場!

(2025年7月16日)

イーロン・マスク氏、以前デスノートのミサミサに”いいね”していたけど、こんな感じの女性が好みなのかな。

「もう政治には手を出すな。お前は趣味全開で企画とか開発に専念してろ」って言われるの、シャア・アズナブルとイーロン・マスクが筆頭→「マスクだけに」「逆襲のイーロン来るか」 – Togetter

後日追加された衣装チェンジ機能。

X/Twitterに関するニュース(2025年)

1月28日、新たな決済サービス「X Money」を開始すると同社のCEOであるリンダ・ヤッカリーノ氏がXで発表しました

3月28日、xAIがXを買収する

4月30日、X Premiumのユーザーに向けて4K動画の投稿を一部開放

6月1日までにXChatを提供開始

7月5日、Xがポストの翻訳機能をGoogle翻訳からGrokによる翻訳に移行開始。この時点で全ての英語ユーザーが利用可能

7月9日、リンダ・ヤッカリーノCEOが辞任を表明

7月16日、xAIのGrokに美少女キャラと会話できるコンパニオンモードが登場!

7月17日、Grokの翻訳機能をXの日本語ユーザーに向けて提供開始

8月13日、Grokによるポストの自動翻訳機能を米国の全ユーザーにリリース

10月20日、使われていないユーザー名を販売する「X Handle Marketplace」を開始

10月25日、Grokの新しいAIコンパニオン「Mika」が登場!ユーザーIDは「@M」です。

同日、旧ドメイン(Twitter.com)の完全廃止に伴い、セキュリティキーの再登録を行うようアナウンス

11月11日、個人アカウントが投稿した前月の人気ポストを公認し、そのアカウントに1カ月間、専用バッジを付ける「Certified Bangers」の試験運用を開始

11月14日、新たなメッセージ機能「Chat」の正式提供を開始

11月22日、ユーザーのプロフィールに位置情報やアカウントの作成年月などを表示する「このアカウントについて」機能のグローバル展開を開始

CIAのベンチャーキャピタル「In-Q-Tel」とは?

In-Q-Tel(インキューテル)はアメリカ合衆国のCIA(中央情報局)が運営するベンチャーキャピタル(独立系非営利戦略投資会社)です。

正式名称は「In-Q-Tel, Inc.」で、通称は「IQT」です。

公式サイト:IQT

1998年に構想され、1999年に設立された同社は、2025年に800件目の投資を完了しました。

IQTは主にデータ分析をおこなう企業やバイオテック、エレクトロニクスなど幅広い業種に投資を行っています。同社のポートフォリオはこちら

著名な投資

Google Earthの元となる技術を開発していた「Keyhole」や世界的なデータ分析企業「Palantir」、AIやドローンを活用した防衛システムを開発している「Anduril」などに投資を行っています

参考:スパイ技術を開発するベンチャー企業にCIAが「投資」します | 現代ビジネス

パランティアの「スカイワイズ」とは?

Palantir(パランティア)の「Skywise(スカイワイズ)」は、ヨーロッパの航空宇宙企業であるエアバスと共に開発した航空データプラットフォームです。

2017年6月20日にローンチされました。

スカイワイズは、機体の運航記録や部品交換の履歴などの整備記録、パイロットからのリポート、技術文書などを活用し、運航の信頼性や経年機の運航効率を向上。航空会社が機材の運航や整備を行う際、部品交換などの判断を手助けする情報を提供する。

出典:エアバス、ビッグデータ活用「スカイワイズ」 ピーチなど導入

エアバスはSkywiseを導入する事で、機材の運用や整備を効率化し、航空機地上滞留(AOG)を大幅に削減しました

パランティアを導入する日本の企業と行政

ピーター・ティール氏らが創業した世界的データ分析企業のPalantir(パランティア)。その製品は日本の企業や行政も導入しています。

この記事では、Palantirのソフトウェアを導入している著名な日本の企業や行政を紹介します。

日本企業

SOMPOホールディングス

SOMPOは2019年からPalantirの顧客となっており、保険・ヘルスケア業務でPalanitrのデータ管理・インテリジェンスソフトを利用しています。

2023年2月1日には、SOMPOとその関連会社にデータソフトウエアを提供する5000万ドル相当の5年契約を結んだとPalanitrが発表しています

なお、SOMPOホールディングスは2019年にPalantirと共同でジョイントベンチャー「Palantir Technologies Japan」を設立しています

富士通

富士通は2020年6月に、PalantirおよびPalantir Japan株式会社とパートナーシップ契約を締結し、日本市場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)分野の強化に向けて戦略的協業を行うことを発表しました

富士通とのパートナーシップは、日本市場に対するコミットメントを示したものであり、公的医療の危機や国を守ることを含め、あらゆる民間企業や政府機関に対して必要なソフトウェアを確実に提供していくことを意味している

アレックス・カープ(Palantir CEO)

富士通はPalantirのソフトウェアを活用し、社内のDXプロジェクトにおいて数億円規模の大きな効果を上げています。

2023年12月5日には、社会課題の解決とビジネス変革の加速に向け、PalantirおよびPalantir Japanと戦略的なグローバルパートナーシップの発展に向けた契約を締結しました

さらに、2025年8月19日には生成AI(人工知能)基盤に関するライセンス契約を締結し、Palantir AIPを富士通が国内外の顧客に販売していくと発表しました

都道府県

Palantirのソフトウェアは各都道府県も導入しています。

神奈川県

神奈川県はPalantir Foundryを使い、新型コロナウイルス対策に必要な各種データの統合・分析環境を整備し、予測モデルの開発を進めました。

ちなみに、神奈川県は国内の自治体で最初のFoundryユーザーとのこと。

石川県

2024年1月の能登半島地震により、62,000人以上の避難者が複数の県に散らばりました。

パランティリアン(Palantirのエンジニア)たちは、120,000人の地域住民を表す15の断片的なデータソースを統合した「Victim 360(被災者360)」を構築し、避難者の発見と支援を可能にしました。

また、このシステムは再利用が可能であり、数か月後に同県で洪水が発生した際は、同じシステムをわずか24時間で再展開しました。

ピーター・ティールが投資しているAI企業

今、世界的にAIブームが起きています。

シリコンバレーの伝説的なベンチャー投資家であるピーター・ティール氏も、テクノロジー投資家の例にもれず、AI関連企業に投資を行っています。

この記事では、ピーター・ティール氏が投資を行っているAI企業を紹介します。

OpenAI

ティールはChatGPTの開発で知られるOpenAIの創業メンバーの一人で、寄付を行っています

ただし、初期に表明しただけで、実際にティール氏個人が寄付を行った記録はありません。テクノロジー系メディアのTechCrunchは、ティール氏が寄付を一時的に預けて管理してもらう「ドナー・アドバイズド・ファンド(DAF)」を通して寄付を行ったと指摘しています

ティールはOpenAIの設立に関してイーロン・マスクやサム・アルトマンと議論しており、初期(2015年)に寄付を約束した1人でもある為、創業メンバーとして扱われる事もあります。

さらに、Founders Fundを通じて投資も行っています。

公式サイト:OpenAI

DeepMind

AI研究者のシェーン・レッグ氏とチェスの天才であるデミス・ハサビス氏は、汎用人工知能(AGI)を構築するにあたって、資金と提供してくれそうな投資家を探していました。

2人はティール氏にAGIのアイデアを話しました。ティールは悩みましたが、数週間後に225万ドル(約3億3,000万円)の投資を約束し、名前もまだない会社の最初の大口投資家となりました

この会社は後にAIスタートアップのDeepMindとして正式に創業されました。

さらに、ティール氏は彼が率いるファウンダーズ・ファンドからもDeepMindに出資を行いました。

ハサビスが人間の脳をイメージした汎用人工知能(AGI)の開発を目指していると説明すると、ティールは「これは話が大きすぎるかもしれない」と驚いたが、ティールと彼のベンチャーキャピタル「ファウンダーズ・ファンド」のパートナーたちがディープマインドの創業資金200万ポンドのうち140万ポンドを出資することに決まった。その後、この投資にイーロン・マスクも加わった。

出典:莫大な富をもつとてつもなく賢い者「テクノ・リバタリアン」が、お互いに利用し合ったり、敵対したりしながら、人類の未来をつくっている | ダイヤモンド・オンライン

その後、DeepMindは2014年にGoogleに買収されました。さらに、2023年にはGoogleのAI開発部門であるGoogle Brainと統合され、「Google DeepMind」となりました。

Clearview AI

Clearview AIは2017年に創設された米国のテクノロジー企業です。評価額は2021年のピーク時に1億3000万ドル(約186億円)に達していました。

この企業は、ウェブサイトやソーシャルメディア、動画配信サイトなどから数十億単位の画像を「無断で」収集して開発した顔認識技術のサービスを提供しており、FBIを始めとする政府機関に広く利用されています

ピーター・ティール氏は同社の初期投資家です。

Mercor

Mercor(メルコア)は、2023年1月に創業したAIを活用して人材マッチングを支援する米国のスタートアップです。

ジョージタウン大学のブレンダン・フーディ氏とスリヤ・ミダ氏、ハーバード大学のアダーシュ・ヒレマス氏らが在学中に起業しました。

この3人は高校の同級生で、2024年3月にThiel Fellowshipに選出され、10万ドル(約1400万円)の資金を授与されました

同社には、大手VCのBenchmarkや経済学者のローレンス・サマーズ氏、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏が投資を行っており、企業評価額は2025年2月時点で20億ドル(約3000億円)となっています。

ティール氏は、2023年にBenchmarkが主導したシリーズAラウンドに参加しました

公式サイト:Mercor

Quantum Systems

Quantum Systems GmbH(カンタム・システムズ)は、ドイツのミュンヘンに拠点を置くAI搭載軍事ドローンを開発するスタートアップです。

ティール氏は複数回に渡り、同社に資金援助をしています。

関連記事:ピーター・ティールが支援するドローン企業「Quantum Systems」