Drudge Report(ドラッジ・レポート)は、マット・ドラッジ氏が運営している米国のニュース・アグリゲーター(ニュース集約サイト)です。
名前 | Drudge Report(ドラッジ・レポート) |
ジャンル | ニュース、政治 |
タイプ | ニュース・アグリゲーター |
URL | www.drudgereport.com |
日本版 | 無し |
開始日 | 1995年(ニュースレター)、1997年(ウェブサイト) |
運営者 | マット・ドラッジ他数名 |
ドラッジ・レポートは、米国および国際的な政治、エンタメ、時事問題に関するニュース記事へのリンクを、ドラッジ氏が独自の見出しを付けて掲載しているウェブサイトです。
ドラッジ・レポートには発行人欄が無いため、分かりにくいですが、サイトの運営にはドラッジ氏以外に、数名のアシスタントも協力しています。
例えば、2010年にはワシントン・タイムズの元ホワイトハウス特派員であるジョー・カール氏やワシントン・タイムズのコラムニストでニューヨーク・ポストの元DC支局長であるチャールズ・ハート氏がスタッフとして加わっています。
ドラッジ・レポートを一躍有名にした報道
ドラッジ・レポートは基本的に他者のニュース記事へのリンクを掲載するだけです。
しかし、ドラッジ氏が自ら記事を執筆する事もあります。
中でも有名なのは、1998年1月17日に掲載されたビル・クリントン大統領とホワイトハウスのインターンであったモニカ・ルインスキー氏が不倫している事を暴いた記事です(肩書はそれぞれ当時のもの)。
元々、この一件は、ニューズウィーク誌のマイケル・イシコフ氏が報じる準備をしていましたが、印刷に入る数時間前に、ニューズウィーク誌のトップによって没になりました。
翌朝、ドラッジ氏はニューズウィーク誌が大統領の不倫に関する報道を没にしたとドラッジ・レポートで報じました。
ドラッジ・レポートはこの一件で一躍有名になりました。
サイト情報
サイトの月間PVは2015年に7.5億、2016年時点で14億7200万です。
2012年時点の年間収益は1,500万ドル(約18億円)から2,000万ドル(約24億円)と言われています。
デザイン
Google NewsやSmartNewsなど、多機能なニュース・アグリゲーターが登場する中で、ドラッジ・レポートのウェブサイトはドラッジ氏がピックアップした注目の記事へのリンクと数枚の写真、そして広告をトップページに掲載しただけのシンプルなウェブサイトです。
タイトルは「Drudge Report」であるが、ロゴやタイトルタグ(検索等に表示されるタイトル)等は全て大文字の「DRUDGE REPORT」となっている。
また、タイトルタグではサイト名の横に西暦が掲載されている(DRUDGE REPORT 2024®)。
ドラッジ・レポートの政治的傾向と信頼性
ドラッジ・レポートに掲載されるリンクは、AP通信、ロイター通信、アトランティック、Fox Newsなど、信頼性が高く、政治的な偏りが少ないニュースサイトのものが中心です。
しかし、ブライトバートやデイリー・メールなど信頼性が低いサイトへのリンクを掲載することもあります。
総合的に見て、ドラッジ・レポートが掲載しているリンク(紹介しているニュース)は、主に中道~右派に偏っています。
過去には陰謀論を紹介していたことも
また、過去にはZeroHedgeやInfowars、Gateway Punditのような、信憑性が非常に低い記事や陰謀論を謳う記事へのリンクを掲載していた事も頻繁にありました。
その中には、オバマ大統領に関する陰謀や、不法滞在の子どもは暴力犯罪者であるといった、論破された数々の陰謀論もありました。
しかし、過去2年間はファクトチェックに失敗したことはなく、信頼性が高いニュースへのリンクを掲載しています。
右派から中道右派へ
ドラッジ・レポート(および運営者のマット・ドラッジ氏)は、ドナルド・トランプ氏の熱心な支持者で、2016年の大統領選におけるトランプ当選に大きな影響を与えました。
2019年にはトランプ氏自ら、Twitter(現X)にドラッジ・レポートのスクリーンショットを投稿しています。
We can all agree that AMERICA is now #1. We are the ENVY of the WORLD — and the best is yet to come! pic.twitter.com/Uc81DzHbu2
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) May 3, 2019
しかし、2018年からドラッジ氏はトランプ氏と距離を置き始め、主に国境の壁や移民に関するトランプ氏の公約破りを公然と批判するようになりました。
近年、ドラッジ・レポートは右派から中道右派へと緩やかに変化しています。
この立場の変化により、熱心なトランプ支持者の中には、ドラッジ・レポートをリベラル左翼のメディアと評価する者もいます。
ダン・ボンジーノ氏は、ドラッジ氏の”裏切り”を受け、保守派とリバタリアンのコンテンツのみを掲載するニュース・アグリゲーター「Bongino Report」を開設し、「ドラッジはあなたを見捨てた。私は決して見捨てません。」と述べています。